今日午後よりは、首都圏の広い地域が、大雪に見舞われている様だ。夜に入っても続き、帰宅の足が 大きな影響を受けているとか。早退が叶った、幸運な方々もあった様だが、やはり 雪での足止めに遭った方々の方が多いのでしないか。遅くなった所へ恐縮だが、なるべく早いご帰宅と、やむなく勤務先や学校近くに泊まられる方々の 健康安全面が確保される事をお祈りしたい。
本題です。著述家・評論家の 西部 邁(にしべ・すすむ)さんが急逝された。現代我国の保守層を代表する論客のお一人で、先鋭的見解には 些かついて行けない所あるも、国防安保や我国戦後史の問題などに、正面から果敢に取り組まれた姿勢は、一定の敬意を抱くものだった。まずは、一言弔意を申し上げたい。
西部さんの、現代日本の諸問題との向き合いを拝見する時、忘れられないのが 1999=平成11年に急逝された文学者 江藤 淳(えとう・じゅん)さんの事だ。同氏も又、国防安保や 欧米を模倣し過ぎた 戦後の我国のあり様に疑問を呈され、一貫して批判的な思考的立場を堅持されていた。江藤さんの最期に臨み、某全国紙に記事を寄せた ある有識者は「江藤さんの思考や主張の中心には、常に祖国日本の尊厳や国益があった」と振り返られていたのを覚えている。細部の差こそあれ、西部さんの思考や主張にも、拙者なぞは 江藤さんのそれらに近い色合(カラー)を感じたものだ。お二方の鮮やかな思考の軌跡に、拙思考が大いに触発されたのは勿論だ。
余り大きく取り上げるのは 適切を欠くかもだが、お二方は、その最期まで似通っていた。共に自死の可能性が指摘されている。事実であれば、いかな事情や状況があろうとも「死の選択」をして頂きたくなかったと言うのが、拙本音だが。ただ、お二方とも 夫人を先に失われている事を考えると、或いはやむなしの部分もあったか と愚考する次第である。
「とに角 このままではいけない」又も、家電王 故・松下幸之助さんのお言葉を借りてしまったが、近年ようやく議論が進みだした、日本国憲法をどう見直し 改正へと繋いで行くかとの問題も、お二方は方向性の細部こそ違え、大筋では積極的思考と主張を展開された。一定は、両氏の遺志を継ぐ形で、三月予定の自由民主党大会の席で、改憲案が発表される可能性が出て来たが、拙速は良くない。
「与党案は、立憲主義の原則軽視の疑義もある」との主張にも、多少は耳を傾ける必要がありはしないか。全てに従うべきと申すつもりはない。改憲は「国家百年の大計」との重い事実を踏まえて向き合い、対応をお願いしたいとの想いからだ。この所は、今は亡き江藤さんも、西部さんも把握されていた事だろう。改憲の議論さえ認めない、日共、社民などの見方は論外だが、少しでも多くの国民市民と、政治各会派の支持を取り付けて 発議、そして国民投票へと進むのが正道だろう。お二方への 改めての弔意と共に、改憲への議論が、建設的に進む事を願う次第。今回画像は、過日 山梨県下の JR中央線で目撃した、高級リゾート列車「トラン・スィート四季島」通過の模様を。