アブソリュート・エゴ・レビュー

書籍、映画、音楽、その他もろもろの極私的レビュー。未見の人の参考になればいいなあ。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

野いちご

2013-05-30 22:05:38 | 映画
『野いちご』 イングマール・ベルイマン監督   ☆☆☆★  ベルイマン・ボックスから『処女の泉』に続いて『野いちご』を再見。これはかなり昔に観たことがあるのだが、実はあまり印象に残っていない。今回あらためて観ても、悪くはないんだけれども、やはりそれほどすごい映画とも思えなかった。名作の誉れ高いこの作品にこんなことを言うのは気がひけるが、個人的には物足りない。  これは数年前に奥さんを亡くしてや . . . 本文を読む
コメント

どちらかが彼女を殺した

2013-05-28 22:05:39 | 
『どちらかが彼女を殺した』 東野圭吾   ☆☆☆☆  久しぶりに再読。これは加賀恭一郎シリーズの一冊で、なんと最後まで読んでも犯人の名前が書かれていないという実験的なミステリだ。同じ趣向のものとして、他に『私が彼を殺した』というのもある。本書は特に完全なパズラーに徹していて、東野圭吾にありがちなお涙頂戴的なところとか社会問題告発的なところはほぼまったくない。ロジカルなパズラーとして純度が高く、私 . . . 本文を読む
コメント

ライク・サムワン・イン・ラブ

2013-05-26 23:25:51 | 映画
『ライク・サムワン・イン・ラブ』 アッバス・キアロスタミ監督   ☆☆☆☆★  キアロスタミ監督が全篇日本を舞台にした映画を撮った、と聞いて前から観たいと思っていた『ライク・サムワン・イン・ラブ』。アメリカでもDVDが出るだろうと思っていたが発売未定のようなので、日本のAmazonで入手した。アメリカじゃ映画館でやらなかったのだろうか。  かなり変な映画だろうとは予想していたが、その予想の斜め . . . 本文を読む
コメント

風樹の剣

2013-05-24 22:28:12 | 
『風樹の剣』 北方謙三   ☆☆☆☆  友達から借りて読んだ、北方謙三の時代小説。そもそも北方謙三という人の小説を初めて読んだ。  時代小説というものをそもそもあまり読まず、山田風太郎、司馬遼太郎の新撰組もの、吉川英治、山本周五郎、あたりの(おそらくは)基本篇しか知らないが、やはり書き手によって世界観が大きく違うということが今回よく分かった。北方謙三のそれも、かなり独特である。  主人公は日 . . . 本文を読む
コメント

処女の泉

2013-05-22 19:33:44 | 映画
『処女の泉』 イングマール・ベルイマン監督   ☆☆☆☆★  『ある結婚の風景』と一緒に買ったクライテリオンのベルイマン・ボックス(「Ingmar Bergman: Four Masterworks」)には『処女の泉』『野いちご』『第七の封印』『夏の夜は三たび微笑む』の四作が入っている。これは楽しみだ。まずは『処女の泉』を観た。モノクロ作品。  最初に「13世紀のバラッドにもとづく物語」みたい . . . 本文を読む
コメント (2)

終わりの感覚

2013-05-20 21:41:42 | 
『終わりの感覚』 ジュリアン・バーンズ   ☆☆☆  ジュリアン・バーンズの2011年度ブッカー賞受賞作。私はこの人の『フロベールの鸚鵡』はかなり好きだが、他のは今ひとつツボに来ない。いつも知的な仕掛けが施されているのだけれども、変にあざとい感じがするせいだ。この『終わりの感覚』は仕掛けという点では控えめで、普通の小説に近いが、やはり物足りなかった。  すでに老年に入った男が語り手で、彼が自分 . . . 本文を読む
コメント

ある結婚の風景

2013-05-18 14:03:44 | 映画
『ある結婚の風景』 イングマール・ベルイマン監督   ☆☆☆☆  ベルイマン監督の『ファニーとアレクサンデル』にいたく感銘を受けたものだから、他の作品のDVDもいくつか入手した。これはクライテリオン版の『ある結婚の風景』である。もともとTVドラマだったらしく、TV版と映画版の両方が入っている。まずは短い映画版の方を観た。  印象は『ファニーとアレクサンデル』と大分違う。スーパーナチュラルな要素 . . . 本文を読む
コメント

ポオ小説全集II

2013-05-16 22:33:52 | 
『ポオ小説全集II』 エドガー・アラン・ポオ   ☆☆☆☆  エドガー・アラン・ポオという作家は私の中で特別な地位を占めていて、中学生の頃にどっぷりハマり、小説というものの奥深さは最初にポオから教わった、といっても過言ではない。しかも何度読んでも汲みつくせないどころか、その芸術的小宇宙は、いつになっても絶対に自分の手が届かない高所に悠然と聳えているような印象さえ与える。どこかの文学者が、自分はロ . . . 本文を読む
コメント

尼僧ヨアンナ(映画)

2013-05-14 21:35:17 | 映画
『尼僧ヨアンナ』 イエジー・カヴァレロヴィッチ監督  ☆☆☆★  なんとなく気になって、映画『尼僧ヨアンナ』の日本版DVDを購入した。私はこういう中世の宗教ものが結構好きなのである。悪魔祓いがテーマということで『エクソシスト』の元ネタと言われ、また映像が美しいといわれていることでもあり、観てみたいという気持ちを抑えられなくなった。  原作と比べるとストーリーは多少簡略化されているが、おおむね忠 . . . 本文を読む
コメント

八犬伝(その2)

2013-05-12 18:36:57 | 
(前回からの続き)  前回書いた通り、私は八犬士の中でも犬坂毛野が特に好きである。そもそも登場が遅いため、八犬士の中でも出番が少ないという希少価値もあるけれども、その女と見まがう美貌、軽業師のような身軽さ、女田楽師になったり乞食になったり大道芸人になったりという変幻自在性、人間離れした剣技、そして父を殺された復讐の為には残酷な殺戮も辞さないクールさ、などに魅力を感じる。この風太郎版「八犬伝」の中 . . . 本文を読む
コメント