
第一野党・立憲民主党の重徳和彦(しげとく・かずひこ) 政務調査会長より、物価高対策関連向け補正予算案国会提出が見送られた件などにつき、石破総理の統率力が疑われる旨の批判的表明があった様だ。
確かに石破現政権の方向性はブレている印象が付き纏い、そこから どう譲っても重徳会長の対石破総理の統率力不足指摘は「当たらずと雖も遠からじ」の所ある事だろう。少なくとも、同氏の正当な政治活動の範疇と心得る。
そこに留意するとしても、立憲民主党の立ち位置も相当に不安定ではないのか。米価格を含め 諸物価高騰に対応する為の減税論が与野党から発出され、その中には食料品などに科される消費税を 現行の 8%➡5%に時限的に下げるべきとの主張も少なくない。
一方で与野党の財政規律優先勢力は、こうした消費減税への動きに反対しているとも聞く。両勢力が混在するとされる立憲民主党は、この先政治勢力としてのまとまりを維持できるのか。重徳会長を含め、同党幹部はこの方に危機感を抱くべきではないのか。以下、先日の産経新聞ネット記事を引用して みて参ろうと思う。
「鬼門の消費税で立・民に亀裂 枝野幸男・元代表が党内抗争に着火 減税派『圧力』強める」
立憲民主党が消費税減税を巡り党内抗争を始めた。夏の参院選を見据え、有権者にわかりやすい経済政策として消費税減税を訴える減税派と「責任政党」として 減税に慎重な財政規律派が互いに主張をぶつけ合って一歩も譲らない。
減税派に離党を要求する発言も飛び出し、消費税率引き上げを巡って分裂した民主党の ”亡霊” にとり付かれたようだ。
「活発な議論があって然るべきだ。その上で 結論を出して決まったならば、皆さんに従っていただく政治文化を作って行きたい」
立憲民主の 野田佳彦代表は 4/14、党内で白熱する消費税を巡る議論について、記者団にこう述べた。野田氏は 民主党政権の首相時代、自民、公明両党と 税と社会保障の一体改革で合意し、現在の消費税率 10%への道筋をつけた。元財務相で 筋金入りの財政規律派だが、あえて態度を鮮明にしなかった。
野田氏が黒白をつけられないのも無理はない。立憲民主の源流である民主党は消費税を巡って分裂し、政権を失うきっかけになった。当時、首相として民主党を率いていた野田氏は 混乱の真っただ中にいた。
消費税という「鬼門」に再び入らんとする野田氏に、党創業者である 枝野幸男・元代表が助っ人として手を差し伸べた。枝野氏は 4/12、さいたま市内で講演し、減税派の動きについて「参院選目当て」と切り捨て、「減税ポピュリズムに走りたいなら、別の党をつくるべきだ」と非難した。
枝野氏も消費税減税にトラウマを持つ。代表として臨んだ 2021=令和 3年衆院選では「減税」を掲げて戦ったが議席を減らした。その後 求心力を失い、結果的に引責辞任に追い込まれた。枝野氏は周囲に「野田氏が減税にブレれば反主流派に回るが、ブレなければ徹底的に支える」と話す。トラウマが両氏の絆を強くする。
とはいえ、減税派の勢いは止まらない。参院選に向けた経済政策を協議した 4/11の党会合では、消費税引き下げの大合唱が巻き起こった。減税派のリーダーは 江田憲司・元代表代行で、食料品の消費税率を時限的に 0%にすべきだと主張する。勉強会には約 70人が名を連ねる。江田氏は 末松義規・元復興副大臣が会長を務めるグループと連携しており、減税派は党内で一大勢力を築きつつある。
党重鎮らが財政規律派を占める立憲民主だが、与野党の減税合戦からの孤立を恐れる減税派の党内圧力は高まる一方だ。党幹部は「減税派が多数だ。野田氏を守るためにも減税を考えなければならない」と揺らぎ始めた。(引用ここまで)
先進諸外国では普通に行われていると聞く 経済有事の場合の時限的消費減税。我国だけが「できない」というのはやはりおかしい。それを「減税ポピュリズム」と揶揄し、その方向を志向する勢力に「別の党を!」と声高に叫ぶのは 枝野元党代表の自由だが、現実社会の方向性とはかけ離れているのではないか。
その一方、江田元代行が主導の消費減税勢力も、別の党派をつくって立憲民主を出る程の気力や勇気はないだろうというのが拙見方だが、党内有志の信念と実行力があれば 実現の可能性ゼロでもないだろう。つまり立憲民主党分裂という事になろうか。
尤も拙者は同党の支持者ではないし、分裂してもしなくても 同様に落ち着いて静観しておれば良い訳で。まぁどちらにせよ静観、というより傍観という所だろうが。今回画像も振り返り恐縮。先年春訪れた 岐阜、滋賀両県境近くを西下する JR東海道本線・長距離貨物便の様子を。次回は 4/21月曜以降に掲載予定。