崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

人が残した音楽テープ

2011年06月05日 05時20分52秒 | エッセイ
 研究所室として使用させていただく所を片づけたり配置したりする作業をしている。そこに2個のタンボルに音楽テープが200個以上あるのをみつけた。ポップからクラシックまで音楽と演奏と作曲法などまで複写録音して題をつけてある。最初はごみ処理にしようと思ったが見ているうちに作った人の音楽愛好家、その熱心さが伝わってきた。私はそれに尊敬心がわいてきた。誰が残した物だろう。
 おそらく今は転出した前の副学長の佐野先生であろうということになった。佐野氏は音楽の愛好家であり、地域住民を対象に音楽会を定期的に主催していた。私は2回ほど聴いたことがある。ある日バスの中で彼が弓をもっているので話を交わしたことがある。彼は弓を練習すると言っていた。その時の話が彼との一番長い会話である。
 音楽が専攻でもない人が好きであることから成し遂げられる力に私は圧倒された。私はこれらのテープを保管して自ら戒めとすることにした。いつか彼を招いて音楽の話を聞きたい。