鳩山より軽い知識人たち 1


鳩山氏の「方便発言」について三者の座談会が掲載された。

鳩山氏は「非常に幅広い米軍の存在がワンパッケージで、海兵隊も海軍もあり、一体となって沖縄を中心に、横須賀もあるが、全体の構成の中で抑止力がある」とはっきりと発言している。もし、鳩山氏を批判するのなら、鳩山氏認めざるを得ないこの理論を覆すべきである。
ところが、佐藤氏は「普天間の県外、国外移転が重要な政策なら罷免すればよかっただけの話」と意見の違う閣僚や官僚を軽く片付ければ解決するような言い草だ。閣僚や官僚を言うことを聞かないなら簡単に首にするというのは独裁者のやり方だ。それに辺野古よりも重要な政治課題はたくさんある。辺野古問題だけで意見が違う閣僚や官僚を首にしたら政治が破滅する。
「最終的に辺野古がしようかないという思いが鳩山さんにあったと思う」と勝手に鳩山氏の心情をでっちあげることによって、鳩山氏が官僚に論争で負けた理論に対する反論をしないですませている。
鳩山氏は本気で県外移設をしようとしたのだ。しかし、現実的には県外移設が不可能であることを思い知らされたのだ。「最終的に辺野古がしようかないという思いが鳩山さんにあったと思う」なんて勝手に思うのはおかしい。

岡留氏は県外移設ができなかったのは、北沢防衛相や岡田外相と官僚の壁に阻まれたせいであるとしている。そして、「辺野古を一番欲しいのは防衛官僚だと思う」と説明することによって、辺野古に戻らざるを得なかった鳩山氏の「非常に幅広い米軍の存在がワンパッケージで、海兵隊も海軍もあり、一体となって沖縄を中心に、横須賀もあるが、全体の構成の中で抑止力がある」という釈明を無視している。これじゃあ的外れの批判だ。

ラミス氏は「米国に従うしかないと信じる日本の固定観念も強い」と対米追従主義を理由にしている。しかし、最近公開された沖縄復帰の公文書を見れば、日本官僚は日本に有利になるようにアメリカとの駆け引きに苦労していることが分かる。対米追従主義に見えるのは表面しか見ていないからだ。鳩山氏は「非常に幅広い米軍の存在がワンパッケージで、海兵隊も海軍もあり、一体となって沖縄を中心に、横須賀もあるが、全体の構成の中で抑止力」があるという理論に屈服したのであり、単なる対米追従ではない。




鳩山氏の失敗からなにを学ぶべきかという質問に、

岡留氏は「日本の霞ヶ関を壊さないといけない」と現実的ではない提案を威勢よく言っている。そして、官僚が鉢山氏をグアムなどの組長に合わせなかったとか橋本知事と交渉しなかったことを非難している。
しかし、グアム移転は論外であり、橋本知事は普天間基地の訓練や一部移転に協力できるかもしれないと発言していたのであり、普天間基地を受け入れる考えは全然なかった。橋本知事と会うことが無駄だったから会わなかっただけであり、グアムなどの組長や橋本知事と交渉しなかったことを非難する岡留氏の常識が疑われる。


佐藤氏はアメリカに別のことを考えようと一度も直接米国に働きかけていないことに衝撃を受けたと話しているが、米国は自民党時代に普天間移設の場所を調査し、その結果辺野古移設がベストであるという結論を得た。日本政府もそれで納得した経緯があったのだ。
これまでの過程からすると、日本政府が普天間基地移転の新しい場所を見つけ、そこはどうかと米国に尋ねるのが筋であって、一緒に別の場所を探そうなどと米国にいえるわけがない。佐藤氏の常識が疑われる。

鳩山氏の失敗からなにを学ぶべきか、

鳩山氏が普天間ヘリコプター基地を県外に移設する気があったとしても、辺野古移設に決まるまでの経緯を知ることが第一だった。鳩山氏は普天間移設が最初は辺野古沖であったが、その案が頓挫した理由を知っていただろうか。そして、県外移設は「総論賛成各論反対」であるゆえに移設を受け入れる県がひとつもなく、結局は辺野古に戻りV字滑走路案を出して地元の了解を得ようとした担当者の苦労を知っていただろうか。知っていればヘリコプター基地を新しく作ることがとんなに困難であるのかを知っていたはずだ。
ヘリコプター基地はアジア戦略に関係する軍事問題だから軍事専門家の話を聞くべきだった。そして、中国、北朝鮮情勢、フィリピン、台湾、ベトナムの政治・軍事情勢も専門家から聞くべきだった。
そして、移設ができる確立が90%以上になるまで沈黙を守ることだった。

沖縄県の辺野古移設の反対の理由は基地被害が第一である。鳩山氏もそのことは知っている。この第一の理由は全国共通であり、どの県も同じ理由で普天間基地の移設を拒否するのは見え見えだ。それなのに県外移設を目指すのは無謀であったのだ。
閣僚や官僚が一致団結して真剣にとりくめば県外移設が実現すると考えるのは甘い。

佐藤氏、岡留氏、ラミス氏の座談会は井戸端会議だ。
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最後のあがきとなるか・・・リビア情勢

リビアの反政府デモが首都に飛び火、政権崩壊近いとの指摘も


最高指導者カダフィ大佐への抗議行動が拡大しているリビアで21日、反政府デモが発生以来初めて首都トリポリにも飛び火した。

 中東衛星テレビ局アルジャジーラによると、首都トリポリでは、軍用機がデモ隊に向かって実弾を発射した。現在のところ同報道に関する第三者による検証は得られていない。

 住民によると、ベンガジから波及した反政府デモは、現在のところ東部の複数の街を掌握するまでに勢力を拡大しているもよう。

 リビアの油田の1つでは、労働者によるストライキで生産が停止したと報じられているほか、欧州系石油・ガス会社は、駐在員の避難や同国での試掘準備作業を中断するなどの措置を取っており、石油生産への影響も拡大している。

 現地紙クリナ電子版によると、石油精製・石油化学コンプレックスがあるラスラヌフでもこの日、反政府デモが勃発(ぼっぱつ)した。

 首都で軍用機が上空から実弾攻撃したとの報道について、ロンドンのコンサルタント会社、コントロール・リスクスのアナリスト(中東担当)、ジュリアン・バーンズ─デイシー氏は「まるで(政府による)最後の必死のあがきのようだ。自国の首都に爆弾を落として、果たしてどのようにして生き残るというのか」と述べ、カダフィ政権の崩壊は近いとの見方を示唆した。

 アルジャジーラによると、今回の首都トリポリでの当局とデモ隊との衝突による死者は61人に上った。

 これより先、ヘイグ英外相はカダフィ大佐がベネズエラに向かう可能性があるとの見方を示したが、ベネズエラの政府高官はこれを否定した。

 また政権内でも亀裂が生じている。アブドルジャリル司法書記(法相)がデモ隊に対する「過度な暴力の行使」に反対して辞任したほか、インドに駐在するリビア大使も暴力的なデモ弾圧に抗議し職を退いた。 

 一方、目撃者の証言によると、リビアの戦闘機2機が21日、地中海のマルタに着陸した。マルタの政府関係者は、パイロット2人が亡命を求めているのかは不明としている。パイロット2人は当初、燃料補給を求めたという。

 ベンガジでは、民間人への発砲を拒否した兵士が部隊長によって処刑されたとの報道もあり、地元の元裁判官は「民間人への発砲を拒否しカダフィ支持派の当局者に処刑された兵士11人を埋葬した。遺体は切断されていた」と語った。

 フランスに本部を置く人権団体の国際人権連盟によると、ベンガジを含む少なくとも東部の9つの街をデモ隊が掌握している。

ロイター 2月22日(火)6時21分配信

リビアが山場を迎えている。エジプトとチュニジアが市民革命に成功したのだから、ふたつの国に挟まれたリビアの市民は革命が成功するという信念は強いはずだ。軍で民間人への攻撃を拒否する兵士が増えていけば、一気に独裁国家を倒すことができる。もう少しだ。
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