モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

アトリエミオスへ、感謝をこめて。

2009-12-22 12:56:00 | スタッフ講師
みなさま、こんにちは。

私、石山は12月をもって
アトリエを退職させていただくことになりました。

在籍中に直接お話できた方も、残念ながら最後に会うことができなかった方もいらっしゃいますが、ここで最後のご挨拶をさせていただきたいと思います。

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ちょうど2年前、ひょんな事からミオスで働き始めるまでは、
「人になにかを教える仕事」というものを考えたことすらありませんでした。
(☆ひょんな事:田中先生から「絵画教室の先生、やる?」の一言で、とりあえず話を聞きにきたつもりが・・・あれよあれよという間に、即日先生として働くことに。)

ある意味そのスタンスは今も変わらず、今後も「教職」を考えることは(おそらく・・?)ないのではないかと思っています。

 だからこそ、本当に素晴らしい経験をさせていただきました。

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そんな無防備な状態からのスタート。しかし仕事である以上「生徒さんにとって価値もある先生」をしなければならない・・・。これは当初、かなり悩みました。
デッサンやデザインのことは分かっている。
でも、それだけでは意味がない。

もっとこうすればよかったー!とたびたび反省していく中、
生徒さんに「上達の感覚」を伝えられるかだけでは足りなくて、「(上達を中心とした)絵を描くことのたのしさ、うれしさ」これをどれほど伝えられるか(時に共有できるか)が私の仕事かなぁと考えるようになりました。

(あくまで理想として!です。まだまだ遠く及ばないと皆様からお叱り受けそうですね。以前小原先生にもツッコまれましたが、わたくし理想は高く現実はまだまだ追いつかないタイプなもので。。お恥ずかしい)

アトリエ大人クラスでは、その完成に満足とまだまだ上達を目指したい情熱が半々になった素敵な表情を、たくさん見せていただきました。
人生ではじめての鉛筆画、真っ黒に力強く仕上げたデッサンを「家族に見せなきゃなー」という、はにかみながらもうれしそうな顔。
普段黙々と絵と向かい合っている方が、ご自分の赤ちゃんの写真をモチーフにしたときのフっとしたやさしい表情。
みなさまの環境や国籍もちがい、その背景にある「ものの見方」の違いにたくさん感動させていただいております。


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そして。
人生で関わる予定がほぼないであろうと思われた、
「こども」という人たちの、「せんせい」になったこと。

前述しましたが、突然に肩書きは先生になり、慣れなさすぎる呼称に申し訳ない思いすらありました。
しかし今になって思うのは、私にとっては「先生」という立場もあくまで生徒さん一人ひとりとの関係を象徴する要素のひとつに過ぎず、
結局は人とひととのつながりである事に何も変わりはないのだなぁ、という事です。

当初こどもと、どう接していいか全く自信がありませんでした。
でも、こどもだろうが大人であろうが、一人の素敵な方と関わって話ができる。そう思えて、本当に小学生や学生、幼児まで担当させていただいたことが幸せでした。

あんな小さかった子が、実は身長がこんなに伸びていた。
描く顔なんてド正面から一本勝負しかなかったのに、いつの間にかこんなに立体的に描いてるわ・・亀の甲羅まで!
幼稚園生かと間違うくらい幼かったのに、あら文章つなげてしっかりしゃべってた。
2年前はチビッコだったのに、もうずいぶんシッカリしてきたね。

感慨にふけりはじめると、正直言って止まりません!!
ちょっと泣けてきます。なのでこのへんで。


そして最後の授業にて、私から彼らに言ったこと。
たった2年の時間だけれど、もし少しでも伝わっていたら先生冥利に尽きる!という、私の願いを伝えさせていただきました。


 みんなは、
 絵を描いたり、何かをつくったりするのが楽しいよね。

 こうやって、なにかを空想したり、かんがえたりする事って
 ほんとうに素敵なことだと私は思います。

 それができる人は、一緒にいるともだちや、家族のこと、
 みんなの気持ちも想像できる人だと思うから。

 だから創造できることは、とってもやさしいことです。

 みんながやさしいと、まわりの人も笑顔になれて、
 それは このクラスのみんな自身が
 一番笑顔になれることかなぁと思っています。


 これからも、楽しくて 素晴らしい作品を
 いっぱいつくって下さいね。

 そして、
 どうか素敵なおにいさん・おねえさんになってください。

 (2年間、この火曜クラスに通ってくれて、
  本当に本当に ありがとう! )


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こうやって「教えること」や「こどもというひと」を深く考えること、たくさんの種類のつくる喜びがあること、それぞれのものの見方で、いきいきと絵を楽しむ大人の方々とお話できたこと。
それはどのスクールでも絵画教室でもなく、このアトリエミオスで講師を務めることでしか経験できない事だった、と私は大きな声で言えます。


今後は、現在就かせていただいている写真家のお師匠さんのもとで勉強しつつ、自分での仕事も増やせるように精進していく次第であります。
何かでお見かけの際は笑顔でお返しできればと思いますので、
どうぞ応援のほどよろしくお願いします!!

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ずっと受け持たせていただいた生徒の皆様。
その保護者の方々。
また私を支えて下さった講師のみなさま。
そして小原先生とアトリエミオスに、
深い深い感謝を申し上げます。

皆様のさらなる素晴らしい発展をお祈りして。さいごのご挨拶に代えさせていただきます。

 本当に、ありがとうございました!!!

Flower_3



どうか、みなさまの作品が、素敵な大輪の花と咲きますように。


石山慶子
2009年12月22日

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