佐々木 透明水彩
オバラです。日曜クラスに在籍する佐々木さんはお仕事が忙しく月に1回しか授業に出られませんが、月謝制で通われているもったいない(?)生徒さんです。入会から9年が経ちました。
入会時に奥様のお腹の中にいた息子さんが生まれてからはほとんど浮気することなく(言い方が怪しい!?)、ずっと息子さんを描き続けていらっしゃいます。前回の展覧会では『初めて背負うもの』という、なんとも重たい題名を付けられた『ピカピカのランドセルを背負うしゅんすけ君』を出品されていて、時の経つ早さをしみじみ感じてしまいましたが、なんとしゅんすけ君がお兄ちゃんになりました!
年賀状より定期的に絵を通して成長を見させてもらい、気分は親戚の叔母さんです。いやぁなんとも嬉しいニュースですね!
生徒さん方の中には、佐々木さんにお会いしたことはなくても、しゅんすけ君の事は知っているという方も多く、皆さん心の親戚のつもりで絵を眺めているとおっしゃいます。気になって、しゅんすけ君が生まれた時(9年前)からアトリエに在籍されている方を数えたら、大人クラス・チケット制だけで21人いらっしゃいましたので、おじさんとおばさんはずいぶんたくさんいますね!お兄ちゃんになったしゅんすけ君の絵は、ぜひ今年の展覧会に出品して頂きたいと思います。
余談ばかりで作品解説がまだでした。左の絵は昨年11月に完成されたもの。紫がかった色調の木漏れ日が織りなす美しい日常のひとこま。和らいだ光の中で、颯爽と歩く少年と一緒にその中を散歩したいと思わせるような作品です。
右の作品は弟ができた少年の喜び、弟を可愛がる息子を微笑ましく見守る父親の深い愛情が、淡く軽やかなタッチによるやわらかな質感の中から溢れています。
家庭を持ったこと、家族が増えたことが佐々木さんの制作にとってどれほど重要であったかを強調しています。きっと、父にならなければ絵は描いていなかったのではないでしょうか?この2枚の絵を見ているとなぜか切なくなるのは、そこに本物の愛情が描かれているからに違いありません。