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安全問題研究会(旧・人生チャレンジ20000km)~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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今日の朝日新聞社説 市民の闘いの息吹が伝わる

2014-07-03 22:48:03 | 反戦・平和
7・1官邸前―主権者が動き始める(朝日新聞社説)

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 「戦争反対 生きたい」。黒いペンで手書きした段ボールを持った男子高校生。「憲法壊すな」。体をくの字に折って、おなかから声を出す女子中学生のグループ。プラカードを掲げる若い女性の爪は、ネオンピンクに白の水玉。赤い鉢巻き、組織旗を持った集団の脇で、父親に抱っこされた幼児はぐったりとして。年配の参加者は、もはや立錐(りっすい)の余地もない前方を避け、下流の壁沿いに静かに腰を下ろす。作業着、ネクタイ、金髪、白髪、リュックサック、高級ブランドバッグ。地下鉄の出入り口からどんどん人が吐き出されてくる。

 安倍内閣が集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をした当日と前夜。首相官邸前で「超緊急抗議」が行われ、それぞれ約1万人(主催者)が集まった。

 若い世代が目立つ。「国民なめんな」「戦争させんな」を速いリズムにのせてコールし、年長者を引っ張っているのは大学生のグループ。デモに参加するのは初めて、ツイッターで知った、一人で来た、都外から来たという人も少なくない。主催者側によると「官邸前にはどうやって行けばいいのか」と多くの問い合わせがあったという。

 「NO」と言わなければ「YES」に加担したことになる。戦場に行かされるのがこわい。「頭数」になるぐらいしか、今できることはないから――。多様な思いを胸に集まった人たちが、官邸に向けて声をあげた。

 一方、官邸の主の記者会見は、棒読みのように始まった。「いかなる事態にあっても国民の命と平和な暮らしは守り抜いていく」。左横には、5月の会見でも用いられた、赤ちゃんを抱いた母親と不安そうな表情の子どもの絵。「非現実的だ」「情緒的に過ぎる」と強い批判を浴びたことを首相や周辺が知らないはずがない。それを再び使ったのは、批判に耳を傾けるつもりはないという意思表明だろう。説明も説得も放棄し、「思えません」「誤解があります」「あり得ない」と、気だるい感じで繰り返した。

 「首相の言動がどんどん火に油を注いでいる状態です」。抗議の主催者のひとりは言う。2日間で最も多く叫ばれたコールのひとつは、「安倍は辞めろ」だ。官邸前で、これだけの規模で、公然と首相退陣を求める声があがるのは極めて異例のことだろう。

 なるほど。安倍首相はこの国の民主主義を踏みつけにした。しかし、踏まれたら痛いということを主権者は知った。足をどけろと声をあげ始めている。
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当ブログが一般紙の記事を全文引用したのは3.11以降では初めてだろう。安倍政権成立以降、特定秘密保護法の強行採決に続くこの戦後最悪の暴挙の中で、永い眠りについていた既存のメディアは覚醒しつつある。それを象徴するのがこの社説だ。

一般紙の社説が、これほどまでに生き生きとした、臨場感あふれる表現で、市民の現場での闘いを伝えるのは極めて珍しい。闘いに立ち上がった市民たちの行動とその現場が目に浮かぶようだ。

「作業着、ネクタイ、金髪、白髪、リュックサック、高級ブランドバッグ。地下鉄の出入り口からどんどん人が吐き出されてくる」の部分は、あらゆる階層、老若男女が闘いに結集する様子を描いている。

「戦争のできる普通の国」目指して突き進む安倍政権を前に、東京は今、毎日のように集会・デモの嵐だ。政府が国民の声に全く耳を傾けず、国会内では野党が非力でいてもいなくても大差ないという状況では、主権者自らが直接、民主主義の担い手として登場する他はない。6月17日の首相官邸前行動では、ついに「ファシストに死を」というプラカードまで登場した(参考記事:田中龍作ジャーナル)。

「俺様がやるといったらやるんだ」しか頭にないファシスト安倍が、民主主義も、憲法も、人権も、すべてを踏みにじり暴虐の限りを尽くしている。そう国民が感じているからこそ、閣議決定前日に1万人、当日にも1万人。延べ2万人もの人が結集したのだ。

2014年7月1日を、「歴史の変わった1日」と評する声は、メディアにも運動現場にも数多い。確かに、歴史の変わった1日だろう――政治的に自覚し、首相官邸前に結集した市民が安倍晋三の屍を踏み越え、新たな社会に向かって進撃する決意を固めた日として。

当ブログは安倍晋三を絶対に許さない。必ず打倒・粉砕し、その政治生命を絶つまで闘い続けることをここに宣言する。

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集団的自衛権行使「容認」閣議決定に抗議する全労連談話

2014-07-02 23:11:40 | 反戦・平和
【談話】一政権の恣意的な解釈で憲法を踏みにじり、戦争する国に突き進むことは断じて許されない
- 集団的自衛権行使にかかわる閣議決定にあたっての談話 -
 (全労連)

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 本日政府は、憲法9条にかかわる憲法解釈を変更し、集団的自衛権行使の口実で、他国に自衛隊を派遣し、武力行使=戦争をおこなうことを「可能」にする閣議決定をおこなった。他国に対する武力行使は、その理由如何にかかわらず戦争そのものであり、憲法9条第2項に規定される「国の交戦権は、これを認めない」とする条項に明確に反する。日本が攻撃されていなくても武力行使を可能にすることは自衛の範囲を逸脱し、「国際紛争を解決する手段」として「武力による威嚇または武力の行使」を永久に放棄した憲法9条第1項に反している。

 本日の政府の閣議決定は、どのような詭弁を使おうとも、現行憲法に明確に反する「違憲の解釈」であり、断じて認めることはできない。

 閣議決定の即時撤回を強く求める。同時に、閣議決定にもとづく関連法「改正」や自衛隊の軍備強化、日米安保体制強化など、政府が今後すすめるであろう妄動を許さないため、「かがやけ憲法署名」を手に、国民諸階層と共同して、憲法を守り、生かすための取り組みをいっそう強める。

 本日の閣議決定は、憲法解釈にかかわるものでありながら、学説やこれまでの政府の憲法解釈を無視し、あるいは意図的に捻じ曲げて、武力による平和の維持が日本国憲法の原則であるかのように描き出している。武力による国民の擁護が「国民の平和的生存権」を守る方策であるかのよう描いている。このような詭弁を受け入れることはできない。

 憲法9条の存在を前提に国連に加盟した事実を覆い隠し、国際社会で「わが国がその国力にふさわしい形」で、軍事的側面での国際貢献が求められているかのように述べている。この点では、平和国家日本の立ち位置を180度転換するものともなっている。

 集団的自衛権行使容認という結論ありきで政府の検討が行われたことも重大である。

 5月15日に首相の私的諮問機関が出した報告書をもとに開始された「与党協議」に政府が示した様々な事例が非現実的であること、これまでの政府見解が集団的自衛権行使を禁止するために専守防衛の論理で組み立てられていること、などへの国民的批判への説明を閣議決定では行っていない。

 何よりも、一時の政権が、各種の世論調査やこの数日の国会周辺での行動にも示されるような国民の反対の声を無視し、立憲主義の原則に抗して、「従来の政府見解の基本的な論理」の範囲内だと強弁し、「憲法上許容されると考えるべきであると判断」することなどが許されるものではない。

 全労連は、日本人が他国民に銃口を向け、戦争によって血を流す国にならないために、第9条など憲法の恒久平和主義の遵守・徹底を強く求める。「戦争をする国」にむけた解釈、立法、明文のあらゆる改憲策動に反対し、国民的なたたかいの先頭に立って奮闘する。「憲法は国民からの命令書」であり、時々の政権には憲法遵守の義務があることを強く主張し、立憲主義に反する安倍政権の暴走政治を許さないたたかいの共同を広げるため、全国各地での取り組みを強める。

 戦後最大の憲法の危機に直面している今、「平和な社会であってこそ働く者の権利が守られる」との歴史の事実を再確認し、すべての労働者が「憲法9条を守りいかせ」の声を上げ、たたかいの列に参加することを強く呼びかける。

 2014年7月1日

全国労働組合総連合
事務局長 小田川 義和

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『閣議決定で「戦争する国」にするな! 6.17大集会』にご参加ください!

2014-06-16 23:29:50 | 反戦・平和
管理人よりお知らせです。

直前になってしまいましたが、明日(6月17日)、東京・日比谷野外音楽堂で『閣議決定で「戦争する国」にするな! 6.17大集会』が開催されます。

安倍政権は、国家の最高法規であるとともに、「人類普遍の原理」に基づき、主権者たる国民から「権力への命令」として制定されている日本国憲法の諸原理(国民主権・平和主義・立憲主義)をすべて破壊し、時の政権の決定事項に過ぎない閣議決定によって、戦争をする国への道を開こうとしています。

こうした安倍政権の「戦争国家路線」に反対するため、表題の集会が開催されます。ひとりでも多くの市民がこの集会に参加するよう、当ブログは呼びかけます。詳細は「閣議決定で「戦争する国」にするな! 6・17大集会」公式サイトでご確認ください。

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英、対シリア軍事行動を断念 これは市民の闘いの勝利だ

2013-09-01 09:23:08 | 反戦・平和
英、対シリア軍事行動を断念=米は方針堅持、単独介入検討(時事通信) - goo ニュース

歴史は再び繰り返すのか。何もかもが「あの時」とそっくりである。イラクが「大量破壊兵器」を持っているという不確実な情報だけを頼りに、米英軍を中心とする多国籍軍がイラクに戦争を仕掛けたあの時に…。

しかし、時代は確実に前進していたようだ。リンク先記事にあるとおり、英議会下院が英国軍のシリア攻撃への参加を求める政府動議を僅差ながら否決。英国がシリア攻撃に参加しない見通しになったのである。

英国議会は、キャメロン首相の与党・保守党と自民党で過半数を占める。政府提案を否決するためには与党から一定数の造反票が必要だが、今回、保守党からかなりの造反が出た模様だ。

当ブログは、英国議会の勇気ある決定に謝意を表明すると同時に、大手メディアが決して伝えることのない重要な事実を指摘しておかなければならないと考える。それは2つのことである――第1に、英国がイラク戦争への参加が正しかったかどうか、検証委員会を作って自分で検証した国であるということ。第2に、英国政府にイラク戦争参加についての検証を迫ったのが市民の闘いであったことだ。

英国では、イラク戦争参加について検証を行うため、独立の検証委員会が作られた。この調査委員会は、北アイルランド省事務次官を務めたジョン・チルコット氏が委員長を務めたことから「チルコット委員会」と通称されている。検証委員会は、参戦の決断を下したトニー・ブレア首相や、ゴードン・ブラウン財務相らを証人喚問するなどして参戦の経緯などを調査した。ブレア元首相は、検証委員会に対し「参戦の決断を間違っていたとは思わない」と強弁したが、検証委員会に証人喚問されたことで、ブレア元首相の権威は失墜した。

チルコット委員会のイラク戦争検証の取り組みにはなお不十分な点も多くある。それでも今回、英議会下院が英政府のシリア攻撃参加動議を否決した背景に、「ブレアのように戦争終了後、喚問されたらたまらない」という議員たちの恐れがあるとしたら、それはイラク戦争の検証を行うよう政府に強く要求し続け、ついにそれを実現させた英国市民たちの闘いの力であることを私たちは改めて想起したいと思う。たとえ米仏の参加でシリア攻撃自体は行われたとしても、このことは輝かしい結果として、世界の反戦運動の歴史に残ることは間違いない。

なお、英国におけるイラク戦争検証委員会については、「レファレンス」(国立国会図書館発行)2010年6月号掲載「オランダ及び英国におけるイラク戦争検証の動向」をご覧いただきたい。

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いま明らかになる朝鮮半島分断の真相、そして休戦協定60年を迎えた朝鮮半島の今後は?

2013-07-31 22:24:00 | 反戦・平和
朝鮮半島を分断する38度線の秘話(ナショナルジオグラフィック)

朝鮮戦争の休戦協定締結から29日で60年を迎えた。当ブログの記憶する限り、どのような経緯をたどって朝鮮半島が分断されるに至ったのかの詳細が明るみに出たことは、これまでほとんどなかったと思う。リンク先の記事は、南北を分断する境界線の策定作業に従事した当事者の証言という意味でとても貴重なものである。休戦協定締結60周年という節目に当たり、いま世に出しておかなければ真相が永遠に闇に葬られるという危機感もあるのかもしれない。

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(前略)

 時間は限られていた。日本に宣戦布告したソ連は、アメリカが日本の本土を占領する前に一気に朝鮮半島を南下、占領してしまう恐れがあった。当時、アメリカの部隊はまだ966キロ離れた沖縄にいた。

 38度線が“経済的、地理的な意味を持たない”ことはラスクにもわかっていた。朝鮮半島は過去1000年のうち大半を、地理的には統一体として存在してきたからだ。しかし、冷戦時代の幕開けを告げる米ソ対立の中、“軍事上の便宜”がなによりも優先した。そして、朝鮮半島はあくまで一時的に分割されることになる。

(中略)

 緊急で、そして重圧がのし掛かる大変な任務、アメリカが占領する範囲を決めなければならない。ティックも私も半島の専門家ではなかったが、首都ソウルはアメリカ側に入れるべきだと感じた。軍が広い範囲の占領に反対していることも知っていた。そこで、ナショナルジオグラフィックの地図を引っ張り出し、ソウルのすぐ北にぴったりの境界線はないかと探してみた。しかし、適当な地理的境界は見つからない。代わりに目に入ったのが、緯度38度の直線だ。上司に提案してみるとすんなり通ってしまった。ソ連も同意したのには驚いたが。

(以下略)
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この証言で貴重だと思うのは、米国が朝鮮半島の分断を「一時的な措置」と考えていたこと、ソウルは米国側が押さえるべきと考えていたにもかかわらず、「軍が広い範囲の占領に反対している」という当時の状況が明らかにされたことである。当ブログは、米国は朝鮮半島全体を支配下に収めたかったにもかかわらず、ソ連との関係を考慮して断念したのだろうと想像していたから、特に後者は意外な感じを受けた。

当時、米国はアジアのどこかを「共産主義の防波堤」にする必要があったが、中国がその役割を担える可能性はすでになくなっていた。朝鮮戦争が始まった当時(1950年)、中国は共産党が政権を握り、中華人民共和国となっていたからだ。米国は、日本に再軍備をさせれば再び軍国主義が復活しかねないと考え、日本再軍備には慎重だと考えられていた。となれば、「共産主義の防波堤」になり得るのは朝鮮半島しかない。「米国は朝鮮半島全体を支配下に収めたかったにもかかわらず、ソ連との関係を考慮して断念したのだろう」と当ブログが想像したのはこのような考えからだった。ところが実際はそうではなく、米軍サイドは“経済的、地理的な意味を持たない”朝鮮半島の「広い範囲の占領に反対」していたというのだ。

第二次大戦以降に米国が行った軍事行動、そして占領した国々とその占領の仕方を見るとひとつの「共通点」が見いだせる。米国が地上軍を投入してまである国を占領するのは、その国が(1)反民主主義的政治体制にあり早急な解体が必要な場合、(2)石油などの資源が豊富で略奪したい場合・・・のいずれかに限られる。(1)の典型例が日本であり、(2)の典型例がイラクだった(実際には米国は(1)を建前としてイラクを占領したが、本音は(2)にあった)。(1)(2)のどちらにも該当しない国の場合、米国は基本的には占領したがらない。米国は何も考えていないように見えて、実際にはその国を占領すべきかどうか、「費用対効果」を見極め、きわめて現実的、実利的に判断しているのだ。

そのように考えるならば、当時の米国にとって、資源もない朝鮮半島の全体を支配下に置くことは、効果が費用に見合わないから、米軍サイドが「軍が広い範囲の占領に反対」するというのは充分あり得ることだ。首都ソウルを押さえ、共産主義に対抗するための橋頭堡さえ確保しておけばよいという判断だったのだろう。

このことは、日本の戦後の運命をも左右したように当ブログは感じる。米国は、中国が共産党政権に変わってもなお朝鮮半島を「共産主義の防波堤」として使うことに消極的だった。理由はわからないが、その役目は初めから日本に負わせるつもりだったのだろう。逆に言えば、憲法9条を与えた日本に再軍備の道を歩ませるという米国の決意は、かなり早い段階から決まっていたような気がする。

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休戦も60年続けば、戦争経験者は若くても80歳代になる。それ以下は戦争の記憶がない。国際法上、休戦は戦争状態には違いないが、事実上の終戦といってもよいかもしれない。

とはいえ、2010年11月には、韓国・延坪島が北朝鮮の軍事攻撃を受け、休戦協定発効以来初めて民間人に死者を出す事態も起きている。韓国は、私たち日本の市民も理解できる民主主義体制なので、当ブログは戦後補償問題を除いてあまり悲観をしていないが、北朝鮮は、いまだ文化大革命当時の中国のような「政治運動至上主義」の体制にある。

休戦65周年まで、北朝鮮は生き残ることができるだろうか。当ブログは、北朝鮮は案外低空飛行ながらも持ちこたえるのではないかという気がする。北朝鮮の体制側に国体護持の意思が強固であり、反体制派は存在すらせず、周辺諸国も北朝鮮崩壊を望んでいないからである。韓国は建前として「北進統一」を掲げているが、東西ドイツが統一後、経済状態の悪い旧東ドイツを抱えて苦労した例を見ているので、北朝鮮を吸収するのに二の足を踏んでいるのだと思う。

東アジア全体にとって困るのは、北朝鮮が経済の極度の困窮、軍の暴発などによって予期せぬ崩壊をすることだ。その際、朝鮮労働党政権なき後の朝鮮半島北部はどのような運命をたどるだろうか。

(1)韓国による統一
韓国自身は乗り気ではないが、周辺諸国からの圧力で渋々統一に応ずるシナリオである。東西ドイツ統一と同じ経過であり、統一後の政府は苦労するであろうが、民族の将来にとっては、民主主義による統一政権ができる最良のシナリオである。

(2)中国による傀儡政権の成立
朝鮮労働党に代わる傀儡政権を中国主導で樹立するシナリオである。現実的には最も実現可能性が高く混乱は少ない。中国は大規模な経済・食糧支援を行い、なんとしても傀儡政権維持に努めるであろう。この場合、朝鮮半島の分断は続く。

(3)中国が軍事侵攻し、直接統治
傀儡政権の樹立も難しいほどの混乱に見舞われた場合、中国がやむを得ず発動するかもしれないシナリオだが、中国はできるだけこの方法は避けようとするだろう。なぜなら中国がもし旧北朝鮮エリアを占領した後に撤退した場合、中国にとって領土を手放すという「悪しき前例」となるからだ。そうなれば「チベットも手放せ」「ウイグルからも撤退せよ」と要求を突きつけられ、今度は中国が制御不能の混乱に陥る可能性がある。

このシナリオを採った場合、中国が「領土撤退ドミノ」を恐れ、逆に朝鮮半島北部から永遠に撤退できなくなるかもしれない。そうなれば、旧北朝鮮エリアが中国の一部に完全に組み入れられ、朝鮮半島の統一はほぼ半永久的に不可能になる。朝鮮半島にとって長期的には最悪のシナリオである。

米国が旧北朝鮮エリアを占領することは、絶対にないと断言できる。東西冷戦が最も激しく、米国に最も国力があった第二次大戦直後ですら、米国は効果が費用に見合わないとして朝鮮半島全体を支配することを見送ったのだ。ソ連も存在しない現在、当時より国力も落ちた米国が実利のない占領などするはずがない。一時的な混乱はあっても、最終的には上記(1)~(3)のいずれかに落ち着くであろう。

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オスプレイ反対国会包囲行動

2012-09-09 23:19:28 | 反戦・平和
オスプレイはいらない!~沖縄に連帯して1万人が国会包囲

9.9国会包囲レポート(なずな)~ 鳥はおもわず声を合わせた

9.9オスプレイ反対!国会包囲行動

(いずれも「レイバーネット日本」から。以下の報告も、当ブログ管理人が「レイバーネット日本」に投稿したものです。)

「9.9沖縄県民大会と同時アクション『国会包囲』~オスプレイ配備を中止に追い込もう」の様子は、すでに皆さんが報告しているとおりです。私からは重複しない範囲で報告するとともに若干の感想を述べます。

国会包囲行動に移る直前、国会に向かって行ったコールの内容は多彩でした。オスプレイいらない、基地はいらない、米軍いらない、自衛隊いらない、ヘリパッドいらない、市民を守れ、高江を守れ、緑を守れ、ジュゴンを守れ、などなど。「原発いらない」のコールもありました。

正午頃、高橋哲哉さんが到着。「墜落事故や緊急着陸など相次ぐトラブルは、オスプレイ自身がその危険性をメッセージとして発しているのだと思う。沖縄県での反対運動が不要になるくらい、この首都圏で運動の機運を高めていきたい」とあいさつしました。高橋さんの著書「犠牲のシステム 福島・沖縄」(集英社新書)は福島でも沖縄でも平積みにされ、よく売れたようですが、実際、今日の国会前でも「危険なものを安全と言いくるめて地方に押しつける構図が原発とそっくりだ」「安全なら、オスプレイ用のヘリポートを東京に造ればいい」と、基地と原発の共通点を指摘する声が聞かれました。「1%の政権打倒」のプラカードを掲げている人もいました。

労働組合・市民団体は、やはり日頃から平和運動に熱心に取り組んでいるところの参加が多かったようですが、それに加えて、自発的意思によって集まってきた一般市民が合流する形となったのは大変望ましいことだと思います。金曜日の官邸前反原発行動でも、参加者が独自のアイデアで工夫を凝らしたプラカード、のぼり、横断幕が毎回登場していますが、今日の行動でも、多くの市民が様々な自己表現をしているところが従来と大きく異なるところだと思います。3.11を経て、日本の市民が新たな表現力を手にしたのだということを改めて実感させられました。







国会正門前でマイクを握った人の多くが発言したように、沖縄問題は本土の問題です。実際、「沖縄の問題は私たちの問題です」のプラカードを掲げた人もいました。沖縄では県民大会のたびに10万人規模の参加者を記録していますが、東京では多くても数千人レベルでした。沖縄の基地問題に関して、東京で1万人規模の参加者を集めたのは近年なかったことで、市民の政治への広範な怒りが存在していることがまたも証明されました。



なお、今夜7時のNHKニュースでは、県民大会と国会包囲行動が日中関係のニュースに続き2番目に取り上げられました。民主・自民2大政党の党首選よりも先に報道されるなど、メディアの扱いも悪くありません。3.11以降の市民による徹底的なメディア監視・批判が、報道をも動かしつつあるように感じました。

(文責:黒鉄好)

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【管理人よりお知らせ】イラクパネル展&医師講演会、オスプレイ反対集会・国会包囲行動にご参加ください

2012-09-06 22:22:57 | 反戦・平和
管理人よりお知らせです。

1.イラク子ども写真展&報告会「イラクから福島へ」(福島市)、講演会「イラクからのメッセージ 小児がんを乗り越えて」(東京)が開催されます。

直前のお知らせになってしまい、申し訳ありませんが、昨年末、米軍が撤退したイラクから、小児ガン専門医、フサーム・サリッヒさんが来日し、報告会(福島)、講演会(東京)が開催されます。概要は以下のとおりです。

9月7日(金):福島/報告会「イラクから福島へ」

時間 18:30~20:30
場所:チェンバおおまち3階会議室(福島市大町4-15 TEL 024-526-4533)
参加費:500円
お問い合わせ:子どもを放射能から守る福島ネットワーク

★同時に、チェンバおおまち3階交流広場(印刷室隣)にてイラクのパネル展を開催しています。

◆期日 2012年8月25日(土)~9月14日(金)(火曜日休館) 
◆時間 開館中(午前10時~午後9時) 

9月8日(土):東京/講演会「イラクからのメッセージ 小児がんを乗り越えて」

時間:18:45開演(18:30開場)
場所:文京区シビックセンター(文京区春日1丁目16番21号)
主催:バスラ東京報告会実行委員会
協力:JIM-NETセイブ・ザ・イラクチルドレン広島日本国際ボランティアセンターイラク戦争の検証を求めるネットワーク
お問い合わせ:JIM-NET(情報ページを参照してください)

イラク戦争で米軍が大量に使用した劣化ウラン弾(ウラニウム兵器)による子どもたちの内部被曝が深刻さを増しています。こうした問題は、福島原発事故由来の放射能にさらされている福島でもいずれ必ず顕在化する問題です。日本より先に放射能被害が深刻化しているイラクの小児ガン専門医の講演を聴くことは、被曝の恐ろしさを再認識し、被曝からの防護を図る上で必ず役に立つものと思います。

福島のみならず、福島原発の放射能による被害が予想される地域の皆さまは、是非聴いておくことをお勧めします。

●劣化ウラン弾については、こちらをご覧ください。世界の原発で使われるウラン燃料(ウラン235)を抽出した後の放射性廃棄物(ウラン238)を兵器に転用したのが劣化ウラン弾です(参照)。このことだけでも、原発は人道主義に反する「兵器工場」であり、一刻も早く廃絶されなければなりません。

2.オスプレイ配備反対沖縄県民集会、及び同時アクション「国会包囲行動」にご参加ください。

台風のため延期となった「オスプレイ配備反対沖縄県民集会」が、9月9日、宜野湾海浜公園で開催されます。詳細は「no osprey 沖縄県民大会事務局」公式ブログをご覧ください。

この沖縄県民の闘いに応える形で、東京でも同時アクション「国会包囲」行動が取り組まれます。詳細はチラシ()()をご覧ください。

なお、この国会包囲行動には、当ブログ管理人も参加予定です。多くの人の参加をお願いします。

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【管理人より】オスプレイ配備に反対する沖縄県民集会のお知らせ

2012-08-19 23:47:30 | 反戦・平和
8月5日、台風により開催が延期された「オスプレイ配備に反対する沖縄県民集会」が、再度の日程調整の結果、9月9日に開催されることとなりました。会場は、宜野湾海浜公園です。

なお、詳細は「no osprey 沖縄県民大会事務局公式ブログ」をご覧ください。

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【管理人よりお知らせ】オスプレイ配備に反対する沖縄県民集会は延期になりました

2012-08-04 09:38:26 | 反戦・平和
7月30日付記事でお知らせしたオスプレイ配備に反対する沖縄県民集会は、台風11号接近のため延期となりました。次回開催日程は、今のところ未定です。

詳細は、「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」事務局公式ブログをご覧ください。

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【管理人よりお知らせ】オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会にご参加ください!

2012-07-30 22:42:59 | 反戦・平和
管理人よりお知らせです。

すでにご承知の方も多いと思いますが、8月5日(日)に宜野湾海浜公園にて表記の大会が開催されます。

オスプレイは、その不安定で複雑な構造等から事故が多発しており、すでに多くの米軍乗員が死亡しています。あまりの事故の多さから「空飛ぶ棺桶」「未亡人製造機」などと呼ばれています。

このような危険な輸送機が「県外移設」されるはずだった普天間基地に強行配備されようとしています。普天間基地は住宅街の真ん中にあり、住民の頭上に墜落した場合、大惨事が予想されます。

「危険なのに国民の反対を無視して強行」されようとしている点で、オスプレイ配備問題は大飯原発再稼働問題と全く同じです。これまで基地被害に苦しんできた沖縄に連帯することが原発再稼働を止めることにつながります。当ブログ管理人はさすがに遠くて参加できませんが、このブログを読んで参加できる方は是非お願いいたします。

なお、詳細は「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」事務局公式ブログをご覧ください。

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