在宅医療をすすめる際に、いくつかの課題点があるとT医師が問題提起する。
確かに1つ1つ考えてみたいことばかりである。関心がなければスルーしたい内容でもある。
すべてが解決されれば、在宅医療の世界にも光が差し、庶民の暮らし向きも明るく、素敵になる事は間違いない。
■ 課題1 ■
訪問診療に対応できる医師が量的に不足している。とくに、24時間対応できる体制が確保できない診療所が多い。
また、高齢者施設に対して訪問診療を行う医師が不足している。
【対応策・戦略等】
1)在宅医療を提供する医療機関が24時間体制を確保するため、病院と診療所(病診)、診療所同士(診診)、診療所と訪問看護ステーション、薬局等との連携を効率化する。
また、病院勤務医の訪問診療および往診への参入を促進することが求められる。
2)連携の実効性を高めるためには、どのような急変が起こりうるかを想定しておくことが重要である。かかりつけ医が、本人、家族、介護従事者に対して丁寧に説明し、(どこ
までやるかを含めて)合意形成かつ共有しておくことが望ましい。
3)介護従事者に対する発熱などの状態変化へのアセスメントと初期対応スキルを向上させることで、緊急往診の要請頻度を下げることも必要である。
4)急変時に速やかな入院が可能となる後方病床を確保するため、かかりつけ医を通して入院を希望する病院など必要な情報をあらかじめ登録するシステムを構築する。
5)高齢者に対する通院支援の体制を整備することで、訪問診療の需要を抑制することも必要である。たとえば、ヘルパー機能付きのデイケア-診療所巡回バスを市町村で準備し
たり、診療所や病院内に市町村がヘルパーを配置して待合室のケアを担当させるなどの施策が考えられる。
【宮古市の現状】
(1)宮古地区は人口10万人あたりの医師の数が88人。(10万人対155.2)。
一般診療所数は26ヶ所(10万人対45.8)。医師数は最低だが、診療所数は比較的多い。
県立宮古病院で勤務していた医師が開業しているパターンが多い。
(2)県立宮古病院は、平成28年11月から「地域医療支援病院」に認定。日中はかかりつけ医、夜間は救急外来。日曜日は、休日急患診療所へ。
紹介患者は原則紹介もとへ逆紹介。
役割分担をして、少ない医療資源を有効に活用していくのが医師・住民が共倒れしないための道。
但し、急患は例外!(宮古病院の医師数31名<279床・救急車8台)
(3)宮古病院の救急外来は、夜間当直・週末は2人体制。平日昼間は、各診療科が救急担当当番を決めて、救急車の対応。
各診療科が24時間365日オンコール体制を維持。
当直医以外でも常に誰かが待機している(約10名)☛17時から22時の救急受診患者が多い。
(4)宮古市医療情報連携ネットワーク=みやこサーモンケアネット(ICT情報通信機器)の活用については、病院6施設、かかりつけ医17施設、薬局24施設、介護事業者
31施設、歯科診療所14施設、訪問看護事業者6施設。
☛連携の強化が必須にもかかわらず、活用が不十分である。市民への周知がされていない。
医師や事業所でのICTの操作が不得意な面もある。
(5)宮古医療圏(宮古市55、856人、山田町15,903人、岩泉町9,793人、田野畑村3,534人)<2014年6月>における問題点
1、面積が広い=移動に時間がかる。
2、介護職、看護助手等の不足。
3、医師不足(人口約85,000人、高齢化率35%、65歳以上の人口約30,000人、65歳以上の20%が認知症=約6,000人が認知症)⇒2025年
4、かかりつけ医も多忙で専門外の認知症患者を診ることが困難。精神科医も不足→認知症外来等の専門診療は困難⑤人口減少→在宅介護する家族も高齢化
・宮古医療圏には、往診・訪問を専門に診療する「在宅医」はいない。
・外来+訪問の開業医はいるが、限られた患者のみ診察しており、医師の過重負担となるため消極的である。
・医師不足は深刻である。
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