
前回触れた通り 今日 3/22、日・中・韓 3カ国外相会談と、日中間のハイレベル閣僚会議が持たれた由。
岩屋外相よりは、先の東日本大震災関連・原発事故処理水の影響を懸念する中共政府より受入れ停止中の我国水産物の対中輸出再開へ向け、一定の進展があった旨が表された様だ。
その一方、王 毅(わん・いー)中共外交部長(外相に相当) より 先の大戦後 80年の節目に当たり、我国向けに慎重な言動を期す旨の要望があった模様。歴史問題もさる事ながら、これまで我国と緊密で親和な連携を築いてきた 対台湾への牽制との指摘も聞かれるが、故・安倍元総理も主張された様に「台湾有事は日本有事」に備えるべきも事実。
或いは、以下に記す 元幹部自衛官の台湾行政顧問起用に関する意思表示かもだが。昨日の産経新聞ネット記事を引用して、みて参ろうと思う。
「台湾の行政院顧問に岩崎元統幕長 自衛隊幹部経験者から異例の就任 日台の安保協力狙い」
自衛隊制服組トップの統合幕僚長を務めた 岩崎 茂氏が、台湾の行政院(内閣に相当)の政務顧問に就任したことがわかった。台湾の当局者が 3/21、明らかにした。
自衛隊幹部の経験者が 台湾当局の役職に就くのは異例。中台統一を掲げる 中国(大陸)の 習 近平(しー・じんぴん)政権が 台湾への軍事的圧力を強める中、台湾の 頼 清徳(らい・ちんどー)政権は 安全保障面で日本との連携強化を図りたい考えだ。
岩崎氏は今月、政務顧問に就任した。任期は 1年間。行政院の招待で同月訪台し、卓 栄泰(じゅお・ろんたい)行政院長(首相に相当)とも面会した。台湾の当局者は「岩崎氏は長期にわたって台日関係と地域情勢を注視してきた。その知見と経験をお借りし 政策提言していただく」と述べた。日本人では 台湾で飲食店を経営する 野崎孝男氏が昨年 8月、政務顧問に任命されている。
岩崎氏は 航空自衛隊の戦闘機パイロット出身。航空総隊司令官などを経て 2010=平成 22年 12月から航空幕僚長。2012=同 24年 1月~ 2014=同 26年 10月に統合幕僚長を務めた。
台湾の国防部(国防省に相当) の統計によると 昨年、台湾周辺では 中国(大陸)の軍用機が 1日平均で延べ約 14機活動し、このうち延べ約 8機が 台湾海峡の暗黙の「休戦ライン」である中間線やその延長線を越えた。台湾の頼政権は こうした中国(大陸)による軍事的圧力に対抗するため、日本側と安全保障面での意思疎通と連携の強化を図りたい考えだ。
日本側はこれまで対台湾窓口機関、日本台湾交流協会の台北事務所に防衛省の「背広組」と呼ばれる文官職員や退職した自衛官を派遣しているが、中国(大陸)の反発を懸念して 現役自衛官は派遣していない。(引用ここまで)
故・安倍元総理の遺言ともいえる「台湾有事は日本有事」に、引き続き留意せねばと思う者だ。そこから、中共側の反応をさておくとしても、今回の元幹部自衛官の行政顧問起用には特に騒ぎ立てる事もない 至当な流れとも受け止められるが。
案の定と言うか、中共側の反応はいつもの反発志向であり「内政問題につき、いかなる外部の干渉も許さじ」という意の反応だ。
そうは言っても、中共側の内政問題と同様に 日本の自衛隊経験者を含む要人の行政顧問起用にしたって 台湾側の内政問題であり、台湾行政側から要望があれば応えるのが正道だろう。まぁ中共寄りとされる 岩屋外相の胸中は穏やかでないだろうし、王中共外相の対日牽制的姿勢も その辺りを意識しての事だろうとは思う。
しかしながら、中国大陸の内政を尊重せよというなら 台湾側のそれも同様に尊ぶべきが筋というもの。今回の 岩崎元統幕長の台湾行政顧問起用発表に、我々日本人は あくまでも冷静に向き合うべきと感じるのは拙者だけではあるまい。
今回画像は昨年、拙居所西方の名古屋・清州両市境の庄内川上を西下する 東海道・山陽新幹線列車 N700S系編成の様子をもう一度。因みに同車種、近年中に対台湾輸出も決まっている様で。