アブソリュート・エゴ・レビュー

書籍、映画、音楽、その他もろもろの極私的レビュー。未見の人の参考になればいいなあ。

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鬼畜(映画)

2011-02-28 19:16:44 | 映画
『鬼畜』 野村芳太郎監督   ☆☆☆☆  所有している日本版DVDで再見。松本清張原作、野村芳太郎監督、音楽は芥川也寸志。『砂の器』と同じメンツである。これもまた名画の誉れ高い作品だ。  が、最初に観た時はげっそりしてしまった。はっきり言って好きなタイプの映画ではない。終盤がお涙頂戴的でいやにべとついているし、描写が生々しすぎてやりきれない。つげ義春風に言えば、リアリズム過ぎるのである。とはい . . . 本文を読む
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「象の消滅」 短篇選集 1980-1991

2011-02-26 13:27:07 | 
『「象の消滅」 短篇選集 1980-1991』 村上春樹   ☆☆☆☆☆  村上春樹の短篇集を購入。これはアメリカのクノップフ社から発売された村上春樹の英語圏オリジナルの短篇集で、作品の選択と配列はクノップフ社の独自仕様となっている。彼の作品をすべて読み、セレクションを一人で担当したというクノップフ社編集次長の序文がついているが、村上春樹いわく「もし日本の文芸編集者が僕のベスト短篇小説を選んでい . . . 本文を読む
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しんぼる

2011-02-24 19:28:56 | 映画
『しんぼる』 松本人志監督   ☆  レンタルDVDで鑑賞。全然面白くなかった。時間の無駄と言わせてもらう。  まああまり説明してもしょうがないが、映画はある日白い部屋で目覚めたパジャマ男(松本)と、メキシコのプロレスラーという二本立てのプロットで進んで行く。パジャマ男はなんとか部屋から脱出しようとしてあがく。プロレスラーは家を出て、車で会場に向かい、試合、という流れが淡々と描かれる。どういう . . . 本文を読む
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蜘蛛女のキス

2011-02-22 21:49:42 | 
『蜘蛛女のキス』 マヌエル・プイグ   ☆☆☆★  プイグの『蜘蛛女のキス』を読了。昔映画を観たが、ウィリアム・ハートがゲイのモリーナを演じていてとても印象的だった。いい映画だったと記憶している。それなのになぜ今まで原作を読まなかったのかというと、この小説は普通の小説と違って叙述法に凝っており、色んな異なる形式のテキストの混合体になっているが、それがどうも億劫だったからだ。地の文というものがなく . . . 本文を読む
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幽霊と未亡人

2011-02-20 22:31:51 | 映画
『幽霊と未亡人』 ジョゼフ・L・マンキーウィッツ監督   ☆☆☆  日本版DVDを入手して鑑賞。モノクロのアメリカ映画、舞台はイギリスである。内容的にはロマンティック・ファンタジーということになるのだろう。タイトルの通り、幽霊が出てくる。  未亡人のルーシーは幼い娘と家政婦だけを連れて海辺の一軒家に越してくる。不動産屋が見せるのを渋ったこのカモメ荘、実は自殺した船長の幽霊が出るといういわくつき . . . 本文を読む
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僕はマゼランと旅した

2011-02-18 22:11:49 | 
『僕はマゼランと旅した』 スチュアート・ダイベック   ☆☆☆★  『シカゴ育ち』に感銘を受け、その後に出た短篇集『僕はマゼランと旅した』も購入した。  これは連作短篇集で、舞台がシカゴというのは『シカゴ育ち』も同じだが、それぞれの短編の登場人物もかなり共通している。今回は短篇と掌編が交互に出てくるということはなく、みんな比較的長めの、複雑な筋を持った作品で、かつほぼ全部が回想系のストーリーだ . . . 本文を読む
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GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊

2011-02-16 23:02:00 | アニメ
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』 押井守監督   ☆☆☆☆  DVDで再見。これは海外でもジャパニメーションの代表的作品として認知されている作品で、マトリックスの元ネタになっているのは有名な話。人間の首の後ろにジャックの穴があってネットに接続できる、なんて部分がそのままパクられている。それからバットマン・シリーズの『ダークナイト』でもバットマンが車の屋根に飛び降りて重さで屋根 . . . 本文を読む
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プラハの恋人たち、又はあるすれ違いの物語(その2)

2011-02-14 21:58:14 | 創作
(前回の続き)  私は一枚だけマリアの写真を持っていた(他の写真はみんな捨ててしまった)。古ぼけていて、縁はあちこち裂け、かなり傷んだ写真である。トリニティの目に触れないように、本に挟んで本棚の奥にしまい込んであった。トリニティと出会ってから、私は何度もこの写真を取り出して眺めた。時にはトリニティの写真と一緒に並べて見比べたこともある。何度見ても、二人は良く似ていた。写真の中のマリアは、ニューヨ . . . 本文を読む
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プラハの恋人たち、又はあるすれ違いの物語(その1)

2011-02-14 21:56:23 | 創作
         プラハの恋人たち、あるいはあるすれ違いの物語  孤独な旅をしたことがある人なら、そうした非日常の中でふと舞い下りる暗合とか偶然というものが、時に驚くほど深い意味合いを帯びることになるのを知っているはずだ。それは砂漠の空の蜃気楼や午睡の合間によみがえる幼い日々の記憶のように、私たちに甘美な癒しをもたらす一方で、最後の瞬間にあっけなく手をすり抜けて消えてしまうという特性を持っている . . . 本文を読む
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短篇コレクション II

2011-02-12 20:57:20 | 
『短篇コレクション II』 池澤夏樹・編   ☆☆☆☆  池澤夏樹編集の世界文学全集で出た短篇コレクション、その2。当然『短篇コレクションI』があるわけだが、購入を見送った。収録作品に既読が多かったせいだ。この『短篇コレクションII』がヨーロッパ圏で書かれたもの、『短篇コレクションI』がそれ以外の地域をカバーしているらしい。『II』はまあまあ(私にとって)目新しい作家が多いような気がして購入した . . . 本文を読む
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