Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

反撃の狼煙は上がったか(22節札幌戦)

2014-07-21 03:15:30 | マッチレポート14’
非常に評価の難しい試合だったと思う。失点の仕方があまりにもひどくて気持ちが完全に萎えてたので、正直同点ゴールもそんなに前向きな気持ちでは受け止められず。少なくとも、折り返しを迎えて本気で昇格を掴み取りに行くのであれば、「アウェイで勝ち点1だから上出来」なんて評価で締めてしまってはいけないと思う。


ラドンチッチを迎えたことで完全にサッカーが変わった大分。個人的には、この世の中に数多あるフォーメーションの中で、屈強なポストプレーヤーと優秀なリンクマンさえいれば、4-1-4-1システムが一番合理的だと思ってる。前半は自らの変化に自らが戸惑ってる感じでギクシャクしてたけど、後半からは変わった。末吉のところからサイドに大きく散らせる展開が増えて、相手を押し込む時間を増やせた。もちろんそこから先の崩し等にまだ課題はあるものの、やってることとして可能性は感じるやり方だとは思った。ただまだ録画もチェックしてなくて、ゴール裏から観てた感想だけなので、伊藤の自由度が高まったことや宏矢のプレーエリアが下がったことくらいしか分からなかった。何度もこだわって恐縮だが、ああいう役回りのポジションなら木村にもっと可能性が出てきてもおかしくはないと思う。真ん中の狭いプレーエリアでシンプルにやらせたら、絶対にいい仕事するはずだから。



さて、お披露目となったラドンチッチ。最初に見た印象はそのまんま「デカイ」なということ。攻撃面での効果はもちろん、序盤はセットプレーのディフェンスでその「デカイ」効果は表れたと思う。前半、札幌に相当数あったCKを小野がことごとくショートコーナーを選択したのは、やはり中でのラドンチッチの存在感に気圧されたんじゃないかと思ってる。実際に放り込まれてもキッチリと跳ね返してくれてた。ラドンチッチ、高木、阪田あたりがいればそうそう高さに屈することはなさそうに思える。なので、阪田が軽症であることを祈るばかり。

デビュー戦で自らのストロングポイントで勝ち点をもぎ取ってくるあたりはまさに助っ人の風格。試合中で印象に残ったのはあんまりイライラしないなということ。ファールを取ってもらえなくて、審判に確認に行ったりすることはあっても、少なくとも味方からのパスが合わなくて大きなジェスチャーで不満を示すようなシーンはなかった。むしろ絶好のクロスのチャンスをJAXAしてしまった阪田に対して、「いいぞいいぞ、どんどん入れてこい!」みたいなジェスチャーをしてるシーンがあって、ストライカーとして好感が持てた。今日は周囲との連携の息が合わないことが相当あったけど、逆に言えばこれが合ってくればもっと期待が持てるわけで、ラドンチッチのデビュー戦は上々だったと言える。


ラドンチッチの韓国歴の長さを象徴するようなシーン。モンテネグロ国籍の選手と韓国籍の選手が日本のピッチ上で再会。サッカーって素晴らしいなと思う。



やっぱりこの男の復帰は大きいよ。土岐田がいい選手だと思うのは、高いテクニックを持ちながらも、そこに頼らずにタフに走ったり、熱さを試合にぶつけていけるところ。今日は攻撃時に右サイドが相手陣内でふんづまることが何度もあった。アレはスペースに走り出したい土岐田と、サイドに張ってから勝負したいタメの相性が悪かったように思える。タメには中に向かって思い切って勝負する気持ちを失ってほしくないんだけど、土岐田の飛び出せる魅力を引き出すことを優先するなら組み合わせが違うかなと今日は観てて感じた。フラフラ~と中に入っていくフリをして土岐田のプレーエリアを作り出してあげられるような気の利いた選手。今日だと伊藤あたりなのかな。



突如ベンチ入りした感のある鈴木くん。プレーを見ることは出来なかったけど、その精悍に日焼けした姿から一生懸命に練習してるんだろうなという感じは伝わってきた。一つ不思議に思うのは、まだ獲得を決めていない鈴木くんを遠征に帯同させる一方で、早々に正式獲得した福森くんを特別指定しないのは何か意味があるんだろうか。ただ鈴木くんのベンチ入りを見て、いやもっとがんばってほしい選手がいるだろという思いがあるのは間違いないから、その選手の奮起を期待したい。





さて、今日の札幌ドームは小野一色だったわけだけど、いきなり2万人を超える動員が出来たことで、もうある程度の成功はしたと言えるんじゃないだろうか。




プレーに関しては、プレビューにも書いたけど、あんなもんでしょ。今日早速結果が出たように、分かりやすく獲得効果がサッカーに出るのはラドンチッチのようなプレーヤーだよ。小野は左サイドで先発したので、目の前で見ることが出来たけど、正直に言って5月にヤマハで見た松井大輔の方がずっと恐かったし、これからも札幌が小野効果で爆発的に勝ち点を上積みしていくことはないように思う。ただ野々村社長はそこまで見越してるからこそ、今のタイミングでプロモーションに必死になってるんじゃないかな。J2であれだけ動員出来て、あの雰囲気作り出せれば、もう戦略としては当たりだと思うけどね。



北海道遠征3度目にして初めての札幌ドーム。所詮野球場だし、そんなに期待はせずに行ったけど、思った以上に見やすいスタジアムだった。バックスタンドからはやや遠そうだったけど、両ゴール裏は近くて高くて傾斜があるので、とても臨場感があった。


今回試合前にどうしても見てみたかったのが、人工芝と天然芝が入れ替わるシステム。で、多分使ってない方が出されているであろうスペースに行ってみたらこんな感じだった。野球の時に使ってる人工芝はどこにあったのでしょうか?



数年前に仙台の菅井選手がゴール後に落下したのはこの落差。2m以上は余裕でありますな。ちなみ試合中はこの段差の壁に背を付けるようにしてボールボーイが待機してるので、当時のボールボーイはボールじゃなくて菅井選手が降ってきた時はたまげたでしょうなあ。



札幌ドームには有料だけど、展望台があってこんな角度からピッチが見られます。


高さは53m。


近未来チックな長いエスカレーターで上がっていくんだけど、もうこの時点でけっこう恐い。


外から見るとこんな感じ。最初は本当に足がすくむくらい恐いけど、あんな角度からスタジアムを見渡せる施設はそうそうないので、一見の価値はある。ちなみに試合中は入ることは出来ないんだけど、作戦ボードのように真上からサッカーの試合を観てみるのも面白そうだなとも思った。

前節のレポートに引き続き今節でもLCC賛歌を少々。今回は初めてバニラエアを使って成田-新千歳を往復した。北海道のハイシーズンである夏で、しかも3連休。にもかかわらず往復で1.5万円しかかからなかった。何なんでしょ、この価格破壊ぶりは。去年JALで釧路まで行った片道のほぼ半分でしかない。ジェットスターは有料だけど、バニラエアは20kgまでなら荷物も預け入れられる。機内がちょっと古いかなくらいしか不満もないし、LCCマジで素晴らしい。今回は札幌滞在25時間で、ジンギスカン(300g)、深夜のおにぎり、スープカレー、寿司(約20カン)をいただいた。もう札幌には10回くらい行ってるけど、いつ行っても美味しいものがある。でもその一方でどんどん値段が高くなってる印象も受ける。LCCの就航とか、中国人の大量襲来で、観光地色が強まってるからなんだろうけど、特にジンギスカンなんかは安いのが魅力だったわけで、一葉さんがお一人逝ってしまわれるくらいなら東京でも食べられるかなと思っちゃったね。



後半戦の1試合目が終わってPO圏まで勝ち点差2ではあるものの、順位は12位。近い順位の中ではGDでぶっちぎりで置いていかれてるわけで、徐々に追い込まれてきてる感がある。そしてこのタイミングで超重要な3連戦がやってくる。9日間で北九州、栃木、山形と対戦するクラブの全部がいわゆる「圏内」。ここでの結果が今季を大きく左右することは間違いない。ポジティブな面を挙げれば、補強したストライカーがいきなり結果を出したこと、そして90分という時間帯に追いついたように走力で相手を上回れてきてる感があること。ネガティブな面は、確か今回の遠征も1日早く出発したと何かに書いてあった気がしたんだけど、そうだとすれば遠方アウェイでいい試合が出来たのってヤマハもそうだけど、必ず1日余裕を持って出発してるわけだ。それ以外の成績は惨憺たるもの。クラブのお財布事情を考えたら、毎回そんなことしてるわけにもいかないはずだし、そういう点から考えて札幌の次に遠い山形遠征の結果がどう出るかは非常に重要かつ、今までの流れで考えれば非常に恐い。そして、新しいやり方に手応えを感じ始めてる中で今日のような失点の仕方は絶対にしてはいけないということ。CBはミスが失点に直結するポジションだから、厳しいのは十分に理解してる。サッカーに「絶対」はないけど、それでも田坂さんの言う「発展」を目指すなら、「絶対」にやってはいけないミス。試合後の「気持ち」は伝わってきたし、次節以降に期待したい。それだけ。
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