早くもシリーズ(?)3、『リト戦記Ⅲ』
以下に紹介する制作は、全ての工程の間に、丸一日以上の時間をあけていることを先に断っておく。
左 一般的なやり方 絵を描き、アラビアゴムを塗り、水を掛けて拭く
中 先にアラビアゴムを塗り、絵を描く
右 ドーサ(礬水)引き、絵を描き、アラビアゴムを塗り、水を掛けて拭く
この3枚、全て安いラワンベニヤ板。(うちはよく小学生が勢い余って?壁に穴を空けるので、裏が白いベニヤ板を常置)YouTubeで調べるとホームセンターで売っているベニヤ板で制作している人もいたが、ダメそうだ。(上記の板は、10㎝位の小さいサイズなので尚更かも)
前回の結論と同じ結果
・ベニヤ板では木目が荒すぎ、小学生では思ったように描けない
ちなみに「板にドーサ引きすると良い」という人もいてやってみたが、なぜドーサ引きするのか、理由は誰も言っていない。通常ドーサは日本画用の和紙に、にじみ止めとして使う液体だ。
描きづらい板に、少しでも繊細に描けるように…という意味合い、と解釈した。(その割に薄くしか刷れないところが謎だが。)
次に、版木として販売されている、木目が均一で彫りやすく反りが少ないシナ材で試してみよう(サイズは上記ラワンベニヤと同じく約10㎝四方)
左① ドーサ引き、絵を描き、アラビアゴムを塗り、水を掛けて拭く
右② 先にアラビアゴムを塗り、絵を描く
①のドーサは、版木で試したところで変わらない。(そして今回も薄い!)不要の結論を不動とす。
②は、結構イケてるが、版木が汚れてしまった
②の版木が汚れた原因は、『リトⅡ』で結論を出した
・版木は均一に刷れるよう木肌を化粧加工してある為、アラビアゴムが沁み込みにくい
為だろう。その事を考慮し、以下↓は最初にやすりを掛けてみた。
左③ やすりを掛けてから、アラビアゴムを塗り、絵を描く
右④ やすりを掛けてから、絵を描き、アラビアゴムを塗り、水を掛けて拭く
どちらも良好な結果。少しの違いを比べてみる。
③ 先にアラビアゴムを塗り、あとからソリッドマーカーで絵を描いている為、インクがベッタリ付き、ムラに見える部分がある
④ インクがソフト(薄め)な仕上がりなのは、水を掛けてアラビアゴムを拭く時に、拭き取りが甘かったようだ
今回の結論
・ベニヤ板は、(小学生には)描きづらく、版木として販売しているものを、やすりを掛けてから使用
・ドーサ引きは、作業工程を増やす割に、見栄え薄く不要
・先にソリッドマーカーで絵を描き、アラビアゴムを塗り、水を掛けて拭く際ゴシゴシ拭く +(小学生には)しっかり拭き取るのは無理なので、もう一度ソリッドマーカーでなぞらせる + 黒く塗りつぶす面積が大きい場所はアラビアゴムを塗らないようにする
もう少し実験を続ける必要がありそうだ。オバラ