アブソリュート・エゴ・レビュー

書籍、映画、音楽、その他もろもろの極私的レビュー。未見の人の参考になればいいなあ。

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さらば友よ

2014-09-29 22:46:00 | 映画
『さらば友よ』 ジャン・エルマン監督   ☆☆☆☆  60年代末フランスの犯罪映画。これをノワールと呼んでいいものかよく分からないが、ともあれアウトローたちの美学を描いた「男」の映画である。アラン・ドロンとチャールズ・ブロンソンの共演で、今じゃどうか知らないが私たちの世代では「男の友情を描いた渋い名画」ナンバーワンと認知されていた。とにかく有名なのがラストシーンで、刑事に連行されるブロンソンのタ . . . 本文を読む
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愛のゆくえ

2014-09-27 00:13:43 | 
『愛のゆくえ』 リチャード・ブローティガン   ☆☆☆★  『西瓜糖の日々』に続く、ブローティガン四作目の長編。再読。あまりらしくない邦題だが、原題を直訳すると「妊娠中絶 - 歴史的ロマンス1966年」となる。ブローティガンらしいポエティックで非現実的な設定と、いつも以上に淡々とした描写で構成された静謐な作品だ。  主人公の「ぼく」は風変わりな図書館のたった一人の職員である。それは普通の人々が . . . 本文を読む
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One of a Kind

2014-09-24 22:26:51 | 音楽
『One of a Kind』 Dave Grusin   ☆☆☆☆☆  『Mountain Dance』に並ぶデイヴ・グルーシンの傑作にして、クロスオーヴァーの名盤。クロスオーヴァーという言葉は死語で正しくはフュージョンと言うべきなのだろうが、このアルバムにはクロスオーヴァーという語感が良く似合うのである。  バラエティに富んだ5曲が収録されているが、『Mountain Dance』の乾いた . . . 本文を読む
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鄙の宿

2014-09-22 21:19:10 | 
『鄙の宿』 W・G・ゼーバルト   ☆☆☆☆★  ゼーバルトの『鄙の宿』を読了。本書はゼーバルトが思い入れを持つ作家や画家について書いたエッセー集だが、ゼーバルトにおいてはエッセーと小説の境界が非常に曖昧なため、本書に収録されたテキストを読んでいると『アウステツリッツ』や『移民たち』と良く似た感触を受けることが多々あった。ルソーやヴァルザーという作家が本書の登場人物となり、どこへ行った、あれを . . . 本文を読む
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空き巣

2014-09-20 21:03:44 | 創作
          空き巣  その頃ぼくとマリエが住んでいた部屋はすごく散らかっていた。散らかっていたけれども、ぼくたちはむしろそれを心地よいものと見なしていた。ぼくたちはその散らかりようをどこかアーティスティックだと思っていて、それは当時二人とも美術学校に通っていたことや、イラストレーターのオフィスでバイトしていたことなどと関係している。部屋に友達を呼ぶと、みんなその散らかりように目を丸くし . . . 本文を読む
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紅の豚

2014-09-18 23:30:15 | アニメ
『紅の豚』 宮崎駿監督   ☆☆☆☆★  宮崎駿監督の『紅の豚』の日本版ブルーレイを購入して再見。『天空の城ラピュタ』をブルーレイに買い換えたところかなり画質が向上していて非常に良かったので、味をしめて『紅の豚』も入手した。  個人的には結構気に入っているこの『紅の豚』、物語ははっきりいって小粒である。主人公のマルコは人間なのになぜか豚に変身したパイロットで、ファシズムが蔓延するイタリアとイタ . . . 本文を読む
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創作の極意と掟

2014-09-16 21:36:45 | 
『創作の極意と掟』 筒井康隆   ☆☆☆☆  本書は筒井康隆の作家としての遺言、まったく新しい小説作法、など色々と喧伝されているようだが、読んでみると実は「小説を書く」ということについての比較的リラックスしたエッセイである。著者本人も序文で「ふざけたタイトルからもわかるように、単なるエッセイだ」と断っているし、著者が過去に書いた『着想の技術』あたりと比べても力が抜けている。が、筒井康隆ほどの作家 . . . 本文を読む
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ピクニック at ハンギングロック

2014-09-14 23:37:58 | 映画
『ピクニック at ハンギングロック』 ピーター・ウィアー監督   ☆☆☆☆  日本版ブルーレイで鑑賞。不思議な味わいの映画で、かなり面白かった。女学校の生徒達がハンギングロックと呼ばれる岩山へピクニックに行き、生徒3人と教師1人が行方不明になる。町をあげて捜索しても見つからない。女性徒の一人はやがて発見されるが、何も覚えていない。結局他の3人は見つからず、最後まで何があったか不明。謎解きはない . . . 本文を読む
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第三の警官

2014-09-12 20:33:32 | 
『第三の警官』 フラン・オブライエン   ☆☆☆☆  相当に荒唐無稽な、知的な遊びに満ち満ちた小説である。プロットは極端にシュールレアリスティックで、ちょっと他では見られないほど奇妙だ。主人公「わたし」は老人殺しの犯人で、共犯であるもう一人の男が金をネコババするんじゃないかと心配するところから物語は始まる。まわりの人々が語り草にするほど仲の良い二人と思われながら、実は金を一人占めされないよう監視 . . . 本文を読む
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嵐が丘(映画)

2014-09-10 18:59:51 | 映画
『嵐が丘』 ウィリアム・ワイラー監督   ☆☆☆★  英語版のDVDを購入して鑑賞。モノクロ映画である。大昔にどこかの名画座で観たが、ほとんど記憶にない。大好きな原作だし、ローレンス・オリヴィエは好きな俳優なので再見した。  あの長大な原作を映画化するに当たり、当然ながらワイラー監督は物語のあちこちをカットしている。もっとも重要なのはキャサリンの死後の物語がすべてカットされていることである。映 . . . 本文を読む
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