昨日、紀尾井ホールでオーケストラ・ニッポニカのコンサートを鑑賞する前、ホール目の前のホテルニューオータニ、ロビーで休憩しつつ、短歌をいくつかメモ。その短歌メモからです。
あからさまに人の値踏みをする眼なり十五年間客なき店の主は
扉(と)の脇にけさ摘みたるとふ花ありて積みたる本にも埃ひとつなし
私の好きな本だけ置いてます 主はそのときだけ眼(め)を細めて
伯爵の邸(やしき)の物置きとばかり思ひゐし古書店なりけり『伯爵家の裔(すゑ)』
けふ行けば「臨時休業」の札ありて隣りの邸(やしき)で解体はじまる
ブルドーザーに倒されたる塀の中見れば庭跡にひつそり花は咲きをり
あたらしき家族のいくつか棲み始む 季節は過ぎゆくばかりにあらず
あからさまに人の値踏みをする眼なり十五年間客なき店の主は
扉(と)の脇にけさ摘みたるとふ花ありて積みたる本にも埃ひとつなし
私の好きな本だけ置いてます 主はそのときだけ眼(め)を細めて
伯爵の邸(やしき)の物置きとばかり思ひゐし古書店なりけり『伯爵家の裔(すゑ)』
けふ行けば「臨時休業」の札ありて隣りの邸(やしき)で解体はじまる
ブルドーザーに倒されたる塀の中見れば庭跡にひつそり花は咲きをり
あたらしき家族のいくつか棲み始む 季節は過ぎゆくばかりにあらず