崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

特殊婦人」

2015年05月31日 05時21分05秒 | 旅行
 あるテレビ局の女性ディレクターが訪ねて来て研究室で3時間話をした。彼女は番組制作のために先日、街を歩いている時ある男性(私の知人)から私の名前を聞いて訪ねることになったと言う。テーマは今年のポピュラーなもの「戦後70周年」であった。彼女は名門大学の社会学専攻の方である。戦後の下関に、つまり1945年以降、下関の中心地に住む在日朝鮮韓国人を焦点にしたいという。すでに多くの方に会ってきており、ほぼ私が知っている方々である。ドキュメンタリーを早く作りたいという話で楽しい時間であった。私は戦後の下関は「大陸への門戸」だという話は対象外であること、下関が戦後急にすたれてきたのはその役割が福岡に代わったこと、戦前と戦後の断絶が主因だと話した。山口の政治家たちが戦前の門戸の地に空港を作らなかったのが大きな失策だと思っている。地域性を無視してきた日本が今遅ればせながら「地方創生」と言っても回復は難しいだろう。問題意識を持たせるドキュメンタリーを期待している。
 彼女に会う直前KRYTVでソ連軍に性暴行された「特殊婦人」に関するドキュメンタリーを視聴した。韓国が慰安婦問題で日韓関係を悪くする政治的カードにしたことから韓国の米軍慰安婦、ベトナム慰安婦などが明らかになりつつあり、その一つとして「特殊婦人」の資料を重視するようもなったかとも思われる。日本人は韓国の慰安婦数とは比較にならないほど多くの女性が強姦されたことは事実である。しかしそれを言わず多くの人が自殺したり、それを呑み込んで生きてきた。このように韓国の女性と大きく異なる点は何だろう。私に言わせると貞操を国のアイデンティティとする韓国がその要因のひとつだと言わざるを得ない。これからは世界の戦争と性が広がる戦後70周年になるのではないかと考える。
写真はKRY制作「奥底の悲しみ」(2015年5月30日(土) 午後1:00~2:10)から