梅雨明けまで後一息と言う所まで来た。アホを承知のこの憂さ晴らし物語も、梅雨限定のつもりなのでそろそろ幕引きを考えなければならない・・・と言う所で今夜は第11話です。
又もや粗相した猿を揶揄していた所へ、普段聞きなれない「ファイト!ファイト!」なる掛け声を耳にした偽!桃軍団。一瞬にして緊迫した空気が流れ込んだのは無理もない。
偽!桃「おい、皆の衆!あの掛け声は我々の身内とは違うぞ。良いか?」
雉「お舘。確かに違いますね。これは相手に我々の姿が見られない様にしないとー。」
猿「恐れながら、急いで隠れる事としやしょう。」
犬「拙者が思うに、あれは敵陣の鬼共の手下、小物衆の可能性大ですね。」
偽!桃「隠れるぞ!作戦室を封鎖せよ!」
3匹「心得ました!」 作戦司令室を施錠した偽!桃軍団、全員身を潜めて残飯置場の方角を監視に入る。やって来た2匹はやはり、鬼共の手下の小物衆の様だ。
「ファイト!ファイト!ファイト!」の掛け声をひとしきり、その後・・・。
小物A「さあ、そろそろ偽!桃の陣地だねー。でもそれにしてもお腹空いたね~。」
小物B「そうだね~。ねえねえ、あれって残飯じゃない~?」
小物A「そうだね~。でも残飯じゃないかも知れないね~。」
小物B「ちょっと臭いかいでみようか・・・クンクン。」
小物A「そう言えば、毒を盛ったかも知れないよ~。」
小物B「腐ってはいないよ~。それに毒盛ってないかも知れないし~。」
小物A「じゃ、試しに食べてみようか~・・・」(これを聞いた偽!桃軍団、皆思わず失笑。)
小物B「そうしようか~」偽!桃軍団に劣らぬ品性不良の小物達。臆せず味見す。
小物A「大丈夫!腐ってないよ。」
小物B「腐ってないよ。じゃ、もう少し・・・」と言った時であった。小物Bが不意に口を押えて倒れ込んだ。
小物A「ちょっと!大丈夫!?」青ざめて助けを求めようとするも、ここは敵陣である事に気付く。そして・・・。「いけないっ!私も気分が悪くなった!」同様にへたり込む。
これはですね。青鬼が仕掛けた毒の事をわざわざ通達されていたのに、このボケ共は敵陣に入ると忘れてしまっていたんですねー。
犬「バカ共めが!手前の仕掛けた毒に当ってどうすんだよ!」
雉「お舘。一通り毒回ったら、捕捉すべきですね。」
偽!桃「勿論!これから拘束や!」
猿「ここは拙者が参りやしょう。」
犬「いや、お前は動くな。俺が行く。お前の場合、どう言う悪さをするか解らんからなあ。」
猿「良いだろう。それにしても信用のない事で・・・ブツブツ。」
雉「それは仕方がない。よし。ワン公が行くならあしが援護するわな。」
偽!桃「よしゃ!では両名、宜しくー。」
犬と雉が、まだ苦しむ小物衆に近づく。「よしっ、2匹共神妙にせい!当分帰れんが命だけは助けたる!」
小物衆「了解しました。」 小物衆を捕捉した犬と雉が戻って来る。偽!桃と猿がそれを待ち構える。
偽!桃「俺が主君だ。ここに控えよ!まずは毒の手当てをしてやる。」
猿「安静にせい。その後で詳しく話を、聞こうじゃねえか。」
偽!桃義理の両親の知人である医者がやって来て、手当てを始める。その終了を取り巻いて眺めながら待つ軍団であった。(続く。本稿はフィクションです。)