2024/05/23放送
「世の光」の時間です。神奈川県海老名市にあるグレースガーデンチャーチの牧師、阿部頼義です。今週は旧約聖書にある詩篇23篇からメッセージをお届けしています。今日は詩篇23編の1節から4節をお読みします。
「主は私の羊飼い、私は乏しいことがありません。
主は私を緑の牧場に伏させ、いこいのみぎわに伴われます。
主は私のたましいを生き返らせ 御名のゆえに 私を義の道に導かれます。
たとえ、死の陰の谷を歩むとしても、私はわざわいを恐れません。
あなたが、ともにおられますから。あなたのむちとあなたの杖、それが私の慰めです。」
この詩篇23篇は世界中で多くの人に慰めを与えてきた詩です。実は私にとっても思い出深い詩の一つです。私が牧師になりたての頃の話です。末期癌で余命1ヶ月の85歳の男性を訪問する機会がありました。私は経験も浅く何を話せば良いか分からなかったので、とりあえず詩篇23篇のことばを紙に印刷し病室に持っていきました。そして寝たきりになり天井を見つめるこの男性に紙を見せながら詩篇23篇を朗読したのです。
私が4節の「たとえ、死の陰の谷を歩むとしても、私はわざわいを恐れません。あなたが、ともにおられますから。」という箇所まで読み進めると、その男性の目から一筋の涙がこぼれ落ちました。死に向き合い、孤独を抱えていた心にイエス・キリストがともにいてくださるという希望の光が差し込んだのかもしれません。そして私にこう言いました。「イエス様のことばは優しいなあ・・・」 それから数日後、この方は病床で洗礼を受けクリスチャンとなり、天に帰っていかれました。
私はこの経験を通して、イエス・キリストがともにいてくださるという希望は死を前にした人の孤独さえも癒すことを知りました。
皆さんは孤独を感じることはありますか? そのようなときは今日のことばを思い出してください。イエス・キリスト皆さんがどのような試練の中におられるとしても共にいてくださるからです。
皆さんの心にキリストの平安があるようお祈りします。
( PBA制作「世の光」 2024.5.23放送でのお話しより )
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