まだ9月なのにブルブルです横綱・白鵬60連勝
「ニュースの核心:自殺率が高い岩手 孤立化する遺族 /岩手」
◇心のケア取り組みに課題山積
9月は自殺予防月間。厚生労働省によると、全国で年間3万人以上、県内では約450人が自殺をしている。特に岩手は人口10万人当たりの自殺率が、秋田、青森に次いで3番目(08年)に高く、深刻な問題になっている。それに伴って増え続ける遺族は、自殺をタブー視する風潮から誰にも悩みを打ち明けられず、孤立化する人が多い。本格的に遺族の心のケアを始めた県の取り組みも緒に就いたばかりで、課題は山積している。
金ケ崎町の男性会社員(54)は、91年3月に父親(当時61歳)を自殺で亡くした。父親は89年に国家公務員を定年退職。物静かできまじめな性格で、春休みには埼玉県にいる2人の孫が遊びに来るのを楽しみにしていた。だが、家族が外出中に階段の手すり部分にひもをかけ、首をつって死んだ。茶の間のこたつの上には、当時世話係をしていた集落の書類が散乱していた。遺書はなかった。
男性には父親が自殺する理由が分からなかった。「断りきれずになった世話係がストレスになったのか」。もんもんと悩む日々が続いた。その一方で、「なぜ助けることができなかったのか」という自責の念に駆られた。母親は「自分に原因があったのではないか」と責め、深い悲しみに落ちた。
それに追い打ちをかけたのが、周囲の無理解だった。「自殺する人は心が弱い」「生きることからの逃避だ」など、根も葉もないうわさと心ない言葉。男性は「人生の敗者と受け止められている。自殺の話はタブー視され、周りも意識的に持ち出さないため、遺族が悩みを打ち明けるのも難しい」と、孤立化する理由を指摘する。
こうした状況下、県は05年度から各保健所単位で、「こころサロン」を開催している。遺族が抱える悲しみや苦しみを語り、分かち合うことで、心のケアにつなげる場だ。今年度は奥州・釜石両保健所が加わり、県内全保健所で開かれるようになった。県精神保健福祉センター(盛岡市)によると、09年度は開催回数が17回、参加延べ人数は74人で、増加傾向にあるという。
しかし、遺族支援を担当する各保健所や市町村の意識に温度差があるのも事実だ。同センターが06年に県内保健所と市町村担当者50人にアンケートした結果、公的機関が自殺者遺族を支援する必要性について、「必要だが実施困難」と答えた人は40人に上った。理由は「技術不足」31人、「スタッフ不足」17人などだった。
同センターの黒沢美枝所長は「遺族をかえって傷つけそうだと不安に思う担当者も多い。遺族の話を聞いて受け止め、評価していく技術を深めることが課題だ」と話す。さらに、関係機関や市町村、民間の支援者団体などとのネットワークを構築し、自殺に対する意識変革の啓発を進めることも必要という。
県は、研修会や現場で経験したことを担当者で共有する事例検討会などを開き、人材育成に努める考えだ。(2010.9.13 毎日新聞岩手版)
==============
◆自殺に関する県内の主な相談窓口◆
県精神保健福祉センター(盛岡) 019・629・9617
中部保健所(花巻) 0198・22・2331
〃 北上分室 0197・65・2732
奥州保健所 0197・22・2831
一関保健所 0191・21・1482
釜石保健所 0193・25・2705
久慈保健所 0194・53・4987
二戸保健所 0194・23・9206
岩手は人口10万人当たりの自殺率が、秋田、青森に次いで3番目(08年)に高く、深刻な問題・・・。
全国で年間3万人以上、県内では約450人が自殺・・・。
汚名返上に躍起だ。これはこれで大切な取り組みである。
しかし、自殺を根絶するための決定的な施策に乏しい。どうしてなのだろうか?
「自殺をタブー視する風潮から誰にも悩みを打ち明けられず、孤立化する人が多い」
これは遺族の率直な気持の表れだと言える。
社会での「孤立化」は、今ではごく普通に、どんな方でもあるのではないか。
地域の中で「人を孤立にさせないような取り組み」こそ重要だ。ここにヒントがあるような気がする。
「ニュースの核心:自殺率が高い岩手 孤立化する遺族 /岩手」
◇心のケア取り組みに課題山積
9月は自殺予防月間。厚生労働省によると、全国で年間3万人以上、県内では約450人が自殺をしている。特に岩手は人口10万人当たりの自殺率が、秋田、青森に次いで3番目(08年)に高く、深刻な問題になっている。それに伴って増え続ける遺族は、自殺をタブー視する風潮から誰にも悩みを打ち明けられず、孤立化する人が多い。本格的に遺族の心のケアを始めた県の取り組みも緒に就いたばかりで、課題は山積している。
金ケ崎町の男性会社員(54)は、91年3月に父親(当時61歳)を自殺で亡くした。父親は89年に国家公務員を定年退職。物静かできまじめな性格で、春休みには埼玉県にいる2人の孫が遊びに来るのを楽しみにしていた。だが、家族が外出中に階段の手すり部分にひもをかけ、首をつって死んだ。茶の間のこたつの上には、当時世話係をしていた集落の書類が散乱していた。遺書はなかった。
男性には父親が自殺する理由が分からなかった。「断りきれずになった世話係がストレスになったのか」。もんもんと悩む日々が続いた。その一方で、「なぜ助けることができなかったのか」という自責の念に駆られた。母親は「自分に原因があったのではないか」と責め、深い悲しみに落ちた。
それに追い打ちをかけたのが、周囲の無理解だった。「自殺する人は心が弱い」「生きることからの逃避だ」など、根も葉もないうわさと心ない言葉。男性は「人生の敗者と受け止められている。自殺の話はタブー視され、周りも意識的に持ち出さないため、遺族が悩みを打ち明けるのも難しい」と、孤立化する理由を指摘する。
こうした状況下、県は05年度から各保健所単位で、「こころサロン」を開催している。遺族が抱える悲しみや苦しみを語り、分かち合うことで、心のケアにつなげる場だ。今年度は奥州・釜石両保健所が加わり、県内全保健所で開かれるようになった。県精神保健福祉センター(盛岡市)によると、09年度は開催回数が17回、参加延べ人数は74人で、増加傾向にあるという。
しかし、遺族支援を担当する各保健所や市町村の意識に温度差があるのも事実だ。同センターが06年に県内保健所と市町村担当者50人にアンケートした結果、公的機関が自殺者遺族を支援する必要性について、「必要だが実施困難」と答えた人は40人に上った。理由は「技術不足」31人、「スタッフ不足」17人などだった。
同センターの黒沢美枝所長は「遺族をかえって傷つけそうだと不安に思う担当者も多い。遺族の話を聞いて受け止め、評価していく技術を深めることが課題だ」と話す。さらに、関係機関や市町村、民間の支援者団体などとのネットワークを構築し、自殺に対する意識変革の啓発を進めることも必要という。
県は、研修会や現場で経験したことを担当者で共有する事例検討会などを開き、人材育成に努める考えだ。(2010.9.13 毎日新聞岩手版)
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◆自殺に関する県内の主な相談窓口◆
県精神保健福祉センター(盛岡) 019・629・9617
中部保健所(花巻) 0198・22・2331
〃 北上分室 0197・65・2732
奥州保健所 0197・22・2831
一関保健所 0191・21・1482
釜石保健所 0193・25・2705
久慈保健所 0194・53・4987
二戸保健所 0194・23・9206
岩手は人口10万人当たりの自殺率が、秋田、青森に次いで3番目(08年)に高く、深刻な問題・・・。
全国で年間3万人以上、県内では約450人が自殺・・・。
汚名返上に躍起だ。これはこれで大切な取り組みである。
しかし、自殺を根絶するための決定的な施策に乏しい。どうしてなのだろうか?
「自殺をタブー視する風潮から誰にも悩みを打ち明けられず、孤立化する人が多い」
これは遺族の率直な気持の表れだと言える。
社会での「孤立化」は、今ではごく普通に、どんな方でもあるのではないか。
地域の中で「人を孤立にさせないような取り組み」こそ重要だ。ここにヒントがあるような気がする。
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