カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

短歌メモ〈ブラームスと族長〉。

2018-11-12 10:36:19 | Weblog

先週の休みから近いが、今日は今週分の休みで身体を休めつつ短歌つくり。今週のあとはひたすら繁忙の予定。

 

今朝の短歌メモなど。

〈鳥の名〉で呼び交ふ焚き火まはりの群れ 斥候は岩陰にコーヒーすする

族長は王女を〈鳥の名〉で呼びつづける やさしく太きかなしみの声音で

〈復讐〉は果てなききらめき 族長は王女のあたまを撫でつづけたり

薄明にかそと焚き火は消えてゆく バッハのコラール唄ふ人びと

寝台のブラームスの寝醒めの頭(づ)のうちに〈族長〉は語りぬ 王女の身の上のかなしき顛末

〈これはオペラだ〉とブラームスひとりごちぬ フンフンフフンと鼻歌をして

ブラームスのペンは机の上にあり 床には昨夜(よべ)の五線紙の数多(あまた)

森奥の青きポストのある辺りブラームスの傘はひらかれすすむ

出版社の玄関扉(げんかんと)を郵便夫は鳴らす 分厚きブラームスの草稿入り封筒

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