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『009 RE:CYBORG』 神山健治監督 ☆☆
子供の頃マンガで『サイボーグ009』を読み倒した私としては、やっぱりこれを観ないわけにはいかなかった。キャラデザを一新してTV版『攻殻』をやった監督さんが手がけたという『009 RE:CYBORG』、押井風になっているという噂に不安を感じながらもそれなりのワクワク感を持って観賞した。ちなみにTVアニメの009はYouTubeとかレンタルで部分的に観たことはあるが、あんまり惹かれなかった。だからこそ今回、より大人向けになっているであろう009に期待したのである。
ブルーレイで観るとさすがに映像はきれいだ。一新されたキャラクターデザインもさほど違和感は感じない。だからサイボーグ達が能力を発揮するアクション場面は結構楽しめた。002が空を飛ぶ時に足がガシャッと割れてからジェット噴出するとか、004の指マシンガンとか、細かいメカ描写はさすがに「おお!」となるところがある。006の火炎放射もかなりのド迫力に変貌している。003が透視する時左目だけが緑色に光る、なんて細部もいい。せっかくリアル路線のキャラクターデザインなんだから、こういうところはどんどん凝って欲しい。が、007が二枚目になっているのだけはちょっとどうかと思った。
肝心の009は、ずっと高校生を繰り返してますというよく分からない設定はさて置き、加速装置の描写はなかなか良かった。基本、009がものすごいスピードで動いた後相手がバラバラっと倒れる、という描写だけれども、昔マンガで読んでいた時より、009って強いんだなーという感じがすごくする。しかしあれって、エイトマンと同じなんじゃないだろうか……ってエイトマンなんて今の人は誰も知らないか。
ところで特典のサイボーグ能力紹介でも009の能力は「加速装置」になっていたが、もともと原作では002にも加速装置がついていて、別に009の専売特許じゃなかったはずだ。ブラックゴーストが送り込む刺客にも大体加速装置が付いていたし、だから009は他のみんなと違って、これといって特殊能力がないサイボーグだったのである。しかしまあ、それじゃアピールしづらいということで加速装置がウリになったんだろうが、いつ頃からこうなんだろう? 平成版TVアニメでも、002には加速装置が付いていないんだろうか。こういう設定変更は妙に気になる。
それから忘れちゃいけない、003ことフランソワーズだけれども、やっぱりというか何というか、いやに巨乳なセクシーねいちゃんになってた……ついでに服脱いで009と結構エッチな絡みをするシーンとかあった……子供の頃の003の、あの理知的で優しいおねえさんのイメージはどこへ。
まあ、そういうわけでビジュアル的にはまあまあ楽しめたリ・サイボーグだけれども、物語の方は全然ダメだった。神との戦い、とかそういう宣伝文句だったが、別に神と戦うわけではなく、要は「彼の声」を聞いたのでテロする、といってミサイルぶっ放したりギルモア財団襲ったりする米兵がいて、サイボーグ戦士たちはミサイルを止めたりゾンビ兵士と戦ったりするのである。「彼の声」が要するに神の声で、人類は死への恐怖から神を発明したとか、神とは脳のことだとか色んな押井っぽい能書きが出てくるけれども、物語の仕掛けとして機能する具体的なアイデアや発想はまったくない。
おまけに最後、009が「人間って失敗するけど、だから色々驚きがあって素晴らしいんだあ! それでも人類を滅ぼすなんて、神さまってばっっっ!」(意訳)と涙ながらに叫ぶと、どうやら神様は考えを変えたらしい。うーむ、いいのか、そんなことで。それより何より、あの009の大仰な叫びはあまりにこっぱずかしく、思わず周囲を見回して、ああ一人でよかったと胸を撫で下ろしてしまったぞ。
こりゃどう考えてもストーリーテリングと脚本が貧弱過ぎる。いいのは部分的なビジュアルだけだ。先日の「おおかみこども」といい、日本のアニメってこういうパターンが結構多いのはなぜだろう。ひょっとして、アニメの人ってアニメの世界で純粋培養される人が多くて、他の映画とか小説とかあまり観たり読んだりしないんだろうか。まあアニメ界の事情は良く知らないので何ともいえない。しっかりしたストーリーのアニメもあるので、決してアニメ全部がこうではないと思うが。
ところで今回、008だけまったく見せ場がなかった。能力の「の」の字も見せなかった。冒頭車に乗って出てきて、歩いていってふらっと消えて、最後ふらっと出てきて終わりである。あれじゃちょっとかわいそうじゃないだろうか。泳ぐ場面ぐらい、ちょっと入れてあげればよかったのに。
子供の頃マンガで『サイボーグ009』を読み倒した私としては、やっぱりこれを観ないわけにはいかなかった。キャラデザを一新してTV版『攻殻』をやった監督さんが手がけたという『009 RE:CYBORG』、押井風になっているという噂に不安を感じながらもそれなりのワクワク感を持って観賞した。ちなみにTVアニメの009はYouTubeとかレンタルで部分的に観たことはあるが、あんまり惹かれなかった。だからこそ今回、より大人向けになっているであろう009に期待したのである。
ブルーレイで観るとさすがに映像はきれいだ。一新されたキャラクターデザインもさほど違和感は感じない。だからサイボーグ達が能力を発揮するアクション場面は結構楽しめた。002が空を飛ぶ時に足がガシャッと割れてからジェット噴出するとか、004の指マシンガンとか、細かいメカ描写はさすがに「おお!」となるところがある。006の火炎放射もかなりのド迫力に変貌している。003が透視する時左目だけが緑色に光る、なんて細部もいい。せっかくリアル路線のキャラクターデザインなんだから、こういうところはどんどん凝って欲しい。が、007が二枚目になっているのだけはちょっとどうかと思った。
肝心の009は、ずっと高校生を繰り返してますというよく分からない設定はさて置き、加速装置の描写はなかなか良かった。基本、009がものすごいスピードで動いた後相手がバラバラっと倒れる、という描写だけれども、昔マンガで読んでいた時より、009って強いんだなーという感じがすごくする。しかしあれって、エイトマンと同じなんじゃないだろうか……ってエイトマンなんて今の人は誰も知らないか。
ところで特典のサイボーグ能力紹介でも009の能力は「加速装置」になっていたが、もともと原作では002にも加速装置がついていて、別に009の専売特許じゃなかったはずだ。ブラックゴーストが送り込む刺客にも大体加速装置が付いていたし、だから009は他のみんなと違って、これといって特殊能力がないサイボーグだったのである。しかしまあ、それじゃアピールしづらいということで加速装置がウリになったんだろうが、いつ頃からこうなんだろう? 平成版TVアニメでも、002には加速装置が付いていないんだろうか。こういう設定変更は妙に気になる。
それから忘れちゃいけない、003ことフランソワーズだけれども、やっぱりというか何というか、いやに巨乳なセクシーねいちゃんになってた……ついでに服脱いで009と結構エッチな絡みをするシーンとかあった……子供の頃の003の、あの理知的で優しいおねえさんのイメージはどこへ。
まあ、そういうわけでビジュアル的にはまあまあ楽しめたリ・サイボーグだけれども、物語の方は全然ダメだった。神との戦い、とかそういう宣伝文句だったが、別に神と戦うわけではなく、要は「彼の声」を聞いたのでテロする、といってミサイルぶっ放したりギルモア財団襲ったりする米兵がいて、サイボーグ戦士たちはミサイルを止めたりゾンビ兵士と戦ったりするのである。「彼の声」が要するに神の声で、人類は死への恐怖から神を発明したとか、神とは脳のことだとか色んな押井っぽい能書きが出てくるけれども、物語の仕掛けとして機能する具体的なアイデアや発想はまったくない。
おまけに最後、009が「人間って失敗するけど、だから色々驚きがあって素晴らしいんだあ! それでも人類を滅ぼすなんて、神さまってばっっっ!」(意訳)と涙ながらに叫ぶと、どうやら神様は考えを変えたらしい。うーむ、いいのか、そんなことで。それより何より、あの009の大仰な叫びはあまりにこっぱずかしく、思わず周囲を見回して、ああ一人でよかったと胸を撫で下ろしてしまったぞ。
こりゃどう考えてもストーリーテリングと脚本が貧弱過ぎる。いいのは部分的なビジュアルだけだ。先日の「おおかみこども」といい、日本のアニメってこういうパターンが結構多いのはなぜだろう。ひょっとして、アニメの人ってアニメの世界で純粋培養される人が多くて、他の映画とか小説とかあまり観たり読んだりしないんだろうか。まあアニメ界の事情は良く知らないので何ともいえない。しっかりしたストーリーのアニメもあるので、決してアニメ全部がこうではないと思うが。
ところで今回、008だけまったく見せ場がなかった。能力の「の」の字も見せなかった。冒頭車に乗って出てきて、歩いていってふらっと消えて、最後ふらっと出てきて終わりである。あれじゃちょっとかわいそうじゃないだろうか。泳ぐ場面ぐらい、ちょっと入れてあげればよかったのに。
私は(だいぶませていたから・・・笑)ほぼリアルタイムの漫画版『009』ファンです。だから子供向きといわれても『地下帝国ヨミ編』が一番好きですし、『天使編』や「COM」の『神々編』も頭ン中「???」ながらも必死に読んだものです。
だから、今回のアニメ作品は観ていませんし、石ノ森さんの『009』とは別物と捉えています。
商業アニメはストーリーテリングみたいなのを期待するレベルに無い作品が山ほど作られてるって感じです。カワイイ女の子キャラがキャッキャッウフフするだけの萌えとか日常系とか言われてる作品はそれでいいけどちょっとシリアスな作品は全体的にアニメ脚本家達の実力の無さが出てるというか。
アニメはお金がかかるから脚本とかまで気が回らないんでしょうが・・・
うむむ、と唸らされたのは近作では「まどかマギカ」くらいか・・・
9人の中では、002がよかったな。
因みに、お友達の父上の本棚にあったのをお借りして読みました。