『The Pursuit of Happyness』 Gabriele Muccino監督 ☆☆☆☆
この映画は最初日本へ行く時飛行機の中で観た。全然期待していなかったがびっくりするほど面白かったので、今回DVDをレンタルして再度鑑賞。やっぱり面白い。感動する。
実話がベースになっているが、要は不運続きで困窮のどん底にある男が、なんとか生活を立て直そうと悪戦苦闘する話である。このクリス . . . 本文を読む
『エソルド座の怪人』 若島正/編 ☆☆☆★
早川の「異色作家短篇集」シリーズの一つとして出ているアンソロジー。「世界篇」と銘打ってあって、要は世界中どこからでも面白いものを集めましたということらしい。目次を見ると、ラテンアメリカのキローガ、『はまむぎ』のレイモン・クノー、イタリアの鬼才ランドルフィ、そしてカナダのエリック・マコーマックなどが並んでいる。なかなか壮観だ。このシリーズはダールや . . . 本文を読む
『ゆれる』 西川美和監督 ☆☆☆☆
前から観たいと思っていた『ゆれる』をDVD購入して鑑賞。とても良かった。この監督さんは『ワンダフル・ライフ』とか『ディスタンス』の是枝監督の弟子というか、彼の下でスタッフをやっていた人らしい。是枝監督も大好きな映像作家だが、確かに感じが似ている。
映像にしっとり感があり、静謐さと心地よい緊張感がある。何気ない、ストーリーとは直接関係ないシーンを挿入し . . . 本文を読む
『夜中に犬に起こった奇妙な事件』 マーク・ハッドン ☆☆☆☆★
昨日読了。これは面白い。ちょっと風変わりで、すごく感動的な小説だった。
犬の死体から小説は始まる。犬は園芸用のフォークで突き刺されて死んでいる。誰が殺したのか? 「ぼく」は犯人を捜す決心をする。そしてその過程をこの小説に書くことにする。
魅力的な書き出しである。小説にははっきりとは書かれておらず、読者にはだんだんに分かっ . . . 本文を読む
『黄金の七人』 マルコ・ヴィカリオ監督 ☆☆☆★
日本でDVDを買ってきて鑑賞。まあ他愛のない映画だが、結構いける。7人(+愛人1人)のチームが警戒厳重な銀行の金庫から金塊を盗み出す話。リーダーは教授と呼ばれるめがねをかけたインテリ風の男で、なかなかかっこいい。フィリップ・ルロワという俳優さんである。彼はホテルの部屋から無線で指示を出す。その愛人ジョルジアを演じるのは監督の奥さんらしいロッ . . . 本文を読む
『ある夜、クラブで』 クリスチャン・ガイイ ☆☆☆☆
日本に旅行した時、まったく予備知識なしに衝動買いした本。タイトルと装丁、ちらっと立ち読みして文体が気に入ったことが購入の理由だったが、これは当たりだった。印象こそ小粒だが、好きなタイプの作家だ。
基本的に二日間のプライヴェートなエピソードを綴るラヴ・ストーリー。話としては一応悲劇的な展開をするが、だから悲しい小説かというとそこは微妙 . . . 本文を読む
『Livestock』 Brand X ☆☆☆☆☆
『Unorthodox Behaviour』、『Moroccan Roll』に続くブランドXのサード・アルバムにしてライヴ・アルバム。驚異の生演奏集だ。
ずっと昔、ブランドXを初めて聴いたのがこのアルバムだった。フィル・コリンズのドラムとフレットレス・ベースを目当てに聴いたのだが、実は期待していた音と違っていてピンと来なかったのである . . . 本文を読む
『怪奇な話』 吉田健一 ☆☆☆☆☆
前から読みたかったがどうしても入手できなかった吉田健一の『怪奇な話』を、ようやく古本で入手して読了。あー面白かった。がんばって探した甲斐があった。
九つの短編が収録されていて、どれも怪異譚、幻想譚と呼べる類のテーマを扱っている。たとえば『山運び』は、魔法使いと召使が山を入れ替え、またそれを元に戻すという話。『お化け』では宝くじ売りの婆さんが若い女にな . . . 本文を読む
『空中スキップ』 ジュディ・バドニッツ ☆☆☆☆★
バドニッツが26歳の時に発表したというデビュー短篇集『空中スキップ』を読了。『紙の空から』に収録されていた『道順』がかなり良かったので期待していたが、期待を裏切らない短篇集だった。
訳者の岸本佐知子はあとがきで「……現実と異界の境界線を軽々と飛び越えてしまう奔放な空想力と、荒唐無稽ななかにもユーモアのにじむ作風とにおいて、ケリー・リン . . . 本文を読む
『Spider-Man 3』 Sam Raimi監督 ☆☆☆★
土曜日に『スパイダーマン3』を観てきた。かなりいい席だったので満足。映画は楽しめたが、期待したほどではなかった。『スパイダーマン2』が傑作だったので期待していたのだが、さすがにあのレベルを連発するのは辛かったようだ。
今回は敵が3人もいる。一人目は前作の最後で予告されていたように、親友ハリーのゴブリン・ジュニア。二人(ふた . . . 本文を読む