崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

日本国の「国」

2015年05月08日 04時44分44秒 | 旅行
私が住んでいる山口県は日本の中国地方といわれ、中国人に日本は中国より大きい国だと思われるという皮肉も聞かれる。また日本の国の中で生まれ故郷を「くに(国)」という。別にこのような現象は問題にすることでもないが、昨日実際それを問題にした研究発表を聞いた。地理学者礒永和貴氏の国絵図の分析の話で、日本は藩と藩の境界意識に関して説明を聞いた。それは伝統的な文化や社会組織による境界意識を持っている「領」を基盤としているという。韓国では道との行政区分はあっても地方性にすぎないこととは対照的に思えた。日本の封建制や地方分権性の強い歴史が理解できた。地方の藩から幕府への挑戦する構造、今見ている「花燃ゆ」が理解できそうである。
 アメリカ合衆国と中華人民共和国の2大国の対象まで対照して考えた。前者は地方分権主義であり、後者は中央集権である。イギリスでは選挙でスコットランドの独立がまた話題になる。大英帝国の分裂が繰り返されている。人権、自由、福祉は国のサイズではないことを意味する。大国化していこうとする領土主義は排撃されるべきであろう。