アブソリュート・エゴ・レビュー

書籍、映画、音楽、その他もろもろの極私的レビュー。未見の人の参考になればいいなあ。

だれも知らない小さな国

2007-06-29 20:52:54 | 
『だれも知らない小さな国』 佐藤さとる   ☆☆☆☆★  子供の頃に読んで大好きだった「コロボックル」シリーズをまた読みたくなって購入。『だれも知らない小さな国』『豆つぶほどの小さないぬ』『星からおちた小さなひと』『ふしぎな目をした男の子』の四部作を全部大人買いした。  今読んでも子供の頃と同じように楽しめるか実は少々不安だったが、そんな心配は杞憂だった。昔読んだ時と同じように面白かった。やは . . . 本文を読む

North Country

2007-06-27 21:25:51 | 映画
『North Country』 Niki Caro監督   ☆☆☆★  レンタルビデオで鑑賞。アメリカで最初のセクハラ集団訴訟をやったという鉱山労働者の実話に基づいた、社会派映画である。主演はシャーリーズ・セロン。私が最初にこの女優さんを観たのは確か『2 Days in the Valley』だったと思うが、いかにもピンナップ・ガールみたいなルックスと雰囲気だった彼女がこんな役をやるようになろう . . . 本文を読む

Feels Good to Me

2007-06-25 20:03:45 | 音楽
『Feels Good to Me』 Bill Bruford   ☆☆☆☆☆  最近ブランドXにはまっているせいでジャズ・ロックを聴きたくなり、名作という評判だけは大昔から知っていたがちゃんと聴いたことがなかったブラッフォードの『Feels Good to Me』を入手した。やはり、良い。渋くて美しい。感涙ものである。名作といわれるだけのことはある。もっと早く聴けば良かった。  メンツはブラ . . . 本文を読む

南総里見八犬伝

2007-06-23 01:11:31 | 
『南総里見八犬伝』 滝沢馬琴+浜たかや+山本タカト   ☆☆☆☆  何を隠そう、私は大の八犬伝フリークである。八犬伝と聞くと耳がそばだってしまうし、八犬伝の文字を見かけるとついクリックしてしまう。そういう私なので、しばらく前からAmazonで見かけた山本タカト挿絵つき『南総里見八犬伝』が気になっていたが、内容が子供向けらしいので我慢していた。しかしとうとう辛抱たまらず4巻まとめて買ってしまった。 . . . 本文を読む

Aghora

2007-06-21 21:27:45 | 音楽
『Aghora』 Aghora   ☆☆☆☆  こんなバンド全然知らなかったが、世間ではプログレッシヴ・メタルと呼ばれているジャンルの音らしい。ドリーム・シアターとかあのあたりに近い。メタル系はほとんど聴かないが、このバンドはフレットレス・ベース弾きまくりだと聞いて買ってみた。  聴いてみると、確かにフレットレス弾きまくりである。かなり気持ちいい。ブリブリ言わせている。どの曲でも弾きまくってい . . . 本文を読む

隠し部屋を査察して

2007-06-19 13:33:22 | 
『隠し部屋を査察して』 エリック・マコーマック   ☆☆☆☆☆  スコットランド生まれカナダ在住の作家、マコーマックの短篇集を読了。しかしまあ、なんというヘンな小説を書く人だろうか。綺想作家と呼ばれる人は色々いるが、この人ほどこの言葉が似合う作家もあまりいないと思う。  アメリカの「アンリアリズム」と称される最近の作家連中、例えばケリー・リンクやジュディ・バドニッツなんかもとんでもない非現実的 . . . 本文を読む

Imposter

2007-06-17 12:05:13 | 映画
『Impostor』 Gary Fleder監督   ☆☆☆  レンタルDVDで鑑賞。フィリップ・K・ディックの初期の代表的短篇『偽者』の映画化。好きな短篇なので、映画化されてると知ったらB級だろうなと思いながらもどうしても観たくなってしまう。邦題はなぜか『クローン』になっている。意味が違うじゃないか。なんで素直に『偽者』にしないんだろう。  2001年の作品。こんな映画やってたなんて全然知ら . . . 本文を読む

Queen II

2007-06-15 22:14:12 | 音楽
『Queen II』 Queen   ☆☆☆★  クイーンのセカンド・アルバム。クイーンといえば『ボヘミアン・ラプソディ』が収録されている『オペラ座の夜』が代表作とされていて、確かにあれが一番完成度は高い気がするが、私はこのセカンドが一番好きだ。そういう人はクイーン・ファンでも多いらしい。私は特にクイーン・ファンではないが。  なんでかというと、まずアルバム全体で統一感がある。クイーンというバ . . . 本文を読む

フィッシュストーリー

2007-06-13 11:09:35 | 
『フィッシュストーリー』 伊坂幸太郎   ☆☆☆  伊坂幸太郎は『魔王』でがっくりきてもう買うまいと思っていたが、本屋で見かけて面白そうな気がしてついまた買ってしまった。この人はアイデアとか設定が垢抜けてるので、あらすじとか帯の文句を読むとどうも惹かれてしまうのである。  本書には短篇が四つ入っている。読後感はいつも通り、面白いんだけど軽くて微妙に拍子抜けする。今回は短篇だったので長編よりはっ . . . 本文を読む

東京奇譚集

2007-06-11 21:08:37 | 
『東京奇譚集』 村上春樹   ☆☆☆☆  村上春樹の短篇集を読了。  この人の本は翻訳もの、レイモンド・カーヴァーとかマーク・ストランドとかフィッツジェラルドとかはたくさん読んでいてすごく好きなのだが、本人の小説を読んでピンと来たことがあまりない。これだけ評価が高い作家なんだからきっと優れたところがあるはずと思って何度かチャレンジするのだが、そのたびに首をかしげることになってしまう。よっぽど私 . . . 本文を読む