崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

自転車の道

2009年05月05日 05時20分57秒 | エッセイ
 下関に住んでから自転車に乗ることがほぼない。通勤するには坂道やトンネルなどがあって自転車では難しいと考えたからである。家内が毎朝送ってくれるがその負担を減らすために帰宅にはバスや電車などを利用することもある。思い切って自転車で帰ってみた。トンネルを避けるために遠回りの道を選んだ。久しぶりに乗る不安もあって3か所の登り坂は苦労であった。日が暮れ、暗くなり自転車に乗るのはますます大変であった。
 80歳以上の人でも車を運転するのに未だに車の免許を持っていないことに後悔もした。若い人が免許を持っていないということを聞くと半分機能をしない人のように思いながら自分が運転できないのは何か特権のように思ったことに自責した。健康なエコ生活のために自転車乗りを勧める声もあるが、このような登り坂が多い下関では無理かと思うようになった。大通りを横断する横断歩道がないことが分かった。細道を歩くしかない。新しく発見した細道には「私道により出入り禁止」「通り抜け禁止」などの看板が立っている。人を家の中に閉じ込める社会である。韓国や中国から来た人は日本には歩く人が極端に少ないという印象を語ることに納得する。