カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

GX コンチェルト

2009-11-16 13:18:20 | Weblog
 最初に引用メモから。。。

 *****

序破急さんによる芥川也寸志作品リスト
http://www003.upp.so-net.ne.jp/johakyu/akutagawa.htm

 *****

cariqさんのブログ「猿を呼べ」
http://cariq.exblog.jp/

オーケストラ・ニッポニカ 第十六回演奏会
「芥川也寸志 管弦楽作品連続演奏会・その2」
(2009年11月16日記事)
http://cariq.exblog.jp/9252301/

(前略)
さて、第一部の最終曲が
“GXコンチェルトーGX1とオーケストラのためのコンチェルト・オスティナート”(1974年作曲・初演)
エレクトーンのために作曲された曲です。今回は、本来使われていたGX1という機種がすでに使えないということで最新型のSTAGEAにより演奏されました。GX1という機種は、単純な電子オルガンではなく多くの種類の音源、リズムを備えた演奏型のシンセサイザーだったのだそうで、その面白さは、今回の演奏でも十二分に感じることが出来ました。曲も面白く、演奏も熱演でした。残念だったのはところどころでスピーカーにノイズが乗ってしまったことです。また、作曲家の意図を類推するなら、もっと立体的な音響効果を狙っても良かったような気もしました。スピーカーを普通にステージ上に配置するのではなく、ホール全体に配置するとか・・。そうすると、オーケストラの音と、エレクトーンの音が聴衆にとってはもっと聞き分けやすくなると共に、オーケストラが浮かび上がるイメージになたような気もするのです。音を機械的にいじるというイメージではなく、バックステージでの演奏を効果的に配置するというイメージです・・。まあ、聴くポジションいかんだったのかもしれませんが・・。
ところで、この曲のカデンツァは、芥川夫人の眞澄氏によるものだそうです。たまたま読んでいた本で知ったのですが、夫人はエレクトーンの最初期のスタープレイヤーだったのだそうですね。これは、芥川氏としてもコンチェルトをかかなきゃダメですよね(^^;)
(後略)

(以上、引用終わります)

 *****

 昔の記憶でうろ覚えですが、指揮者小林研一郎氏の自伝的エッセイ『指揮者のひとりごと』騎虎書房 (1993/12)の中で、たしか小林氏が、こんなことを書かれていた記憶があります。

(大意要約)「眞澄さん(旧姓江川眞澄さん)は、僕と同じく東京芸大作曲科のご出身で、石桁真礼生先生の門下。僕と同門になる。ヤマハのエレクトーンコンクールで優勝されて、そのコンクールの審査員をされていた芥川也寸志先生と知り合い、後に結婚された。芥川先生は、僕が第1回ブダペスト国際指揮者コンクールを受けようとしたときに大変お世話になった。僕の指揮者人生の上で大恩人にあたる・・・・・・」

 “GXコンチェルトーGX1とオーケストラのためのコンチェルト・オスティナート”に話を戻しますと、この作品は、4つの部分からなり、その後半の音楽(とくに第三部以降に出てくるオスティナートの主題と第二の旋律)が、のちに1986年発表の「アレグロ・オスティナート」(これは、1986年、FM東京(現社名「TOKYOFM」)が、開局15周年記念事業として、東京生れの4名の作曲家に東京の四季に因んだ作品を依頼して出来上がった4楽章の交響組曲《東京》の、第四楽章にあたる音楽。他の三名の作曲家は、外山雄三、石井真木、三枝成彰の各氏)に転用されています。
 今日、J.S.バッハは転用改作の多かった作曲家のひとりとして知られていますが、芥川也寸志氏にも転用改作例は多いようです。たとえば、有名な大河ドラマ「赤穂浪士」のテーマ音楽も、映画「たけくらべ」の音楽からの転用。JASRAC会長をはじめとして、さまざまな公職に就かれて多忙だったこともその理由のひとつなのかもしれません。生前、「自分には作品を書き直す悪い癖がある・・・・・」と仰っていたそうです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

短歌メモ

2009-11-16 06:27:52 | Weblog
 昨日、紀尾井ホールでオーケストラ・ニッポニカのコンサートを鑑賞する前、ホール目の前のホテルニューオータニ、ロビーで休憩しつつ、短歌をいくつかメモ。その短歌メモからです。


あからさまに人の値踏みをする眼なり十五年間客なき店の主は

扉(と)の脇にけさ摘みたるとふ花ありて積みたる本にも埃ひとつなし

私の好きな本だけ置いてます 主はそのときだけ眼(め)を細めて

伯爵の邸(やしき)の物置きとばかり思ひゐし古書店なりけり『伯爵家の裔(すゑ)』

けふ行けば「臨時休業」の札ありて隣りの邸(やしき)で解体はじまる

ブルドーザーに倒されたる塀の中見れば庭跡にひつそり花は咲きをり

あたらしき家族のいくつか棲み始む 季節は過ぎゆくばかりにあらず
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする