北一輝の『支那革命外史』を読んでいると、しきりに日米関係の重要性を説いていることに気づく。北を理論的な指導者とした皇道派の青年将校も、思いは同じであったはずだ。中国を侵略している英国は許せないが、米国とは手を結びたかったのである。もちろん、クーデターのやり方については、レーニンの名前を挙げているから、ソ連の動向に無関心であったわけではない。しかし、それこそコミンテルンの指令によって、日米開戦を待望した連中とは違うのである。今になって、民主党を支持する人たちから、反米ナショナリズムを煽るような意見が出ているが、まさしくそれは、先の戦争において、ソ連共産党の意向を受けた者たちが、南進政策を推進したのと変らない。日本を思う国士であるならば、米国との関係を重視すべきなのである。鳩山政権や民主党が、ここにきてようやく軌道修正をするかのように見えるが、中国共産党の顔色をうかがうようでは、問題外である。この国の根本を否定しようとする動きに対して、臆せず戦うのが本当の民族主義なのである。米国を敵視することで、共産中国に媚を売るようでは、どうしようもない。北一輝の先見性にこそ学ぶべきではなかろうか。日本は米国を敵に回すべきではない。
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