Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

幸せな勝利(天皇杯2回戦町田戦)

2017-06-22 01:56:09 | マッチレポート17'

まずは何よりもこの背中から語りたい。今日の試合一人で2G2A。アシストはどちらも押し込めばいいだけのプレゼントパス。先月の町田とのリーグ戦でも途中出場で1ゴール決めながらも、もっと決めなければと言われていた男が満額どころか120%の回答をサポーターに叩き付けた。




「何かやってくれるんじゃないか」っていう期待感みたいなのが今までの伊佐の印象だったけど、もうこの試合で伊佐がまとっている雰囲気は「頼れる漢」以外の何物でもなかった。何度も動き出して裏へのボールを引き出し、くさびで受ければターンでDFを振り切って独走でゴールに迫り、そして試合を決めるゴールも決める。試合後に出待ちをして「おめでとう」と声をかけると、「調子良かったっす」とさらりと言ってたけど、そんなレベルのもんじゃない。もう伊佐耕平から目が離せない。



予想通り、ガラッとメンバーをいじってきた。昨年の天皇杯・清水戦のことを考えれば、まあこうなるだろうなといったところ。伊佐を除くと、最も試合に出ている選手で國分の12試合365分とかなり少ない。今季公式戦初出場の選手も3人。やはりというか、序盤はボール回しにぎこちなさが見られ、やむなく前線に蹴る回数も多く、どちらかと言えば町田ペースだった。試合前までにかなりの雨が降ったことでスリッピーかつボールがかなり走るコンディションだったこともうまくボールを動かせなかった要因だったとは思う。徐々に丁寧に繋げる回数も増えてきて、先月のリーグ戦同様、縦も横もコンパクトな布陣で守備をする町田相手に長いサイドチェンジにも何度もチャレンジした。様々な場面で若干の精度に問題はあったものの、チームとして目指している部分を体現しようとする姿勢は全員から見えた。

ゴールについては1、3点目がいずれも敵陣内で相手ボールを奪取して、素早くゴールに迫ったもの。1点目は國分、3点目はヒメがそれぞれボールを奪取したもので、どちらも素晴らしかった。失点についてはオウンゴールはGKにはどうしようもないもんだから、あれはシュートした選手のゴールにしてあげればいいのにと思った。オウンゴールにしてしまったことよりも相手選手が密集してる中に強引に縦パスを付けようとしたことの方がまずかった。2失点目は戸高のシュートが素晴らしすぎたので、忘れて切り替えていいと思う。本当にいいシュートだった。こういうチーム編成でいい試合が出来ることは間違いなくチーム全体の底上げに繋がる。去年の山口真司のように天皇杯からレギュラーを掴む選手が出てきてほしい。


この試合でルーキーの野上くんがデビューを飾る。去年も昂洋とエガちゃんが天皇杯でデビューを飾ってただけに出ればいいなと思ってた。試合展開が厳しく今日はないかなと思い始めたアディショナルタイム突入直前にその時は来た。


ユースの先輩である大将と交代。




時間が時間だっただけにほとんどが相手ボールを追い回すことだけで終わってしまったけど、まずはプロのピッチに足跡を残すことが大事。デビュー出来た喜びを活力に変えて、もっともっと上を脅かすような存在になってほしい。2年前の夏、当時2年生だった野上くんをプレミアの名古屋戦で初めて認識した。「いいプレースキック蹴る2年生だなぁ」と思って、そこから気になり始めて、もう2年。この場に立ち会えたことが本当に嬉しい。


野上くんが最後の交代カードとして呼ばれた裏で、すね当てをベンチに叩き付けて悔しさをあらわにした選手が一人。悔しいと思う。その気持ちは痛いほどよく分かる。オレはとても期待してる。大型FWはモノになるまで時間がかかると思ってるから、そこまで腐らずに自分を信じてやれるかだと思ってる。頑張れ、オレは本当に期待してる。


去年の甲府戦で天皇杯って本当にいいなって思うようになった。普段なかなか試合に絡めない選手が出てくるだけで楽しいのに、勝つと本当に幸せな気分になる。リーグ戦の勝利が「嬉しい」なら、天皇杯の勝利は「幸せ」な感じがする。既報通りなら、3回戦は7月12日に柏と大銀ドームで。2010年、ぶっちぎりでJ2優勝した柏に大銀ドームで勝った。2013年、あれだけ弱かったのに、大銀ドームで柏とスコアレスドロー。2013年、中立地開催の天皇杯で柏に完封勝利。この対戦成績を見るだけで、大銀ドーム開催の天皇杯・柏戦には勝てるような気がしてくるよ。またちょうどリーグ戦の間の平日開催なので、そうするとは思うけど、出来る限りリーグ戦に絡めてない選手にチャンスを与える場にしてあげてほしい。大分の皆さん、ホームに繋ぎました。是非たくさんの応援で後押ししてあげてください。



この試合でキャプテンを務めたのは何と姫野。ぐっさんも修行もいたから、まさかと思った。そしてさらに町田のキャプテンをやってたのがマグだったため、キャプテン同士の身長差はご覧のとおり。


当面の間は今日ボランチでコンビを組んだ前田とボランチ3番手の座を争うことになりそう。今日もどちらも持ち味を出してたし、ここからどれだけシビアに自分を上げていけるか。姫野は特に後半にボール奪取の局面でらしさ全開で、開幕当初くらいのいい姫野の姿を見ることが出来た。


記念すべき初ゴールを押し込む直前。本当にあとは押し込むだけのパス。



今日の主審は三上正一郎さん。町田側は大分の2ゴール目の時にファウルがあったとかなり激しく抗議していたけど、認められず。土岐田あたりはかなり執拗に文句を言っていた。もしかすると大分側に有利な判定だったのかもしれない。ちなみにこの三上さん、先週の日曜日に我々の次節の対戦相手である群馬の9番でエースの山岸選手を暴言で退場させて、うちとの試合には出られなくさせてる。だから何だって話だけど、相性は悪くなさそうな主審。











この刺激は間違いなくレギュラー組にいい影響を及ぼすと思ってる。どう伝わるかは分からないが、例えば1トップがさんぺーで安泰なんて当の本人が一番思ってないだろうし、万全でなければそのポジションに立てる人間がすぐそばにいることの何よりの証明になった試合だったと思う。この試合に勝てた意義は群馬戦の結果で2倍にも3倍にもなると思う。耐え忍ぶ雌伏の時は終わった。さあ、ここからは逆襲だ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 授業料ドブ捨て試合(19節... | トップ | 再び上昇気流に乗って(20... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

マッチレポート17'」カテゴリの最新記事