崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

戦後の歴史

2015年05月17日 04時51分26秒 | 旅行
「東洋経済日報」への寄稿文では(2015.5.14)シンガポールとミャンマーの調査旅行から考えたことに触れた。
 シンガポールとミャンマーは長い間イギリスの植民地であった。イギリスから独立して民主化されそうだった時、軍事クーデターが起こり、いまだに軍事政権による独裁国である。アジアの最富国のシンガポールと最貧国ミャンマーの対象が印象的であった。旅人としては異国の風景として記憶すればそれで終わりであろう。ある作家がミャンマー旅行記に貧困から幸せを感じたと書いたものを読んだことがあるが私には飛行機の中で読んだアウンサンスーチ氏の文を通して軍事独裁の非行が実感できた。他国異民族の支配から解放されたのに、自民族を自ら独裁して不幸にしている。私は戦後の韓国を思い浮かべ辛さと悲しさを痛感した。
 ホテルのプールで楽しんでいる風景、それは楽園であり、その外街が最貧困の世界、光と闇が見える。観光とはいかに贅沢、否、残酷なことであろうかとも思ってしまう。貧困を観光とするということはいかに非倫理的であろうか。両国はイギリスから植民地とされた歴史を持っている。隣接の二つ国、植民地の歴史は似ていながら戦後の歴史が著しく異なっている。朝鮮半島の南北も日本植民地史を持っている。ただ戦後の歴史が異なっている。南北は富と貧、自由と独裁、対照的な国家になっている。悲しい。

*伝統芸能ショー