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安全問題研究会(旧・人生チャレンジ20000km)~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

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3月10日、首都圏を襲った「煙霧」とは?

2013-03-12 23:29:02 | 気象・地震
黄砂? 煙霧?その違いはなに?(日経ウーマンオンライン)

3月10日午後2時頃、東京都心などで大規模な煙霧が観測され、テレビ・ネットなどで話題になった。煙霧は、今年に入ってからだけで東京で3回目の観測となるなど、意外に多い現象だが、今回は視界が2km以下になるなど大規模で、折からの寒冷前線通過で急激に気温が下がったこともあって話題になったようだ。

この煙霧が発生したとき、当ブログ管理人は東京・日比谷野音での脱原発集会に参加しており、ちょうど外に出ていた。天候の急激な変化がまるでビデオを早送りするようにはっきり見えた。上空が晴れて半袖でも暑いほどだったのが、急に曇り、会場の右側から灰色とも黄色ともつかない雲が急激に近づくのが見えた。雲が会場を通過するとき、激しい風が吹き、急激に寒くなった。雲が通過した後は、さっきまでの暑さが一転、上着を着ても肌寒く感じるほど気温が下がった。後に報道で知ったが、このとき、東京都心では24度から17度まで一気に7度も気温が下がったそうだ。

ところで、煙霧とは「肉眼では見えないごく小さい乾いた粒子が大気中に浮遊して視程が10キロ未満の状態」を指す気象学用語であると同時に、晴れ、曇り、雨などと同様、天気を表す区分のひとつである。日本では、天気区分は全部で15あり、快晴、晴、薄曇、曇、雨、霧雨、雷、雪、みぞれ、あられ、ひょう、霧、煙霧、砂じん・嵐、地吹雪である。この他、ラジオの気象通報では「天気不明」という用語が使用されることがあるが、これは天気区分ではない。

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栃木県北部、震度5強の地震について

2013-02-25 23:44:25 | 気象・地震
平成25年2月25日16時23分頃の栃木県北部の地震について(気象庁報道発表)

当ブログ管理人がユレダスによる緊急停車を初めて体験した今日夕方の震度5強の地震について、報道発表を見よう。

震源地は栃木県北部(栃木・福島・群馬の県境)、震源深さは10km、地震規模はM6.2(阪神大震災の約30分の1)。エネルギーとしては中規模だが、震源が浅かったため強い揺れとなった。一方、揺れの範囲は比較的狭い地域にとどまった。

発震機構(地震のメカニズム)は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型(速報)。少し気になるのは、西北西-東南東というのが東日本大震災、さらには2008年に起きた岩手・宮城内陸地震とも同じであることだ。岩手・宮城内陸地震~東日本大震災と続く一連の流れの中にある地震のように思われる。

それにしても、凄まじいのは余震活動だ。震度5強の「本震」の前に前震と見られる地震が4回(うち1回は震度3)、本震後の余震が27回(うち2回は震度4)も発生している。

今後、1週間程度は震度4クラスの余震のおそれがあるので十分注意してほしい。

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ユレダスによる緊急停車を初体験

2013-02-25 17:18:51 | 気象・地震
今日は仕事を早退し、訳あって新幹線で東京都内に向かっていたが、新白河発車後、栃木県との県境のトンネルに入ったところで突然車内が停電、急減速し始めた。その直後、携帯電話から緊急地震速報。栃木県北部で震度5強が観測された(震度5強が日光市など局地的だったせいか、車内で揺れはほとんど感じなかった)。

ユレダス(地震動早期検知警報システム)作動による緊急停車を初体験したが、突然の停電にもかかわらず車内で取り乱したり、動揺する人はほとんど見られなかった。東日本大震災以来、東日本の人たちは本当に度胸がついたと思う。

私自身は、ユレダスの特性(地震波を検知すると停電させて列車を止める)を知っていたので動揺はしなかったし、停電の原因がユレダスで、周辺地域が停電していないのであれば停電は数分で復旧するとにらんでいたので冷静だった。

今回、ユレダスによる緊急停車を経験してみていくつか、興味深いことがわかった。その最大のものはユレダスの観測精度だ。

突然停電が起き、減速が始まった後、携帯電話の緊急地震速報がなり始めるまでに「停電? なんだろう?」と疑問に思うだけの時間的余裕(少なくとも3~4秒)があった。気象庁の緊急地震速報もユレダスもP波とS波の差から震源を割り出すもので、原理的には同じだが、ユレダスは気象庁の緊急地震速報より観測精度はかなり高いと考えられる。

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「逆神」状態の気象庁との正しい付き合い方

2013-02-08 22:51:12 | 気象・地震
気象庁、降雪予報またハズレ 挽回ならず「国民に迷惑」(産経)

今年の1月14日、成人の日を気象庁が「大雪にはならない」と予報したにもかかわらず、この日に首都圏が大雪となったことはまだ多くの方がご記憶だろう。振り袖姿の新成人が大雪に見舞われるのを気の毒に思ったものだ。

大雪と予報すれば降らず、大雪ではないと予報すれば降る。最近の気象庁は見事なまでの「逆神」ぶりだ。長期予報にしても、冷夏と予想すれば猛暑、暖冬と予想すれば厳冬というパターンがここ数年は続いている。冷夏と予想していたのが、暑くなり始めたら暑くなると予報を修正し、暖冬の予報の後、寒くなり始めたら厳冬と修正する。暑くなってから「暑くなる」、寒くなり始めてから「寒くなる」というのは実況であって予報ではない。

ここ数年は、気象庁よりも民間の気象予報士のほうが精度のよい予報を出しているように思う。なぜ気象庁はこんな体たらくになってしまったのだろうか。

明治時代に日本で初めて国立気象台による天気予報が始まった頃、予報精度は低く、「“測候所、測候所、測候所”と3回唱えれば、傷みかけた食べ物を食べても“あたらない”」という冗談が流行ったほどだ。最近では予報的中率は7割程度だが、「晴時々曇、所により一時雨か雷雨、山沿いでは雪」などという予報を出しておいて「的中」といわれても納得できないものがある。

最近、天気予報の精度が以前より下がったと感じている人が多くなったような気がする。実際には的中率は変わっていないと思うが、年末年始、GW、秋の行楽シーズン、大きなイベントや大学入試センター試験の日など、お天気が国民的関心事となる「ここ一番」のときに当たるか外れるかが予報全体の信頼性に大きく影響する。こうした「ここ一番」の日に外れが多いことが、予報精度の低下のイメージにつながっていると言えるだろう。

今から20年ほど前は、こうした「ここ一番」のとき、「迷ったら悪いほうに予報しておく」のが鉄則とされていた。晴と予報して雨だったら苦情が殺到するが、逆であれば苦情が少ないので、そのような「政治的判断」による予報が行われるときがあった。ただ、昔は良い方に予報が外れたときは苦情を言う人が少なかったが、最近は良い方に外れても苦情を言う人が多くなってきて、予報士・予報官にはやりづらい時代になった。世の中全体が世知辛くなったことの「とばっちり」の側面もあるだろう。

気象庁の名誉のために述べておくと、首都圏に大雪を降らせる「南岸低気圧」は天気予報の中でも最も難しいもののひとつである。実際には、発達中の低気圧が伊豆大島と八丈島の間を通り、なおかつ東京の気温が2度以下になったときに首都圏が大雪となることが経験的に知られている。低気圧がこれより北を通った場合は、首都圏には南から暖かい空気が流れ込むので雪ではなく雨となる。逆に、低気圧がこれより南を通った場合には、北~北西の季節風が吹くため、雪は首都圏ではなく日本海側に降ることになる。

こうした特性を知った上で、「逆神」状態の気象庁といかに付き合うべきか。気象庁を絶対視せず、数ある情報のひとつとして冷静な判断をすることである。気象予報士などの情報も参考にし、時には空を見て直接判断するのも有効な手段である。当ブログ管理人は、判断に迷ったときは天気図を見て直接判断することにしている。

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南太平洋・サンタクルーズ諸島で発生した地震について

2013-02-07 22:02:55 | 気象・地震
平成25年2月6日10時12分頃の南太平洋で発生した地震について(気象庁報道発表)

南太平洋・サンタクルーズ諸島で発生したM8.0の巨大地震で、日本にも津波が到達、最大で40cmを観測した。現地の情報はまだ伝わっていないが、甚大な被害が出ているであろうことは想像に難くない。

もっとも、過去にはチリ地震津波が日本を襲い、死者を出したこともある。地球の裏側からでも、津波ははるばるやってくることもある。

日本に津波が到達しなければ、まず国内では騒がれずに終わるはずだった地震だが、重要な点がいくつかある。まず、この地震がプレート境界で起きた海溝型地震、そして環太平洋地震帯上で起きた地震であるという点だ。オーストラリアプレートと太平洋プレートの境界である。

太平洋プレートの境界で起きた地震ということで、この地震がさらに太平洋プレートの端に位置する他の地域に影響する可能性がある。2011年2月にニュージーランド大地震が起き、1か月もしないうちに東日本大震災につながったように、次の地震が日本でないという保障はどこにもない。ぜひ警戒をしてほしい。


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昨夜の十勝地方中部の地震について

2013-02-03 09:38:59 | 気象・地震
平成25年2月2日23時17分頃の十勝地方中部の地震について(気象庁報道発表)

詳細はリンク先の通りだが、震源地は十勝地方中部、震源深さは108km。地震の規模はM6.4で、M7.2だった阪神大震災の約30分の1だ。発震機構(地震のメカニズム)は南北方向に圧力軸を持つ型である。圧力軸という表現から逆断層型という理解でいいだろう。「沈み込む太平洋プレート内で発生した地震」とあるが、震源地から見て北米プレートの間違いではないか。

この地域は、太平洋プレートと北米プレートの境界に近く、1982年以降の20年間にM6.5以上に限っても4回の地震が起きている。いわば地震の巣だ。通常の地震活動の範囲内のものであり、数年おきに発生する地震の一環と考えられる。今後、よほど目立った余震活動がない限りそれほどの心配はないと思われるが、数日間は余震に十分警戒してほしい。

なお、東通原発のある青森県東通村で震度5弱を記録、長い揺れが1分以上続いたとの情報もあることから、当ブログでは今夜、臨時に放射線量測定を行う予定である。

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【追記・重要】三陸沖地震について(続報)

2012-12-07 22:52:02 | 気象・地震
三陸沖地震 懸念された「アウターライズ型」 長期の警戒必要(産経)

やはり、今日夕方の地震は最も懸念されていた「アウターライズ地震」だった。気象庁も会見でアウターライズ地震と言及したようだ。リンク先記事にあるとおり、今後長期にわたって警戒してほしい。

ところで、注意喚起の意味で読者の皆さんにお知らせしておかなければならないことがある。それは津波の到達速度である。

2011年3月11日の東日本大震災は、震央が牡鹿半島の東、約130km付近であったのに対し、今回の地震は牡鹿半島の東、約240km付近で起きた。つまり今回の地震のほうが、震央は110kmも遠かった。

にもかかわらず、今回の地震では発生から30~40分で早くも津波の第1波を観測した。3.11の時も津波の第1波が三陸沿岸に到達したのは30~40分後だった。つまり、3.11の時よりも今日の地震のほうが津波の速度は速かったことになる。

一部インターネットで、「来るべきアウターライズ地震では、震源が3.11より遠いので、落ち着いて避難を」などと呼びかけているところもある。避難の大切さを訴えるのはいいとしても、震源が近いよりも遠いほうが津波到達までに時間の余裕があるとは必ずしもいえないことが、今日の地震で示されたと思う。

今日の地震を来るべきアウターライズ「本震」のリハーサル、予行演習と思ってほしい。アウターライズ型地震では津波の到達が早いかもしれないことがわかった以上、いざそのときが来たら躊躇なく避難してほしい。

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【重要】本日夕方、三陸沖の地震について

2012-12-07 19:56:32 | 気象・地震
「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について(第66報)(気象庁報道発表)

(追記:「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について(第67報)(気象庁報道発表)が追加発表)

今日午後5時18分頃、三陸沖を震源として発生した地震には肝を冷やした人も多かっただろう。「あの日」と同じ冬、発生時刻は異なるが金曜日の午後という条件も同じだった。揺れも1分近く続く長いものだった。

発生当時、当ブログ管理人は職場にいた。携帯電話の緊急地震速報の後、ゆらゆらと長い揺れ。第2波の大きな揺れが来たときは巨大地震を一時覚悟し、一瞬書類が落ちないよう押さえた。しかし幸いにしてその後は大きな揺れは来ず終わった。

すでに気象庁が記者会見し、報道発表も行われているので早速見よう。

地震の規模:M7.3
震源:三陸沖(牡鹿半島の東、約240km付近)
震源深さ:約10km(速報値)
発震機構(地震のメカニズム):西北西-東南東方向に張力軸を持つ正断層型(速報)

地震の規模のM7.3は阪神・淡路大震災と全く同じである。東日本大震災(M9.0)との比較では、マグニチュードが約2小さいので、エネルギーはほぼ1000分の1である。震源深さの約10kmというのは、東日本大震災と同じ浅い領域での地震である。

そして最も注目すべきは発震機構だ。西北西-東南東方向に張力軸を持つ正断層型である。2011年3月11日の東日本大震災は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型だったから、力のかかる方向は全く同じで力のかかり方は正反対ということになる。より詳述すると、力のかかる方向は全く同じで、断層同士が内に向かって押し合ったのが東日本大震災であり、外に向かって引っ張り合ったのが今回の地震である。

震央は東日本大震災が「牡鹿半島の東、約130km付近」だったので、それよりはかなり沖合だ。太平洋プレートと北米プレートの境界より外側(東側)であるように見える。

インターネット上では今日のこの地震が、近い将来発生が見込まれる三陸沖「アウターライズ地震」の前震ではないかとの声が早速あがっている。当ブログはこれをひとつの有力な見解と考える。今後の解明を待たねばならないが、プレート境界の内側と外側ではプレートの移動する方向は逆だから、今回の地震が正断層型(東日本大震災の逆)であったことはプレート境界の外側が震源ではないかというひとつの有力な根拠である。

問題は、M7.3という地震の規模が「アウターライズ地震」としては小さすぎることだ。今日の地震が「数日後に発生するであろう三陸沖アウターライズ地震」の前震である可能性は十分に考えられる。ここ数日の間、東北地方はもちろん、関東でも三陸沖での余震の発生状況を注視しながら「アウターライズ本震」の発生に厳重な警戒をしてほしい。

(特に、当ブログではまだ取り上げていないが、12月2日に発生した笹子トンネルにおける天井板落下事故の影響で、中央道の一部区間が通行止めとなっており、年内復旧は困難な状況にある。仮に「本震」が発生しても、中央道経由で西へ避難することは不可能であり、東名高速に避難車が集中すれば重大な事態を招く恐れもある。)

念のため、当ブログ管理人は予備タンクに入れたガソリンを物置から車のトランクに移動させることにした。これから再度、非常持ち出し品の確認を行うことにする。

なお、当ブログ管理人は明日から関西~九州に出張となる。14日に東京に戻った後に都内で1泊、15日に都内で所用をすませて帰宅する計画だ。この状況で自宅に妻を1人にしなければならないことに強烈な不安を感じる。場合によっては、妻も数日間、関西に一時滞在させようかと考えている。

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地震予知できない学者に禁固刑を科したイタリアと地震予知の現状

2012-10-26 22:25:07 | 気象・地震
地震学者らに禁錮6年 イタリア「安全宣言」直後に発生(朝日)

具体的な経過は記事をご覧いただきたいが、地震予知が現状では未知の分野とされる中で、根拠なく安全宣言を発した地震学者に実刑が下された。イタリアの地震学者が気の毒になってくる。原子炉が壊れてからも「安全」と言いまくり、罪にも問われない日本の御用学者は一度厳罰に処せられたほうがいいと思うが…。

昨夜も石巻市で震度5弱を記録する地震があったが、10月20日、茨城県在住を名乗る人物により、あるオカルト系予知・予言サイトに「自分の家の井戸水が突然、枯れた」という注目すべき書き込みがあった。内容の真偽がわからないので話半分に聞いておこうと思いながら、警戒だけはしておいたが、まさか本当に宮城で震度5弱が来るとは思っていなかったので若干、驚いたところだ。

現状では、地震予知は「ナマズが暴れると地震」という民間伝承と同等か、悪ければそれ以下の水準で、全く当てにできない。この例のような「井戸が枯れる」とか、イルカやクジラが数十頭単位で打ち上げられる、という話のほうがよほど予知としては信頼が持てる。

今、地震予知につながるものとして期待されている前兆滑り(プレスリップ)にしても、大地震の直前に必ず起こるという確証は今のところ持てないし、逆に前兆滑りがあったから必ず大地震が来るというものでもない(現に、千葉県沖では数年に1度の割合で地震を伴わない前兆滑りは起きている)。

大規模地震対策特別措置法(大震法)では、東海地震の発生が確実になった段階で首相が「警戒宣言」を出せることになっているが、警戒宣言が出されたら交通や物流は麻痺する。国民の生命のために警戒宣言が2~3回は空振りになってもいいという社会的合意があればよいが、原発事故で明らかになったように、この国は命より経済が優先だ。この国の支配層は、国民の反発を恐れて公の場では口にしないが、本音では「たかが10万人や20万人の命ごときで経済を止めるなんてあり得ない」と思っているだろう。政府や経済界がこの体たらくで、警戒宣言など出せるはずがないと当ブログは思うのだ。

このように考えれば、いざというときが来ても、予知はできず警戒宣言も出ない。「そのとき」はある日突然やってくる。残念ながら、政府に投じた税金はドブに棄てたのだと割り切り、自分の身は自分で守るしかない。そのためには、動物の異常行動などの「宏観異常現象」を注意深く観察しながら備えるしかないのだろう。

私は、当ブログのリンク先にもなっているNPO法人大気イオン地震予測研究会 e-PISCOを、宏観異常現象に偏重した団体だと思っていたが、今、この時を迎えてみるとe-PISCOには先見の明があったと思う。宏観異常現象の収集、体系化のほうが実用的な地震予知につながる可能性がある。もうしばらく、e-PISCOとの付き合いは続けていくほうがいいように思う。

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地震予知は無理? 学会が方向転換も

2012-10-18 22:08:52 | 気象・地震
地震予知の研究50年間「成功率ゼロ」常時監視の東海地震でも無理なのか(J-CAST)

活断層型地震の典型である阪神・淡路大震災に続き、プレート(海溝)型地震の典型である東日本大震災も予知できなかったことで、地震学会は大きな沈滞ムードにあるようだ。地震予知など無理、やめて防災・「減災」対策に専念しようという声が次第に学会で大きくなりつつある。

当ブログは、地震を予測できなかったことに対して一定の反省は必要と思うものの、予知に関する研究を全面的にやめてしまうのは、せっかくの過去の研究成果を捨て去るものであり、賛成できない。

もともと地震予知なんて、現状では星占いと同じ程度のものだと当ブログはかねがね主張してきた。その真意は、地震予知に意味がないというのではなく、星占いと同じ程度に参考にすればよい、というほどのものである。私自身は興味がないが、星占いが好きな人は、今日のラッキーカラーが例えば青だとすると、青い物を身につけて幸運を呼び込もうとするだろう。そんな物で幸運が呼び込めるとは思えないけれど、幸運がやってくると、それを身につけていたおかげだと感謝できるし、たとえ何もなかったとしても、これを身につけていたおかげで悪いことが起きずに済んだと思える。それと同じように、大地震が起きたときに、予知があったおかげで被害を最小限に抑えることができたと思えるようなものとして、肩肘張らず、構えず「予知」と付き合っていけばいいと思うのだ。

実際、地震予知連委員まで務めたある地震学者が、地震予知を競馬に例えてこう言っている。

「ゲートが開いてスタートした直後、すべての馬が横一線の時にどの馬が勝つかと聞かれても困る。しかし、ゴール直前まで来れば、誰が見てもどの馬が勝つかはすぐにわかる。本来、地震予知とはそのようなものです」

この委員は、平常時を競馬のスタート時、前兆現象が頻発するようになる時期を特定の馬が先頭に立つとき、地震発生をゴール時に例えてこのように表現したものだが、これは逆に言えば、平時において地震予知がいかに難しいかを吐露したものといえる。「阪神でも東日本でも誰もどの馬が勝つかわからなかったではないか」という声もあるかもしれない。しかし、競馬だって毎度毎度当たる人がいないのと同じことである。

日本における地震予知の最大の問題点は、肯定派も否定派も予知に過大な期待をかけすぎていることだろう。肯定派は完璧な予知体制を目指し、否定派は一度でも予知に失敗すると鬼の首を取ったように騒ぐ。不完全なものを不完全と自覚しつつ、みんなで育てていこうという姿勢が見えないように思う。何でもかんでもゼロか100%かの不毛な二項対立的議論しかできず、ジリジリと後退していく日本社会の閉塞状況を反映している。

宝くじに当選する確率がどんなに低いからといって、買わなければ当選確率はゼロであるのと同じように、地震予知も、可能性が低いからといってやめてしまっては、過去の研究成果も未来への可能性も完全に否定されてしまう。もっと肩の力を抜き、100年後に予知に近づければいいというくらいのゆったりした気持ちで息長く取り組んでもらいたい。たとえ予知は無理でも「何年以内に大地震の可能性が何%」程度の予測ができれば備えになるし、それで一命を取り留めれば、予知があってよかったと思える程度にはなる。国民の立場に立った実用的な予知とは本来、そのようなものであり、試験管の中での実験結果を予測するような精緻な予知など国民は求めてもいないのである。

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