市民自決権・・アラブ民衆の民主化の闘い





戦後の東南アジアの国々は日本だけが民主主義国家であり、日本以外は社会主義国家であるか、軍事独裁国家であった。しかし、台湾、韓国、フィリピンは軍事独裁国家から民主主義国家に変革した。

東南アジアの次は社会主義国家であったソ連が崩壊し、多くの国が社会主義国家から民主主義国家になった。

そして、今度はアフリカ・中東の独裁国家が民主主義国家に生まれ変わろうとしている。昔なら武力で民衆を鎮圧できたかも知れないが、今は武力制圧すれば世界から非難され、経済制裁される。もう、武力制圧できる時代ではない。この民主化への流れは止められない。

イスラエル軍高官は「アラブ諸国に求めるのは安定した政権であって、民主主義政権ではない」とほざいている。真の平和は民主主義がもたらすものであり、独裁はみかけの平和しか築けない。
民主主義国家と民主主義国家は戦争をしない。考えてもみたまえ。民主主義国家である日本と韓国とフィリピンと台湾が戦争すると思うか。絶対にしない。国境問題での対立はあるが、国境問題から戦争になることは絶対にあり得ない。国民が主導権を握っている民主主義国家は真の平和主義であるのだ。

アラブ諸国が独裁国家である限り、アラブは平和交渉はしても平和にはならなかった。しかし、アラブ諸国が民主主義国家になれは確実にアラブは平和になる。

レイ・ハナニア氏の認識も間違っている。敗者は独裁者だけだ。欧米が望んでいるのは中東の平和であり、中東の国々が民主主義国家になれば欧米が望むような中東になるから欧米は敗者にはならない。

私が注目した記事は「アラブ現代史で市民が真の自決権を獲得しつつある初の出来事」である。沖縄の民主化運動は反米反基地運動であるから民族自決を主張する。日本がアイヌや沖縄を差別していると主張するときも民族自決を根拠にしている。しかし、民族内には支配階級と被支配階級が存在しているのであり、その問題は人間の自由平等の民主主義にとって最大の問題である。ところが民主主義の根本の問題をないがしろにしているのが民族自決論である。民族自決論では独裁国家の矛盾を指摘することができないのだ。

私たちは民族自決を主張するのではなく、市民自決を主張するべきではないか。アラブの闘いは市民自決の闘いであり民主主義社会を築く闘いである。
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