久々に、知人から相談依頼の電話をいただき、張り切って訪問しました。
いろいろ複雑な家族関係をお聞きしながら、さて、法定後見か任意後見か・・悩ましい案件でした。
2つの制度のご説明をして、使い勝手の良い制度は、どちらなのか?
法定後見制度は、
①判断能力を見極めるために医師による「診断書」が必要です。内容によっては「鑑定書」も必要になります。
②本人の財産を全て把握して「財産目録」を作成します。
③親族からの相談でしたが、必ずしも親族が成年後見人に選任されるかわかりません。
④本人の確認を取りながら、関係書類を集め、準備しなければなりません。
⑤関係書類を作り、家庭裁判所に提出しても、すぐに審判が出るかどうか。数ヶ月かかります。
⑥未だに、使い勝手の悪い制度といえます。
任意後見制度は、
①「任意後見契約公正証書」と「委任契約公正証書」をセットで公証役場で作成してもらいます。
②当然ながら、ある程度の判断能力があることが前提です。
③本人は、身近な親族を任意後見人として頼むことができ、寄り添う点からは理想的な制度といえます。
④本人と任意後見人となる方の信頼関係ができていれば、その場で決め、見える関係となり納得感があります。
体験的な見解になりますが、自信を持って説明し、制度を利用したいと思う方にすすめるには、そのメリットなどをお話し、選択していただく必要があると思います。
とはいえ、実際に制度を利用してみないとわからないことも多々あり、さらに、悩ましいところです。
後日、「任意後見制度」の具体的なサンプル(任意後見契約公正証書の条文など)を持参して、一緒に考えていく時間を作ることになりました。勉強するところからはじめないと・・・残念ですが、浸透までまだ時間が必要です。
今回も相談で終りそうですが、成年後見制度の理解や利用の促進につながれば嬉しいです。
自分の役割を感じ、改めて制度の大切さを確認できた一日でした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます