崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

プーチン首相

2009年05月13日 05時29分12秒 | エッセイ
 ロシアのプーチン首相が日本を訪れている。彼は2000年から2008年までロシアの大統領であったが、大統領から首相へ変わった時に日本のマスコミは異様な態度を見せた。つまり上位(大統領)から下位(首相)への転位になかなか納得がいかなかったようである。彼がKGB出身として最初登場した時ロシアでも危険人物という印象が広がった。しかし彼はロシア人にソ連時代の大国への復興を持たせる人として、広く支持されており、彼を支持するロシアの国民を理解出来るような気がする。私はソ連崩壊直後モンゴル国の高級官吏たちの事務室を訪ねたりロシア・サハリンの知事や市長などと食事をともにしたりしたことがある。彼らは演壇に上がった時も複数の人が横座し、権威ある厳粛的な雰囲気を作らない。質素な事務室、上下の区分による距離を持たない。ロシアの中学校では卒業式の司会は学生がする。日本がいかに官僚主義社会であるかがわかる。大統領や首相は役割の役者であるというイメージが強い機能社会であることを参考にしてほしい。このような大統領への信頼心から考えると日本の首相は一市長よりも少ない票で当選して党内での政治活動で決まる。要するに国民に訴えて信頼されるより、政治家たちによって選ばれるというイメージが強い。大統領制への改革はできないものであろうか。