
いつものアトリエのデッサンでは、モチーフを自分で並べて自分で描きたい物を描きたい構図で描くことが多いかと思います。しかし今回は自分の好きなようにモチーフを並べるわけではなく、すでに並んでいるモチーフを自分で決めた位置から自分でトリミングして描かなければなりません。360°どこから見ても絵になるようにモチーフは僕が配置しましたが、配置してある物を全て描いても良い絵にはなりません。置いてあるモチーフを端から端まで全て描くのではなく、全体の中でポイントとなる部分を自分で決め、モチーフの中で画面構成に不必要な部分があればそれを排した構図を取ります。
この「構図を取る力」が美術系の学校の入試などのデッサンでは要求されてきますので、それを学んでもらおうということでこんな授業になりました。僕の担当の大人・学生クラスには高校生が5人もいましたので、その5人+大人の参加希望者+僕、という大人数で描いていますが、1人でゆっくり地道にやるよりも周囲で同じモチーフを同世代の生徒がガリガリ描いている方が良い刺激になりますね!!僕も手本としての参加ですが、なかなか楽しく描いております。そして、まだまだ高校生には負けません。危機感の薄い彼らを煽る手段として、「囲いデッサン」のようにあからさまに順位の着くような課題で追い立てるのは少々手荒かもしれません。ですが、エネルギッシュな(っていうかエネルギーの有り余ってる)10代なんだし、もっと負けん気とか意地を見せてもらいたいなぁと思っております。
各々の作品の途中経過は、アトリエ水道近くの窓に立てかけてあるカルトンにまとめてありますので、気になる方はどうぞご覧ください。特に僕のデッサンは、デザイン科のデッサンの手本になるような描く順序・構図のトリミングを意識して描いているので、学生の生徒は必ず見て欲しいです!!!
田中幸介