『GOLDEN☆BEST Legendary Hits 80’s』 原田真二 ☆☆☆
原田真二のベストを入手した。最近、原田真二の初期、ポリドール時代、フォーライフ復帰後、とそれぞれの時期をカバーしたベストが出ているようだ。再評価のきざしなのか? けれどあいかわらずオリジナル・アルバムはほとんど手に入らない。
昔デビュー作の『Feel Happy』を妹が持っていて、私もかなり好きだった . . . 本文を読む
『愛の続き』 イアン・マキューアン ☆☆☆☆★
再読。イアン・マキューアンは大好きな作家の一人で、日本語訳が手に入るものは大体読んでいると思う。知性、ひんやりした肌触り、ひねくれた視点、残酷さ、これらがマキューアンの特徴である。いかにもイギリスの作家らしい雰囲気がある。
私はマキューアンの小説の中でこの『愛の続き』と『アムステルダム』の二作が甲乙つけがたい傑作だと思っている。が、この二 . . . 本文を読む
『新幹線大爆破』 佐藤純弥監督 ☆☆☆☆
前からなんとなく気になっていたので、DVDで購入して鑑賞。全然つまらないかもしれないと覚悟して観始めたが、これがもう予想を裏切る面白さだった。こういう映画、大好きです。
新幹線に爆弾が仕掛けられ、スピードが時速80キロに落ちると爆発する。だから新幹線を止めることはできない。最終の博多駅に着くまでになんとかしなければ、乗客数千人の命はない。この設 . . . 本文を読む
『最悪』 奥田英朗 ☆☆☆★
出張で飛行機の中で読むために文庫本を持っていった。再読。一気読みするのに最適。
一種の群像劇である。主人公は三人、町工場の経営者のおじさん、銀行のOL、無職の不良少年。この三人が、それぞれの境遇の中でどんどんドツボにはまっていく。こういう群像劇の常道として、三人はお互いに面識はないがその生活はちょっとだけリンクしている。OLの同僚の男が工場のおじさんと融資 . . . 本文を読む
『怪~ayakashi~化猫』 中村健治監督 ☆★
『時をかける少女』がとても良かったので他にもアニメが観たくなり、評判が良さそうだったこのDVDを買った。これは映画ではなくてテレビ番組だったらしい。画面のサイズもシネスコ・サイズではなくテレビサイズだ。
で、かなり期待していたのだが、完全な期待はずれだった。久々の大幻滅。大きく膨らんだ期待が開始15分ぐらいでキリモミ降下していく。
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『黒い家』 貴志祐介 ☆☆☆☆☆
再読。貴志祐介はいつも緻密で手堅い職人芸を見せてくれる大好きな作家だが、おそらくは現時点での彼の最高傑作にして日本ホラー大賞受賞作。ホラーと言っても超自然現象やオカルトとは無縁の非常にリアリスティックな怖さを追求した小説で、サスペンスものといった方がいいかも知れない。キングやクーンツみたいなホラーとは違う。
主人公は保険会社社員。生命保険の査定、つまり . . . 本文を読む
『大魔神』 安田公義監督 ☆☆☆★
以前、『大魔神』三部作がワンパックになってヴァージン・メガストアで売られているのを見てびっくりした記憶があるが、買おうと思って行ったらもうなかった。あっという間に製造中止になっていたらしい。で、アマゾンで中古を取り寄せた。だから三部作まとめ買い。三つ全部は観てないので結構楽しみだ。
さて、まずは第一作。あんまり覚えてなかったけれどこれは観たことがあっ . . . 本文を読む
『虚空のランチ』 赤江瀑 ☆☆☆☆
ずっと前に買った赤江瀑の短編集を再読。どうも今は絶版になっているらしい。昔読んだ時はイマイチだと思ったのだが、『日本怪奇小説傑作集3』に収録されていた『海贄孝』(本書にも収録されている)を読んだら面白かったので、再読したいと思っていた。
京極夏彦が賛辞を寄せているが、確かに京極ワールドに通じるものがある。絢爛たる幻想と怪異。幻想の質は非常に日本的で、 . . . 本文を読む
『Shadows and Light』 Joni Mitchell ☆☆☆☆★
ジョニ・ミッチェル1979年、カリフォルニアはサンタ・バーバラでのライヴ。このライヴはスタジオ・アルバム『Mingus』の次に発表された作品で、ジョニのいわゆる「ジャズ期」の一枚ということになる。
ジョニ・ミッチェルはもともとフォーク系のシンガーソングライターとして登場し、その路線で『Blue』のような傑作 . . . 本文を読む
『硫黄島からの手紙』 クリント・イーストウッド監督 ☆☆★
英語版DVDを購入して鑑賞。結構期待していたのだが、期待はずれだったかも知れない。
ヒューマニスティックな戦争もの、である。そう思って観るとそのイメージからはみ出すような部分はほとんどない。硫黄島を守る日本軍の物語。圧倒的に不利な戦いの中、死を覚悟した登場人物たちが家族宛に手紙を書く。ヒューマニスティックだ。けれどもそれらの . . . 本文を読む