コナサン、ミンバンワ!今日10/14は、鉄道記念日。140年前の、1872=明治5年のこの日、後に我国の大動脈、東海道線の一区間となる新橋~横浜間約30km弱にて営業運転を始めたのが最初とされている。「千里の道も、一歩から」で、この後、先の大戦後、そして高度成長期に始まる新幹線整備に至るまで、約3万kmもの我国鉄道線整備が、この時に始められたのであります。
今秋は、この鉄道延伸の栄光に勝るとも劣らぬ学術、スポーツの各方面での快挙が続いた訳だが、その大きな一つ、IPS細胞開発の業績にてノーベル医学・生理学賞に輝く山中伸弥・京都大教授の名誉を損ねかねない事態が生じたのだ。米合衆国の大学及びその関連病院にて、IPS細胞の移植手術に成功した旨の、森口尚史研究員の発表に疑義があるとされ、それについての一部の報道も訂正される事となったのだ。これにつき、やはり問題の報道を行った、拙地元紙C新聞の記事を引用しながら、ちょっと見てみる事としたい。
「煙草の吸い殻の形で、男の嘘に気付くと言うのは、男女の機微に通じた演歌の世界。<嘘つきは、嘘一つを信じ込ませる為に、本当の事を百言う>と米合衆国の諺にある様に、事実の中に紛れ込んだ嘘は、見抜くのが難しい。
説明は、変遷を重ねるばかりだ。人工多能性細胞IPSから作った心筋細胞を、患者に移植する事に成功した、との研究成果を発表した森口尚史氏。事実無根だったとして、共同通信の配信記事を掲載した本紙も、お詫びを載せた。
『米ハーバード大客員講師』を名乗った森口氏が、IPS細胞に関する研究などでメディアに登場する様ににったのは、1990年代半ばからだ。
2010=平成22年から、東京大学付属病院で、細胞や臓器の冷凍保存技術の確立を確立を目指す国際共同研究プロジェクトに関与し、IPS細胞の保存研究をしていた事は事実の様だ。
それ以前は、東大先端科学技術研究センターの特任教授だったが、技術の評価や戦略の研究者だった。医師免許は、持っているかどうかも定かではないと言う。
いずれ明らかになる作り話を、何故メディアに持ち込んだのかは分らないが、誤報はIPS細胞の実用化を心待ちにしている難病患者やその家族の気持ちを踏みにじってしまった。「裏付けを十分に取る」と言う、取材の基本を改めて思い知らされた。自戒を胸に、取材に臨みたい。」
「報道よ、又やったか」との面もさる事ながら、森口研究員は、何故早い段階で事実と異なる作り話を自覚して、世間に一言謝罪の上、真実を語らなかったかとの思いが強く残る。この事は、我国の現政権、野田民主党内閣にも通じる所がある様だ。繰り返しになるのは承知だが、先の消費増税法案通過の際、将来へ向けての、一定の増税志向はやむを得ないとしても、それならば、自党の政権公約マニュフェストを勇気を振るって撤回し、その上で、より国民市民に分る手法にて、増税志向を誠実に説明し、理解を得るべきではなかったのか。それと共に、これも我国税制上の課題たる、納税者番号制の創設へも斬り込むべきであった。それを、密室に近い自由民主・公明との三党合意を取り付けただけで、あたかも民意を汲んだ様に見せかけて、消費増税法案を強引に通過させた不良姿勢と手法は、やはり糾されるべきであろう。
野田政権は、霞が関官僚勢力には評判が良いとされるが、こんな事で民意を得ていると思われてはたまったものではない。民主党政権延命の為だけに引き延ばしを図っているとされる、衆院解散総選挙の早期実施の為にも、又、特例国債法案成立が不可欠とされるなら、速やかに臨時国会の開会へ向け、誠実に動くべきではないのか。