共産主義運動に明日はない





「転向を拒否して最も頑強に闘争をした共産主義者は沖縄人と朝鮮人であった」と戦前戦中の非転向を美化しても、どんな意義があるだろうか。非転向者は他方では頑固者であり、戦後の民主主義思想に取り残された感がある。共産党や社会党が少数政党になったのは時代の流れについていけなかったからだ。
共産党一党独裁国家の第一人者でありアメリカと世界を二分していたソ連は1991年に崩壊した。ソ連が崩壊した途端にアジアの国々も中国、ベトナム、北朝鮮以外は社会主義国家から民主主義国家になった。ソ連が崩壊したということは共産主義に将来はないと示されたということだ。
共産党一党独裁の社会主義国家は政治が腐敗し国民を弾圧し、経済をどん底にしてしまうということがソ連崩壊で実証された。現在の北朝鮮をみれば明らかである。

中国は社会主義を維持し繁栄しているが、中国の繁栄はソ・スン氏が非難するアメリカ帝国主義流の市場原理を導入したからであり、もし中国が市場原理を導入していなかったら経済が破綻し、ソ連と同じ運命になっていただろう。

徳田久一は日本共産党を創立したメンバーの一人で沖縄出身である。戦後は国会議員にもなっている。しかし、徳田久一は暴力革命を主張した共産主義者であったためにGHQによって公の場から追放された。彼は中国に亡命し、中国で日本の暴力革命を目指していたが途中で病死した。
徳田久一の名をあげるということはソ・スン氏は暴力革命を目指している共産主義者ということなのだろうか。

ソ・スン氏は東アジアについて述べているのに、東アジアで大きな存在である中国や北朝鮮についてはなにも述べていない。「冷戦下における、戦争、侵略、虐殺、分断、弾圧」を問題にするなら、北朝鮮が南朝鮮に侵略したことや北ベトナムが南ベトナムに侵略したことや、中国がチベットを侵略したことも問題するべきだ。

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