崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

スポーツ人生

2009年05月01日 05時38分51秒 | エッセイ
14歳から卓球で世界的なチャンピオンとして日本女子卓球の看板の福原愛とドイツのシャール選手との試合が昨夜日本で行われ、私はテレビで視聴した。試合の間々には彼女の出演画像のCMが繰り返された。私はただ一つのゲームを見るのではなく、彼女のスポーツ人生と日本人の教育へのメッセージを見るような気持ちで緊張して視聴した。結局彼女は紅潮した顔で「勝ちたい気持ちが強過ぎて、自分が何をやっているか分からなくなってしまった」と涙を流した。
 彼女は幼い中学生の時から卓球一つで一躍人気最高の有名人になっていた。その後はマスコミに乗せられて一部には自分のリズムにもない生き方をしたのではないかと想像する。私は彼女とドイツのシャール選手を比較して、福原愛は練習に熟れたというよりマスコミに熟れたような不安があった。ゲームは負けた。人生に負けてはいけない。問題点がある。幼い時から一つの種目に人生をかけるような親は日本に多い。人生は一つのものに賭けるものではない。総合的な教育の中でスポーツや芸術はその一つの種目に過ぎないと思う。つまり卓球はその人生のボールのように小さいものに過ぎないものとして世界チャンピオンになってほしい。ゲームオーバーが人生のオーバーではないように。