自動車や機関車が大好きな極楽息子（小）の写真を見ながら、最近の自動車関連ニュースについてちょっと覚え書きを。独り者の時は暇つぶしに自動車雑誌ばかり読んでいてひとかどの情報通だったのに、最近は興味が薄れてもっぱらネットで情報を見る程度ですが、知識をリフレッシュしておくことは大事です。息子たちが大きくなったら、また趣味としてのクルマに目を向けることもあるでしょうから。
「トヨタF1撤退」経営判断としてホンダに遅れましたね。勝てないまま撤退するのは残念という意見がありましたが、早く勝っていれば去年で止めたように思います。あと1年で優勝できるのでは、という欲目で撤退が1年延びたのではないかと考えます。
かつて自動車レースは実験室と呼ばれていましたが、今のF1は市販車にフィードバックできない特殊技術が勝敗を大きく左右するようになり、メーカーが巨費を投入する意義がかなり薄れています。F1の広告効果が最も大きいヨーロッパでも環境問題の方が重視されるようになったので、勝てないF1で頑張るよりプリウスに力を入れるべきだという判断そのものは正しいと思います。ただ、これは一種の条件闘争でもあるので、レギュレーションや運営体制が変われば復帰の可能性はあるでしょう。
「トヨタ大卒新入社員を生産現場へ」派遣切りが殊更非難される社会情勢において、また政府が製造業への派遣禁止を目論んでいる現状において、メーカーにはこの手しか残っていないのかも知れません。全体で見ると派遣形態の雇用はほとんどなくなるため、今まで派遣で生活してきた人は仕事を見つけるのが非常に困難になるでしょう。正社員と派遣の待遇格差など、派遣労働に問題がないとは言いませんが、これだけ派遣社員が増えてから規制をすることは弊害の方が大きいのではないでしょうか。こういうのを「二階に上げて梯子を外す」と言うのです。
「ホンダステップワゴンのフルモデルチェンジ」スタイリッシュな低重心ワゴンという市場を開拓しようとして不調だったステップワゴンが、新型ではミニバンらしい四角四面のボディを載せてやって来ました。軽自動車のライフがそのまま大きくなったような印象も受けます。ステップワゴンは先代を試乗した時に軽快な乗り味にかなり感心したので、また暇なときに覗いてやろうと思っています。
2.4Lの上級モデルを廃止しましたね。上級車としては追加でハイブリッドが出る、と読んだら読みすぎでしょうか。ホンダ型のマイルドハイブリッドはトヨタのTHSに比べると燃費効率が落ちるものの、機構が簡単でコンパクト、値段も安いというのが利点なので、もっと早く多車種に展開してくるかと予想したのに、存外手間取っています。トヨタはレクサスHS、SAIと順調に車種を増やしているので、ホンダの焦りは相当なものでしょう。ステップワゴンのハイブリッドはかなりの確率で出ると思います。
オデッセイに続いて「マルチビューカメラシステム」のオプションが設定されていますね。試してみたことはありませんが、日産の「アラウンドビューモニター」と同じくデモ動画を見る限りではかなり使い勝手が良さそうだし、多機能ナビにカメラを追加するだけなので値段も妥当な線だと思います。今は一部のミニバン専用ですが、いずれ一般の乗用車や大型車にも普及する技術でしょう。
「ベンツがSクラスハイブリッドとE250 CGIを発売」高級車の象徴、ベンツSクラスは大変高価な乗用車なので、燃費を気にする人が買うとは思えませんが、環境に配慮しているという姿勢を重視する人にはいいでしょうね。ハイブリッドシステムを小型化したのでフロントにすべて納めることができた、とベンツの人が言っているそうなので、ガソリン車に比べてトランクが狭くなっていないのはいいことです。ただし、これはV12まで搭載可能な大きなエンジンルームを持つSクラスだからできることであって、他のクラスには応用できないでしょう。
E250 CGIは2.5Lと同等の出力を1.8Lターボで実現したということなので、コンセプトはトヨタが昔出していたツインカムターボ、3T-GTEUと同じです。このエンジンは1982年にセリカやカリーナのスポーツモデルに搭載されて世に出たもので、当時のスペックで160ps, 21kgmを発揮。私も中古のカリーナGT-Tに乗っていました。1.8Lクラスの最強エンジンということになっていましたが、かなり上まで回さないとレスポンスが悪く、あまりスポーティーじゃなかったですね。当時の後輪駆動カリーナの足回りは不安定かつしゃきっとしないもので、特にブレーキを掛けると直進性が落ちて尻を振り出す傾向があったので、雨の日のドライブはなかなかスリルがありました。
それから30年近くも経ってベンツが出すぐらいですから、そりゃ比較にならないぐらい進歩しているんでしょうね。3T-GTEUはマニュアルで市街地燃費が6km/L台でした。カリーナの車重は1150kg程度で、今の同クラスより軽かったにもかかわらず、です。二回りも大きいEクラスで8km/L以上も走るのなら立派なことです。今のEクラス(W212)は私がカリーナに乗っていた頃のSクラス(W126)に近い大きさまで成長してしまいましたから。
技術がどれだけ進化したのか、ぜひ乗ってみたいところですが、634万円からという値段はかなり拒絶的ですね。BMWの5シリーズやアウディA6が645万円からなのを見ると、ベンツとしては努力した値段だと思いますけど。同じエンジンを載せたC250 CGIも567万円と高価なので、燃費が多少いいからと言っても苦しいところです。
