崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

居眠りで銃殺されたという話

2015年05月15日 05時34分28秒 | 旅行
 私が北朝鮮訪問した時の映像を学生たちに見せた。韓国の学生たちの反応は大きかった。今から10年ほどの前の状況ではあるが、そのように発展したとは思わなかったという。学生たちによれば北朝鮮は全く近代以前の農村のように想像していたという。韓国のメディアは北朝鮮の情報を多く出していてよく知っていると想像した私がショックであった。昼のTBS番組では北朝鮮の玄永哲人民武力相(国防相)(66)が4月30日頃、粛清されたという韓国情報院の情報を持ってお笑い番組のように討論しているのを視聴した。北朝鮮がおかしい情報源を出しているが、韓国のメディアも北朝鮮の情報を楽しんでいるようである。この話の中でもっともおかしいことは玄氏は4月24、25日の朝鮮人民軍第5回訓練指導官大会で、居眠りをしているところを金第1書記に見つかったことが一つの理由とみられるという。射撃場で、数百人の将校が見守る中、高射機関砲で公開処刑されたという。こんな悲惨な出来事は事実なのか、冗談なのか笑い話であろうか。韓国の報道では粛清以降もTVに映像として登場している。まるで白昼の幽霊のようである。
 居眠りで銃殺されたという話は事実であろうか。本欄で以前、文化人類学者のベネディクトの文を引用しながら日本人の居眠りの危険性について触れた。留学生たちは日本人の学生たちが授業中居眠りすることが異様に感ずると言う。居眠りは緊張感が弛緩していることを指す。軍隊では居眠り中に首を斬られた歩哨の話を時々聞いたことがある。今、日中戦争の日記を読んでいるがやはり居眠りで首を切られるという話が出る。私は後期高齢者になったが人の講演などを聞きながら居眠りは絶対しないようにしている。しかし先週初めて説教中居眠りしたことに自ら驚いた。永眠が近いということであろうか。