『トリコロール』三部作 クシシュトフ・キェシロフスキ監督 ☆☆☆☆☆
『ブルー』『ブラン』『ルージュ』ときてまたトリコロールかと言われそうだが、色々と書き足りなかったこともあるので書いておきたい。それにそれぞれの映画単独ではなくて、三部作全体としてどうかというのもわりと面白いと思うのだ。
誰もが知っている通りこの三部作はフランスの国旗の色がモチーフになっている。これだけでもうかなり多く . . . 本文を読む
『Rouge』 Krzysztof Kieslowski監督 ☆☆☆☆☆
『トリコロール三部作』の最終作にしてキェシロフスキ監督の遺作、『Rouge』(英語版は『Red』、邦題『赤の愛』)。三部作中最も幻想性、神秘性が濃く、そういう意味ではおそらく最もキェシロフスキ的な作品だと思う。
作品全体としては非常に静謐な印象がある。映画のかなりの部分をヴァランティーヌと元判事ケルヌの対話が占め . . . 本文を読む
『Blanc』 Krzysztof Kieslowski監督 ☆☆☆☆★
『トリコロール三部作』の第二作、『Blanc』(英語タイトル『White』、邦題『白の愛』)。私が映画館で観た最初のキェシロフスキ作品がこれだった。ニューヨークのアートシアター系映画館で観たのを覚えている。その時はキェシロフスキの名前も知らず、美しい映像と音楽、洒落たストーリー、説明しつくさずに曖昧さを残して終わる結 . . . 本文を読む
『Bleu』 Krzysztof Kieslowski監督 ☆☆☆☆☆
キェシロフスキ監督の『トリコロール三部作』の第1作『Bleu』(英語タイトルは『Blue』)。キェシロフスキ監督は私が最も敬愛する映画監督である。『トリコロール三部作』と『二人のベロニカ』は私にとって映画芸術のエッセンス以外のなにものでもない。
『トリコロール三部作』は青、白、赤というフランス国旗の三色をモチーフに . . . 本文を読む
『Destroy Rock & Roll』 Mylo ☆☆☆★
Amazonのレビューやネットの各所で絶賛されているのを見て購入した。「カリスマDJ」、「ロイクソップへのスコットランドからの回答」と随分持ち上げられているようだ。まあなかなか良いし、売れるのは分かるが、絶賛されるほどではないような気がする。
これはクラブジャズでもなく当然ボッサでもラテンでもなく、おそらくはブレイクビーツ . . . 本文を読む
『ノーホエア・マン』 アレクサンダル・ヘモン ☆☆☆
本日読了。書店でパッとページを開いて文章を読んでみて、面白そうだったので買った。かなり評価の高い作家さんのようだし、うまいなとも思ったが、読み終わってみると残念ながら好みではなかった。
物語の発端は、職を探している「私」が面接先の語学学校で偶然、子供の頃に知っていたヨーゼフ・プローネクという人物を見る。「私」は彼に負い目があるので声 . . . 本文を読む
『モンド ~海をみたことがなかった少年~』 トニー・ガトリフ監督 ☆☆☆☆
日本版DVDを購入して鑑賞。なんとなく南米あたりの映画かと勝手に思っていたらフランス映画だった。美しい映画である。まず映像が美しい。ニースの町が美しい。モンド少年が美しい。人々の表情が美しい。物語が美しい。
ストーリーは非常にシンプル。この下ネタばれあり。
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『灰色の魂』 フィリップ・クローデル ☆☆☆☆
本日読了。初めて読む作家だった。
半分ぐらいまで読んだ時は、これは久々の大当たりかなと思って胸が高鳴った。久々のというのは、例えばミラン・クンデラ、アントニオ・タブッキ、イアン・マキューアン、マーク・ストランド、レイモンド・カーヴァー、などそこいらへんクラスのことで、これは私にとって数年に一度出会えるかどうかというレベルである。そういうわけ . . . 本文を読む
『Plat Du Jour』 Matthew Herbert ☆☆☆☆
マシュー・ハーバートの最新作。こんなの出ているとはまったく知らなかったが、ヴァージン・メガストアで見つけて買ってきた。
私の中ですでに古典と化している『Bodily Functions』とは大分趣きが違う。全然ジャズじゃない。アンビエント色が濃いハウス、なのだが、特徴はとにかくサンプリング音の活用。例によって水が流 . . . 本文を読む
『アナ・トレントの鞄』 クラフト・エヴィング商會 ☆☆☆
クラフト・エヴィング商會の新作をGETした。今回はなんと、アナ・トレントの名前が堂々タイトルになっている。扉を開くといきなりビクトル・エリセの『ミツバチのささやき』への言及が……。ああ、やっぱりこの人達も好きなんだな、と思って嬉しくなる。
さて、タイトルになっているアナ・トレント(『ミツバチのささやき』の中で主役のアナを演じてい . . . 本文を読む