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安全問題研究会(旧・人生チャレンジ20000km)~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

公共交通と原発を中心に社会を幅広く考える。連帯を求めて孤立を恐れず、理想に近づくため毎日をより良く生きる。

【お知らせ】精神障がい者の方へ~4月からJRに「精神障害者割引制度」が導入されました

2025-04-07 22:26:40 | 鉄道・公共交通/交通政策

当ブログは本来、JRグループの広報をするために開設したわけではありませんが、一応、この件は交通政策の範疇に含まれ、また障がい者の方にとっても有益な情報に当たるため、鉄道・公共交通系ブログとしてはお知らせする価値があるものと判断しました。

精神障害者割引制度の導入について(JRグループ)

上記リンク先で告知されているとおり、JRグループ各社で、この4月1日から、精神障害者割引制度が導入されました。これまで、身体障害者の方に対して適用されていたのと同様に、本人及び同行する介護者1名に限り、運賃・料金が半額となります。具体的には、精神障害者保健福祉手帳の交付を受け、その種別が第1種または第2種である方が対象となります。

適用を受けるには、お手持ちの精神障害者保健福祉手帳に「旅客鉄道株式会社旅客運賃減額」欄を作ってもらい、そこに「第1種」または「第2種」の記載を受けることが必要です。詳細は、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた各地方公共団体の窓口にお問い合わせください。

割引率についてもリンク先のJRグループの資料に記載されていますが、特にご注意いただきたいのは以下の2点です。

第2種精神障害者の方については、片道100km以上の長距離区間の乗車券のみが割引対象であること

第1種の方も含め、特急料金は割引対象にならないこと

リンク先資料には、「普通急行券」は5割の割引対象になると記載されています。「普通急行」とはいわゆる急行列車を指しますが、JRグループ各社で現在、定期列車として運転されている急行列車はありません。

特急列車は「特別急行列車」を短縮した表現で、JRグループ各社の切符のルールである「旅客営業規則」では明確に区分されています(例えば、JR東日本旅客営業規則第3条(4)で『「急行列車」とは、特別急行列車及び普通急行列車をいう。』と規定されていることからもわかるように、普通急行列車という表現が用いられているときは、特別急行列車(特急列車)は含まれません)。

障がい者であっても、移動する権利は健常者と同様に保障される必要がありますが、身体障がい者には認められている割引制度は、これまで精神障がい者には認められてきませんでした。今回、乗車券部分だけとはいえ、精神障がい者にも身体障がい者同様の割引制度が設けられたことは長年にわたる障がい者運動の成果だと当ブログは考えます。

一般的に「障害者雇用枠」で働いている人たちの賃金は、健常者の半分~7割くらいのことが多く、公共交通機関を利用して、健常者と同じ形で移動することは困難でした。障がい者が移動困難であることを理由に自宅に引きこもってしまうことで、買い物の機会が失われるなど経済損失がもたらされていることは、すでに様々な調査研究で明らかになっています。

今回の割引制度導入により、精神障がい者の方の移動が促進され、社会参加が進むことが期待されます。


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