モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

様々な水辺

2023-04-07 21:27:16 | 大人 油絵・アクリル



小川 油彩

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、小川さんの油彩作品。
左は2作目、右が3作目ですが、(1作目はこちら)どちらも主役が白く、手前から奥にかけて散らして配置されている構図です。

左の睡蓮は、池の黒色と花びらの白〜薄ピンクが美しい対比となっています。その中間にある葉っぱの緑も、細かい色の変化を繊細に追って描写されていますね。葉も花も、1枚1枚手を抜かず、真摯に画面に向かって制作されている姿勢が作品から伝わってきます。睡蓮や蓮は、どこか神秘的な佇まいを感じさせますね。蓮華が仏教に関わるものだからでしょうか?また、優しい色の緑が画面を占めるのもあり、眺めていると心が落ち着いて穏やかな気持ちになれそうです。
油彩で花を描く場合、難しいのはやはり花びらの薄さでしょうか。もったりとした油絵の具ではその薄さを表現するのに苦労しますが、小川さんは向こう側の色を透けさせる事により薄さを表現しています。花びらに触れた時のはかなさや、しっとりと柔らかい質感が伝わってきます。

右の白鳥の群れは、2作目と比べると色のグラデーションが多くなっており、絵の具の変化を楽しめる作品です。手前は黒く重めに色をのせ、奥は明るい色で筆跡を残さずぼかすように仕上げる事で遠近感を演出されています。のんびりと湖を泳ぐ白鳥たちも可愛らしいですね。羽毛のモコモコとした質感も、毛の流れを意識して、筆でその流れをなぞるように描かれています。そして白鳥が泳いで揺らいだ水面の波もまた、動きを筆でなぞるように描かれました。ただ何も考えずに色を乗せるのではなく、1筆1筆が意味のある動きとなるよう意識して筆を動かす事で、画面に一体感が出てきます。枚数を重ねる毎に、作者の描く時の意識が変化していっている様子が分かります。少しずつ、着実に成長されていっていますよ!

そういえば、ここまで制作された3枚は全て水に関わるものでした。現在制作中の油絵も川を描かれていますが、(恐らく意図されたものではないと思いますが)お名前にちなんだものなのかな?と思ったりしました。笑 次回作はこれまでとはまた違った試みですので、こちらでご紹介出来る日が楽しみです。


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