葉を落とし・・・アートはいく 四百十三~四百十五句

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四度目の読売社説批判

大連立構想 救国内閣へ環境整備を急げ(6月7日付・読売社説)
 大連立による期限付きの救国内閣の実現に向けて、与野党は準備を急がなければならない。

 民主、自民両党の幹事長が、大連立を目指す考えで足並みをそろえた。菅首相の退陣表明によって、与野党連携の障害がなくなったためだ。
 民主党の岡田幹事長は、震災対応や、社会保障と税の一体改革などの重要問題のため、「期限を切って、与野党が協力する形を作るのが望ましい」と語った。
 石原自民党幹事長も、安全保障などの政策合意を前提に、大連立に前向きに臨む考えを示した。
 日本の政治が機能を回復し、大きな転換期を迎えるという点で、この意義は大きい。
 衆参ねじれ国会の下、震災復興に機動的に取り組むには、民主党も自民党も単独では力不足だ。
 与野党は、10年先を見据え、社会保障と税の一体改革、日米同盟の深化、環太平洋経済連携協定(TPP)参加といった重要政策を推進するため、強力な政治体制を作ることが必要だ。この大連立の機運を逃してはなるまい。
 大連立の実現までには、いくつかの課題がある。
 まず参加する政党の政策合意が不可欠である。それには、与党・民主党が大幅に譲歩すべきだ。
 政策面では、子ども手当、農家の戸別所得補償など、バラマキ政策を撤回し、政権公約を抜本的に見直すことが欠かせない。
 官僚を排除するだけの「政治主導」を改め、官僚を使いこなす体制を作ることも大切だ。事務次官会議を復活させ、政府と被災地の自治体とのパイプを再構築することも急ぐ必要がある。
 民主党内では、小沢一郎元代表の支持議員らが公約見直しに反対している。こうした抵抗を抑え、野党と連携できる政治力が、「ポスト菅」を担う条件となろう。

 大連立には、一定の期限が必要だ。「救国」への基盤が整ったところで、大連立を解消し、衆院解散・総選挙で改めて民意を問うことが求められる。
 これら一連の課題をどう解決するのか、民主党はまず「工程表」を早く示す責任がある。
 そのためにも、菅首相は早期に退陣するのが筋だろう。
 第2次補正予算の編成は、財源問題が絡むだけに、より本格的な与野党協議が要る。「死に体」の菅首相が、ずるずると政権を運営することがあってはならない。
(2011年6月7日01時17分 読売新聞)

自民、大連立議論は退陣後…物欲しそうではダメ
. 自民党は7日の役員会で、民主党などとの大連立について、菅首相の退陣後、民主党の新体制が固まった段階で改めて議論することを決めた。
 自民党内の慎重論に配慮したもので、谷垣総裁は「どういう協力ができるかは、民主党内の動きを見極めたうえで判断し、国民に対する責任を果たしたい」と述べた。

 役員会では大連立について、「(民主党の)新体制には協力が必要ではないか」という声も出たが、「野党が物欲しそうにしてはダメだ」(脇雅史参院国会対策委員長)、「国会審議がやりにくくなる」(中曽根弘文参院議員会長)など、多くは消極的な意見だった。石原幹事長は役員会後の記者会見で、「マニフェスト(政権公約)を変えないと政策協議はできない」と述べ、民主党が子ども手当や戸別所得補償などを撤回することが検討の前提になるとする考えを示した。

(2011年6月8日07時27分 読売新聞)



 読売社説は、「大連立による期限付きの救国内閣の実現に向けて、与野党は準備を急がなければならない」と救国内閣をつくれと主張しているが、東日本大震災は被災規模が大きく、日本有史依頼の大災害ではあるが、日本国が滅亡するかしないかの問題ではない。救国内閣をつくらなければならないほどの問題とは言えない。それに東日本大震災が起こってから三ヶ月が過ぎた。三ヶ月も経てば東日本大震災の実情は把握できているから、自治体や政府がやるべき課題は明らかになっている。

 問題は復興を具体的にどのように対応していくかという事務レベルの問題に移っている。救済のスピードが遅い理由も分かってきたし、今後どのようにすればスピードアップができるかが課題となっている。今朝のテレビで取り上げていたのだが、条例改定の遅れが復興を遅らしている大きな原因らしい。
 例えば、ナンバープレートのないフォークリフトは公道を走ることができないので、土地と土地の間に国道があると国道を横断移動することができない。そのために片付け作業が遅れる。プロパンガスは30分以内で到着する場所にしか設置することができないので、仮設住宅に設置することができない。所有者不明の空いている田に仮設住宅を建てる建てることが法律のせいでできない等々で、現地からは300近くの条例改正要求が申請されているらしい。ところが条例改定が遅々として進んでいないために復旧工事が遅れている。
 このような条例改定は各省庁が具体的に検討していくことであり、「救国内閣」は必要はない。、「救国内閣」をつくる時期を失したといえる。

 読売社説は、「まず参加する政党の政策合意が不可欠である。それには、与党・民主党が大幅に譲歩すべきだ」と主張しているが、自民党で「大連立」に賛成しているのは派閥の領袖を中心としたベテラン議員であり、民主党が大幅に譲歩するということは前の自民党の政治に戻ることであり、大震災の復興事業が自民党流の利権争いの場になってしまうことになる。読売社説は前の自民党政治に戻れと主張しているのと同じである。

 読売社説の「官僚を排除するだけの『政治主導』を改め、官僚を使いこなす体制を作ることも大切だ。事務次官会議を復活させ、政府と被災地の自治体とのパイプを再構築することも急ぐ必要がある」の主張には呆れる。「官僚を使いこなす体制を作る」ことこそが政治主導の政治であり、読売社説の主張は小泉首相以前の自民党派閥政治時代には大臣はお飾りであるような派閥と官僚が支配する政治になるのを求めているのである。そんな、読売社説を書いた人は、官僚任せの派閥政治が好きのようだ。

 自民党は菅首相を辞職に追い込む目的で「大連立」を盛んにアピールしたのだ。決して「大連立」を目的にしていたわけではない。
 菅首相の辞職が決まった途端に、自民党は「大連立」大して、今までの積極姿勢から消極姿勢に転じた。
 谷垣総裁は「どういう協力ができるかは、民主党内の動きを見極めたうえで判断し、国民に対する責任を果たしたい」と述べ、民主党の新しい総裁次第では「大連立」を組まないという可能性を匂わして、民主党の総裁選びに圧力をかけてきた。
 石原幹事長は役員会後の記者会見で、「マニフェスト(政権公約)を変えないと政策協議はできない」と述べ、民主党が子ども手当や戸別所得補償などを撤回することが検討の前提になるとする考えを示した。もし、民主党が自民党の要求を受け入れれば、次に新しい条件を民主党に要求するのは目に見える。
 政権復帰を目指している自民党の行為は当然であり、自民党にとって民主党は敵であり、たとえ「大連立」を組むとしても自民党は民主党を潰すために難題を吹きかけてくるだろう。
 自民党は、「菅首相は信用できない。菅首相である限り協力できない」と盛んに菅首相を攻撃したが、それは小沢グループと確執のある菅首相を孤立させる作戦であり、民主党の分断・弱体化を狙った行動であった。

 谷垣自民党総裁は民主党の次の総裁が決まってから「大連立」するかどうかを考えると言うようになった。自民党と大連立をしたい民主党が早く総裁を決めるために、地方の会員を切り捨てて、国会議員だけで選挙をすれば地方の不信感は強くなり民主党支持が低下するのは確実だ。その挙句自民党に大連立を蹴られたら民主党は致命的打撃を受けるかもしれない。

 大連立の必要性は時間が経てば経つほど低くなる。

 読売社説は、「これら一連の課題をどう解決するのか、民主党はまず「工程表」を早く示す責任がある。
 そのためにも、菅首相は早期に退陣するのが筋だろう」と主張している。「工程表」を出すということは敵に対して丸裸になるということであり、自民党が民主党崩しをやりやすくするということである。「工程表」を示せば、アクシデントで「工程表」通り進まないだけで攻撃されるようになる。こんな敵に塩を送るようなことは慎重にやるべくだ。

 読売社説は、「第2次補正予算の編成は、財源問題が絡むだけに、より本格的な与野党協議が要る。「死に体」の菅首相が、ずるずると政権を運営することがあってはならない」とも主張している。菅首相が辞めて新しい首相が誕生すれば、自民党は新しい首相を辞職に追い込む作戦が始まる。もしかすると第2次補正予算を成立させても、財源問題ではもめる可能性がある。財源問題でもめて後に、財源問題を認める代わりに厳しい条件を要求するのは間違いない。

 第2次補正予算の編成は、財源問題は菅首相の首と引き換えにするべきだ、第2次補正予算の編成は、財源問題が解決しない限り菅首相は辞職しないと頑張ればいい。菅首相は財源問題が解決すれば辞職することを国民に向かって公言すればいい。そして、自民党に賛成するように責めればいい。もし、財源問題の解決を自民党が渋れば国民から非難されるのは自民党だ。

 世論調査でみるように、国民は菅首相がすぐやめるのは望んでいない。読売社説は「第2次補正予算の編成は、財源問題が絡むだけに、より本格的な与野党協議が要る。『死に体』の菅首相が、ずるずると政権を運営することがあってはならない」と述べているが、「死に体」であるはずの菅政権が原子力問題や公務員の給料問題など民主党だからできることをどんどん始めている。、「死に体」とはいえない。

 民主党幹部は自民党の術中にはまらないで、国民の信頼を回復するために考え行動したほうがいい。



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