アブソリュート・エゴ・レビュー

書籍、映画、音楽、その他もろもろの極私的レビュー。未見の人の参考になればいいなあ。

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回転木馬のデッド・ヒート

2017-06-30 21:52:00 | 
『回転木馬のデッド・ヒート』 村上春樹   ☆☆☆☆  『めくらやなぎと眠る女』に続いて、もう一冊村上春樹の短篇集を読了。こちらはアンソロジーではなくオリジナル短篇集。作者が序文で、これは小説ではなく全部本当の話だと書いているが、果たして本当だろうか。そういって実は全部創作ということもありそうなので、眉につばをつけて聞いた方が良さそうだ。いかにも村上春樹が書きそうな短篇ばかりだし、たとえば「野球 . . . 本文を読む
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セールスマン

2017-06-26 22:39:53 | 映画
『セールスマン』 アスガー・ファルハディ監督   ☆☆☆☆☆  『別離』のファルハディ監督の新作『セールスマン』がiTunesレンタルに出ていたので鑑賞。『別離』に続き二度目のアカデミー外国語映画賞(カンヌでは脚本賞と主演男優賞)を受賞している。妻が何者かに襲われる話と作品紹介に書いてあったので、なるほど訪問してきたセールスマンに襲われるのか、と思ったら全然違った。  主人公は役者の夫婦で、二 . . . 本文を読む
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ABBA 40/40

2017-06-23 22:49:31 | 音楽
『ABBA 40/40』 ABBA   ☆☆☆☆☆  アバが好きだということは前に書いたが、しばらく前に日本だけで発売されているべスト盤を買った。アバの主要な曲をほぼ全部網羅した便利なベスト盤で、全40曲収録。特に日本人にとってしっくりくる選曲になっているところがミソだ。ジャケットもいいですぞ。フレッシュなアグネタと大人っぽいフリーダのミニスカ姿。これでぐっと来なかったらアバ・ファンじゃありませ . . . 本文を読む
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めくらやなぎと眠る女(その2)

2017-06-20 23:41:38 | 
(前回からの続き)  さて、ここらで印象に残った作品についてコメントしたい。まずは「我らの時代のフォークロア」。友だちを紹介する文章で始まり、更にその友だちから聞いた話を紹介するという入り組んだ枠組みの中の、煎じ詰めればある男女の哀しい物語である。ラブストーリーのような甘さも滲ませつつ、その中に不条理な人生の一刺しを織り交ぜるのがこの著者ならではのスタイル。しかも、その一刺しは小説らしい具体的細 . . . 本文を読む
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めくらやなぎと眠る女(その1)

2017-06-17 22:48:42 | 
『めくらやなぎと眠る女』 村上春樹   ☆☆☆☆  『象の消滅』に続く、アメリカで出版された村上春樹短篇集の逆輸入シリーズ第二弾。『象の消滅』には星五個つけたのにこれは四つなのは、実際にクオリティの差なのか、村上春樹の短篇小説に対する私の見る目が少し冷めたせいなのかは、五年以上も間が空いてしまったのでなんとも言えない。もう一回『象の消滅』を読み返してみればいいのだが、本書に続けて『回転木馬のデッ . . . 本文を読む
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タクシードライバー

2017-06-14 23:25:50 | 映画
『タクシードライバー』 マーティン・スコセッシ監督   ☆☆☆☆☆  言わずと知れた、スコセッシ監督の最高傑作にして映画史上に残る金字塔。第29回カンヌ映画祭パルム・ドール受賞作品。ニューヨークを舞台にした映画は数多く、名作もあまたあるが、ニューヨークが舞台でなければ絶対に成立しない映画があるとすれば、この『タクシードライバー』をおいて他にない。少なくともその筆頭である。個人的には、ニューヨーク . . . 本文を読む
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そこのみにて光輝く

2017-06-11 20:53:32 | 映画
『そこのみにて光輝く』 呉美保監督   ☆☆☆  評判が良い映画のようだったので日本版ブルーレイを購入して鑑賞。が、個人的にはさほどの感動はなかった。というか、駄作とは言わないがピンと来なかった。  採掘場の事故で人を死なせた達夫(綾野剛)は仕事を辞め、パチンコと散歩の無気力な日々を送っている。ある時、仮釈放中の拓児(菅田将暉)と姉の千夏(池脇千鶴)と知り合い、後日、千夏が体を売っていることを . . . 本文を読む
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十三番目の人格―ISOLA

2017-06-08 21:20:11 | 
『十三番目の人格―ISOLA』 貴志祐介   ☆☆☆  貴志祐介が『黒い家』の前に書いたホラー小説。第三回日本ホラー小説大賞長編賞佳作。この翌年に、著者は『黒い家』で第四回日本ホラー小説大賞を受賞することになる。なかなか新作を出してくれないので読んでみたが、やはり『黒い家』あたりと比べると色々と粗い。話の展開も作為が目立つし、頑張ってストーリーを作っているなという感じがする。個々のエピソードが組 . . . 本文を読む
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2017-06-05 21:15:24 | 映画
『穴』 市川崑監督   ☆☆☆  日本版DVDで鑑賞。1957年のモノクロ映画。市川崑監督は三島由紀夫や伊丹十三、トリュフォーなど心酔者が多い日本映画の巨匠だが、『鍵』のような実験的映画を撮ったり『犬神家の一族』のようなエンタメを撮ったり『細雪』のような文芸作品を撮ったりと、いやに作風が幅広く、そのせいでどんな監督なのか今一つ私の中でイメージが定まらない。個人的には『鍵』と『女経』中の一篇「物を . . . 本文を読む
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世界怪奇実話(その2)

2017-06-02 23:06:49 | 
(前回からの続き。写真はマタ・ハリ)  さて、それからシリアル・キラー系の話が三つある。「都会の類人猿」「浴槽の花嫁」「街を陰る死翼」の三つで、読み終わって思い返すと似た話なので頭の中でごっちゃになってしまいそうだが、やはりそれぞれに特色がある。「都会の類人猿」は貸間を探しているふりをして下見に上がり込み、女主人をレイプして殺す連続殺人犯で、年配の女性を好むという変態性と、頻繁に服を着替えるとい . . . 本文を読む
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