元沖縄県知事太田昌秀氏批判 12


「こんな沖縄に誰がした」大田昌秀著

三 昭和天皇と沖縄・・・「天皇メッセージ」の波紋への批判


1、 若き日の昭和天皇はイギリスに留学している。若い頃にイギリスで過ごした天皇は民主主義を理解していたのではないか。
2、 昭和天皇は「天皇機関説」を認めていた。天皇機関説とは、統治権は法人たる国家にあり、天皇はその最高機関として、内閣をはじめとする他の機関からの輔弼を得ながら統治権を行使すると説いたものである。簡単に言えば、政治の内容は政府が決め、天皇はそれを容認するということである。
3、 昭和天皇は玉音放送をして太平洋戦争を終わらした。玉音放送がなければ戦争はまだ終わらないでアメリカ軍の九州上陸もあっただろう。アメリカに敗北するということは敗戦国の長である天皇が処刑される可能性は高いわけで、玉音放送をした天皇は死を覚悟したはずである。少なくとも天皇という地位が剥奪される可能性は高く、天皇自身も剥奪されると思っていたはずである。
4、 皇太子(現平成天皇)は民間人と結婚した。孫(現皇太子)も民間人と結婚した。これは昭和天皇の暗黙のメッセージである。
5、 靖国神社に戦犯者が奉られたときから天皇は靖国神社を参拝していない。

以上のことから考えると、昭和天皇は、軍国主義を嫌い、民主主義を理解していて、天皇は政治に直接かかわるべきではないと考えていたと思う。
しかし、太田氏は「天皇メッセージ」なるものを持ち出して、天皇が沖縄の日本からの分離、基地化を天皇自ら進んでアメリカに申し出たというのである。
太田氏は戦後でも天皇には政治的な影響力があり、実際には「天皇メーッセージ」がアメリカの対沖縄政策の決定と結びつける証拠はないにもかかわらず、直接的であれ間接的であれ、沖縄の分離、基地化に少なからずも昭和天皇が影響を与えたのではないかと思い込んでいる。

天皇は「天皇機関説」を認めているし、天皇は政治に口出しするものでないと考えているのに、マッカーサーに沖縄政策について口出しするはずがない。

一方、アメリカ人であるマッカーサーは天皇不要論者であり、天皇そのものの存在を排除しようとしていた人物である。もし天皇が政治に口出ししたらマッカーサーが不快になるだけであっただろう。

天皇は政治に口出しするはずはないし、マッカーサーは天皇の要求は受け付けなかったであろう。

太田氏はもうひとつ大事なことを見逃している。アメリカは軍隊をシビリアンコントールしている国である。沖縄についての政治決定は軍人であるマッカーサーではなくアメリカ政府が決定する。
マッカーサーは朝鮮戦争で38度線に戻るように政府から命令されたのを無視して北朝鮮軍を攻撃したために職を解かれている。そのくらいアメリカはシビリアンコントロールが徹底されていて、軍が政治に口出しするのを嫌っている。

太平洋戦争を終結させたのは昭和天皇である。天皇が戦争を終わらせる決意をしたのはこれ以上日本国民の命が失われるのに耐え切れなかったからである。そんな昭和天皇が自分の地位を守るために「マッカーサーの意向に沿う提案」をするという姑息なことをするはずがない。

昭和天皇が自分の地位を守るために、マッカーサーに尻尾を振るようなことをしたと予想している太田氏の見識を疑う。












コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

さびしさの・・・アートはいく






コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

もうひとつの6次産業=企業経営農業







企業が農業をすると生産から販売までやるから必然的に6次産業となる。小規模農家が集まり、女性を中心に展開する6次産業と企業経営の6次産業は規模が違う。企業経営は村から飛び出て広い範囲で販売をするし、ひとつの種類を大量生産することができる。企業経営農業は生産、販売、開発を分業化し経営を拡大していく。日本はこのような企業経営の農業を増やしていかないと、農家の老齢化と減少は避けられない。また、TPPによる外国農産物と対抗できるの企業農業である。

企業による農業は独自で市場を拡大し、肥料などの原材料も独自で購入するからJAを必要としない。だからJAは農業の企業化に反対しTPPに反対しているのだ。

農業が発展するには、農業の企業化が必要だ。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )