崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

擬離散家族再会

2009年05月21日 05時29分10秒 | エッセイ
東亜大学の櫛田宏治理事長と韓国馬山の昌信大学を訪ねた。車は郊外へ走った。1977年初めて新婚の時住んだ懐かしきアパートがあった所から山道へ入った。30数年前の荒山が奇麗に整備されながら大学の校舎が秩序よく並んでいる。姜秉道(カン ピョント)学長に「荒山を天国に作りかえたんですね」と感想を述べた。その大学はすでに日本の大学と数多く提携、あるいは交流している。学長(1936年生)は携帯電話科、ヘリコプター科、美容科などの学科の施設と授業の現場を案内してくれた。1200席の大講堂では1時間後に「世界人の日」の大会開催のリハーサルが行なわれていた。私は関心の高いものばかりであったが、もっとも関心の的となったのは設立経営者のパワーである。学長はキリスト教の長老でもある。私もクリスチャンなのですぐに親しさを感じた。学校視察と昼食まではかなり長い時間であったがその間、私を待ってくれた人がいた。1970年代末慶南大学日本語科の卒業生の金允姫である。彼女は日本語演劇などで活発な女子学生であった。後に体が弱く、我が家に泊まったこともよくあったがその後音信もなく全く分からなかったが劇的に会えた。嬉しさと懐かしさで抱き合う再会であった。1時間足らず彼女の運転する車の中で話ができた。別れる時は彼女は涙汲んだ。私もそうであった。今回の韓国旅行はソウルと馬山で擬離散家族再会で嬉しさでいっぱいの日々であった。