鈴木M 油彩
岩田です。今回は、鈴木さんの作品をご紹介します。
掲載した2点ともに、お孫さんを描いた油彩です。
左手は、嬉しそうに煙モクモクの中で花火をしている姿が印象的です。
こんな笑顔をされたら、お爺ちゃんとっては、たまらなく可愛いいと思いますが、その気持ちが画面からストレートに表れていますね。通常とは違う下からの光源だと顔ってついつい怖くなってしまうものですが、とても上手く描かれています。
右手は、木に登ったお孫さんと下から見守る母を描きました。
とても味わい深い色合いで、木や葉の色がとても美しいと感じます。ただ地面や背景の設定というか色が未消化のようにも見えます。
木の幹と人物が完全に重なっている為、描き分けがとても難しいアングル。
構図的には、下1/3を切ってしまう。つまり木に登っているお孫さんのみを描いた方が分かり易い絵になったかもしれません。
そして、敢えて母は画面に入れず、視点の先に人が居るのを想像させ、「見守る母と・・・」といったように、描いていないものをタイトルで表現するというような攻め方もありでしょう。
又、母の服の色を明るい色に完全に変えてしまうなど、若干の設定変更で描き易くなることがあります。
写真に撮ったものを描く際に、光源や構図も含めて、シチュエ―ションを変える場合は、事前のエスキースを入念に行いましょう。