モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

四角い金魚鉢

2023-03-24 21:43:23 | 大人 油絵・アクリル


立野 油彩・金箔・銀箔

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、大人クラスの立野さんの油彩作品です。長らく水道の壁に掛けてありましたので、印象に残っている方も多いのではないでしょうか。

ミオスで小学生クラスのカリキュラムになってから他クラスでも流行っている、銀箔・銀箔を油絵に貼り制作しました。左は銀箔のみ、右は金箔のみを使用しています。油絵具は粘度があり、支持体も紙より丈夫なキャンバスなので、異素材とも組み合わせ易く、私の大学ではダンボールやプチプチといった物を貼り付けている人もいました。
スクエア3号の小さめのキャンバスですので、まるで金魚鉢に入っているかのような感覚で鑑賞する事ができますね。
左は全体が黒でまとめられ、その中に青や赤といった色が見え隠れしています。そこから浮かび上がる箔を纏った金魚の怪しくも美しい姿は、一目で観るものの心を奪う事でしょう。ウロコの表現も良いですね、幾重にも色を重ねてここまでの深みを出しているのでしょう。背びれや尾びれの透ける様な表現もお見事です。
左の作品は主役の1匹を大きく魅せる構図ですが、右の作品は小さな金魚は幾つも泳いでいる群体で描かれています。こちらは1匹1匹に金箔が貼られているので、見る角度によって輝きが変わり、ゆらゆらと泳ぎまわる金魚の動きにも見えてきそう。画面の殆どが背景ですので、その下地作りも念入りに作られているのが見て分かります。殆どの金魚は体をしならせて泳いでいる姿で描かれているのに対し、真ん中に在る青い魚だけは異質なものとして描かれていいるのでしょうか、直線的なポーズになっています。画面中心にも縦に亀裂のようなものが走っており、この魚は金魚鉢(キャンバス内)の世界を乱す、もしくは壊してしまう様な不穏なものを感じます。

どちらも小さい画面ながら、迫力のある仕上がりとなっていますね。金箔と油彩という和と洋の組み合わせも面白く、見る度に新たな発見がありそうな作品です。


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