崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

ディズニーランド

2011年06月01日 06時07分35秒 | エッセイ
 観光人類学という講義で「ディズニーランドの巡礼観光」を扱った。10人の日本人の学生の一人を除いて、3回が1人、2回が2人、その他1回つづすでに行っているということは意外であった。ただ一人の学生は行けず授業で皆の話についていけなかったということで残念がった。いずれ彼も行くのではないかと思う。私には日本のディズニーランドはにせものという偏見のようなものがあり、関心がなく、カリフォルニアや東京、大阪に行く機会があってもそれらを見ることはなかった。しかしこのように人が行っているということはそのテーマパークは十分成功したと思われる。
 日本ではそれを真似して失敗したものが多い。たとえば倉敷のドイツ村、呉のユートピア、熊本の炭鉱村など数多くある。アメリカのディズニーランドはアメリカの国民の4人に1人がすでに行っているという。その成功の秘訣は何か、私はそれに注目した。それは人を「楽しませる」ことに尽きる。氏原君は「楽しくするというのは大事だ」とメールを送ってくれた。
 講義も楽しくなるようにするのが成功であろう。しかし失敗する時もある。教育は楽しさをもっと深く、高いレベルにおける楽しみを持たなければならない。私は楽しまれる立場より、楽しませる環境をどう作っていくべきかを講義のテーマにしている。現在は昔の学校や軍隊のようにスパルタ式では無理であろう。百貨店やスーパーなどももっと楽しむような配慮が必要であろう。いろいろな経営者がディズニーランドから学ぶところは多いと思う。