カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

短歌メモ

2009-11-16 06:27:52 | Weblog
 昨日、紀尾井ホールでオーケストラ・ニッポニカのコンサートを鑑賞する前、ホール目の前のホテルニューオータニ、ロビーで休憩しつつ、短歌をいくつかメモ。その短歌メモからです。


あからさまに人の値踏みをする眼なり十五年間客なき店の主は

扉(と)の脇にけさ摘みたるとふ花ありて積みたる本にも埃ひとつなし

私の好きな本だけ置いてます 主はそのときだけ眼(め)を細めて

伯爵の邸(やしき)の物置きとばかり思ひゐし古書店なりけり『伯爵家の裔(すゑ)』

けふ行けば「臨時休業」の札ありて隣りの邸(やしき)で解体はじまる

ブルドーザーに倒されたる塀の中見れば庭跡にひつそり花は咲きをり

あたらしき家族のいくつか棲み始む 季節は過ぎゆくばかりにあらず
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